ハンガリーを旅行中に、何を食べようか検討中ですか??
旅の楽しみでもあり、旅の印象を左右する食事の時間。せっかくの機会なので、訪れている国の美味しいものを、上手に選んでいただきたいですよね。
私はブダペスト在住18年。
ハンガリー料理が食べられるレストランにちょくちょく足を運んだり、日本から来る仕事関係の人や家族・友人に、ハンガリーのレストランへ案内をしてきました!
今回のブログでは、在住者が本音でおすすめするハンガリー料理を紹介していきます。
- ハンガリー料理は、パプリカパウダーを使ったスープやシチュー系の料理が有名
- 内陸国なのでお肉料理が断然多いです
- 日本人の口にも合う美味しさなのが嬉しいところ
- ただ、伝統的な料理にはラードなど動物性の脂を使っていて、ヘビーな仕上がりになりがちなので、胃もたれに要注意です
ピックアップした料理の中でも「とてもおすすめの10選」と「おすすめの7選」に分けてみました。
完全に私の独断と偏見による内容ですが、ハンガリーへ訪れるみなさんの、レストランのメニュー選びの参考になったら嬉しいです。
ハンガリー旅行の予定のある方は、ぜひブックマークをして、レストランに入る前に読み返してくださいね!
【旅の指さし会話帳】
かれこれ20年くらい前に私も持っていたので、懐かしい!!と思わず表紙に見入ってしまいました。
かわいいイラストと共に、旅に便利な単語やフレーズが盛り込まれています。
ハンガリー料理についてまとめたページもあるので便利。
ハンガリー旅行のおともにいかがですか?
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
旅のプロとして、みなさんに役立つハンガリー情報や、旅行情報をお届け中!
ハンガリー旅行に関するお問い合わせもお気軽にどうぞ!
ハンガリー料理の特徴は?ハンガリー料理を食べてみよう!
ハンガリー料理の中でも有名な料理には、大体パプリカパウダーが使われています。
パプリカパウダーは辛いものと辛くないものがあります。
パプリカを使った赤い色の料理は辛そうに見えますが、全く辛くない料理もたくさんあります。
辛いものが苦手な方は、念の為オーダーの時点で確認をしてください。
辛くない料理でも、食事と一緒に出される辛いパプリカのペーストを入れたらアクセントになります。
メニューの多くが肉料理で占められていて、伝統的な料理は動物性油脂をベースに調理しているので、食べると見た目以上にお腹にたまります。
ハンガリー料理はボリュームがあります。食べ切るのが難しいかもしれないので、3コースで頼まないで、2コースでも、1コースだけでも問題ないです。
「お腹が空いていないので、前菜のスープをメインとして1品だけいただきます」とか、前菜を勧められても「食べ切れるか心配なので、メインディッシュだけお願いします」とウェイターさんに伝えたら大丈夫です。
とてもおすすめのハンガリー料理 10選
ハンガリーでこれ食べたよ!!と旅行後に話題にできそうな、有名な料理や私が美味しいと思う料理をピックアップしました。
早速ご紹介していきます!
グヤーシュスープ(Gulyásleves)
とりあえず、これを食べておけば「ハンガリーでハンガリー料理を食べた!」と言える一品です。
ハンガリー周辺諸国のレストランでも見かけますが、本場はハンガリーです。ハンガリーの大平原で、牛飼いたちが屋外で大鍋で料理して食べていたスープがルーツと言われています。
牛肉・玉ねぎ・じゃがいも・にんじん・根パセリなどを煮込んで作りますが、牛肉の代わりに豚肉を使うことも多いです。
これまでハンガリーでお会いした日本人のみなさんは、おいしくグヤーシュスープを召し上がっている印象です。話のネタにもなると思うので、ぜひ一度はどうぞ。
大きなサイズのグヤーシュスープを提供するレストランもあります。グヤーシュスープにパンを合わせて、その1品だけで食事を済ませてしまってもOKです。
フォアグラ料理(Libamáj)
ハンガリーといえばフォアグラ料理が有名で、他国と比べて比較的安価にいただけます。ヘビーな一品ですが、旅行の間のちょっとした贅沢ということでいかがでしょう。
フォアグラを食べるのにいつもおすすめしているのは、コムシェソワ(Comme Chez Soi)というレストランです。ちなみに、コムシェソワにはグヤーシュスープもメニューにあります。
ブダペストの気取らないレストランでフォアグラはいかがですか?クリスマスなどを除いて、ほぼ年中無休なのも嬉しい点です!
ロールキャベツ(Töltött káposzta)
ロールキャベツというと一瞬ヘルシーな響きですが、ハンガリーのロールキャベツは超ヘビーなので、心構えをお願いします!!
クリスマスには必ずテーブルにあがる品で、寒い時期によく食べられています。
トランシルバニアのロールキャベツはパプリカ色をしていません。トランシルバニア方面出身の知人の家でしか食べたことがなかったのですが、ホルトバージのレストランメニューに偶然あったので注文することができました。
ロールキャベツはかなりヘビーなので、少食な方にはおすすめしにくいですが、ザ・ハンガリー!な一品であることは間違いないです。私は好きな料理の1つです。
パプリカの肉詰め(Töltött paprika)
私が個人的に一番好きなハンガリー料理です!
ただ、残念ながらレストランでお目にかかる機会があまりありません。
ブダペスト中央市場のフードコートや、レストランの「今週のシェフのおすすめ」など期間限定メニューのラインナップに入ることがあるので、見かけたら(チャンスは主に夏の期間!)ぜひ試してみてください。
過去に、ルーマニアのトランシルバニア(元ハンガリー領)のとあるペンションで、パプリカの肉詰めのスープが前菜として出てきたのですが、美味しすぎて何度もおかわりしてしまったことがあります。
みなさんにもハンガリーでおいしいパプリカの肉詰めに出会えるチャンスがあるといいです!
お肉を焼いた系の料理(マンガリッツァ豚など)
かなり大雑把な括り方で恐縮ですが💦、レストランのメニューにあるお肉を焼いた系の料理は、種類が豊富な上においしい場合が多いです。
ハンガリー料理の代表と呼べるのかは微妙ですが、鴨やチキンのもも肉や、豚肉の各種部位をフライパンやオーブンで焼いた料理、牛肉のステーキなどのラインナップがあります。
その中でも、豚肉をパプリカパウダーやニンニクで味付けしてから焼いた料理(チガーニペチェニェ/cigánypecsenye)はハンガリーっぽいと言えるでしょう。付け合わせに豚の脂身を焼いたものが付いてくることが多く、脂身を食べるの!?!?」とびっくり仰天するのも思い出になりそうです。
ボークナックル(csülök/豚の前足の部分)は日本ではあまりお目にかからない部位で、ドイツ料理として有名ですが、ハンガリーでも色々な調理法で食べられます。
量が多かったり、豪快に盛り付けされて出てくるので、旅の印象に残ると思います。
マンガリッツァ豚(Mangalica)の料理がもしもメニューにあったら、ぜひ試してみてください。ハンガリーの国宝に指定されている希少種マンガリッツァ豚は「食べられる国宝」として知られています。
スペインをはじめとする西ヨーロッパやアメリカで人気があり、世界市場に出荷頭数の半数以上が輸出されています。ハンガリー国内ではあまり食されていませんが、レストランでは時々見かけます。
🐷ブダペストでマンガリッツァ豚の食べられるレストランを、以下の記事で紹介しています!
ホルトバージ・パラチンタ(Hortobágyi palacsinta)
ハンガリーのクレープに、パプリカーシュ・チルケやプルクルトなど(いずれも後述します)のパプリカを使ったお肉の煮込み料理が入っています。パプリカ味のソースがたっぷりとかかっていておいしいです。
基本的には前菜として出されますが、このクレープを2つ頼んでメインディッシュにすることもできます。
ハンガリーの世界遺産ホルトバージ国立公園から名前をとったパラチンタ(クレープ)ですが、実際はホルトバージと直接関係はありません。1958年のブリュッセル万博でこの料理が初披露され、その際にハンガリー人シェフが命名したそうです。
揚げ物料理
揚げ物料理は多くのレストランメニューで見つけられます。
オーストリア風のウィンナーシュニッツェル(本場は牛肉だが、豚肉で作られていることが多い)、鶏肉や豚肉にチーズやハムなどを入れたコルドン・ブルー系、チーズの揚げ物やベジタリアン向けのきのこや野菜の揚げ物などがあります。
特別にハンガリーっぽいわけではありませんが、ハンガリーでは揚げ物は人気があって上手に調理されているので、無難な選択肢の1つです。
<食べ歩き系>クルトゥーシュ・カラーチ(Kürtőskalács)
元ハンガリー領のトランシルバニア発祥の、パン生地を棒にクルクルと巻きつけて焼いたお菓子です。
英語ではチムニー・ケーキ(Chimney cake、煙突ケーキ)と表記されます。ドイツ語圏の国に行くと「ハンガリアン・バームクーヘン」と呼ばれているそうです。
シナモン味・クルミ味・チョコレート味・ココナッツ味…など、トッピングの味を選べます。
近年大人気で、ブダペストでは地下鉄の出入り口や観光客の多い場所にある屋台などで購入できます。1つ1,000フォリント程度の求めやすい価格で、観光客が列をなしていることも多いです。
息子がフルーツ系のジェラートが好きなのでトッピングしてもらいましたが、正直、クリーム系の方が合うかなと思いました(笑)。
クルトゥーシュ・カラーチの先がすぼんでいて、アイスクリームのコーンのようにつくられています。
この前日本に帰国した時、鎌倉でもクルトゥーシュ・カラーチのお店を見つけてびっくりしました。日本でもこれからクルトゥーシュ・カラーチの認知度が高まってくるかもしれません。
ぜひ、クルトゥーシュ・カラーチの本場、ハンガリーでご賞味ください!
<食べ歩き系>ラーンゴシュ(Lángos)
小麦粉に牛乳やイーストを混ぜたものを大胆に油で揚げていただく、ハンガリーの揚げパンでいわゆるストリートフードです。トッピングによりますが1枚1,000〜1,500フォリントくらいです。
シンプルに塩だけをかけて食べるのもいいですが、チーズやサワークリームなどをトッピングするのが人気です。
なかなか大きな揚げパンですが、大人も子供もペロリと食べています。
お店によってラーンゴシュの大きさも違うので、誰か食べている人の手元をみて、食べ切れなさそうであれば友達とシェアしてもいいかもしれません。
<飲み物>レモネード(Limonádé)
厳密にはハンガリー料理とは言えませんが、レモネードは人気のドリンクメニューなのでおすすめに加えました!
レモネードといえば以前は夏の風物詩でしたが、最近では年中いつでも提供しているレストランが増えてきています。
レモン水にシロップを入れただけのシンプルなレモネードもあれば、レモン・オレンジ・ライムの輪切りやフレッシュミントが飾ってあるようなゴージャスなものもあります。
フレーバーシロップ入りのレモネードも美味しいです。キイチゴ、青リンゴ、マンゴー、エルダーフラワー、ラベンダー、レストランによってはキュウリやジンジャーなど、色々特徴を出して楽しませてくれます。
個人的には、エルダーフラワー(Bodza)フレーバーのレモネードが、ハンガリーっぽいのでおすすめです!
おすすめのハンガリー料理 7選
ガイドブックやインターネットでよく紹介されているけれども、みなさんの要望と条件があった時に食べてもらえたらいいかな…と思う料理をピックアップしてみました。
プルクルト(Pörkölt)、パプリカ味の煮込み系料理
パプリカパウダーを使って煮込んだシチューのようなメインディッシュ。小麦のダンプリングなどと合わせていただくのが一般的です。
プルクルトはグヤーシュスープと混同されることがありますが、グヤーシュはスープであり、プルクルトはメインディッシュで別物です。
パプリカーシュ・チルケ(Paprikás csirke)
ハンガリー料理の紹介で必ず出てくる1品です。チキンをパプリカパウダーや玉ねぎ・にんにく・トマトなどと煮込んで、サワークリームが最後に加わります。
まろやかで食べやすい料理ですが、他のメインディッシュと同様、食べ終わるとお腹にずしんとたまる感じがします。
プルクルトと同様で、前菜にグヤーシュを選ぶと、前菜もメインもパプリカパプリカした似たような味になるので一応注意してください。
私はパプリカ系の料理に少し飽きているのですが、初めて食べるとなかなか美味しいと思います!
ブダペストの王宮の丘「ハンガリーの伝統的な食材を使ったメニュー=”フンガリクム・メニュー”」をモダンなスタイルで提供するレストランがあって、パプリカーシュ・チルケやプルクルトもいただけます!
フルーツスープ(Gyümölcsleves)
ハンガリーの珍しいスープといえば、夏に提供される果物を使った冷たくて甘いスープです。料理の前菜としてオーダーするのですが、「最初に甘いスープ!?」と驚かれる方が多いと思います。
慣れてくると、暑い時期にいただく食事の前のフルーツスープは、さっぱりとして美味しいです。
甘党の方は試してみてはいかがですか?
魚のスープ(ハラースレー / Halászlé)
ガイドブックなどでもよく紹介されている魚のスープ・ハラースレー。パプリカパウダーの入った赤いスープは、クリスマスの定番です。
ハンガリーのドナウ川・ティサ川・バラトン湖など、水辺の町の名物料理になっていたりします。
使われている魚はコイやナマズのことが多く、上手に料理されていないとなんとなく生臭い感じがあり、私は積極的にはチョイスしませんが、好きな人にはハマる味です。
画像を引用させてもらったHorgásztanya Vendéglőでは、コイのハラースレー、ナマズのハラースレー、コイとナマズをミックスしたハラースレーなど、数種類のハラースレーが提供されています。
レチョー(Lecsó)
パプリカとトマトと玉ねぎ、そしてもちろんパプリカパウダーを入れて煮込んだ料理レチョー。
レストランで出されるレチョーは、野菜だけではなくコルバース(ハンガリーのソーセージ)が入っていることが多いです。卵が入っているバージョンもあります。
個人的に野菜だけのレチョーは好きなのですが、コルバースが入ると結構ヘビーです。ソーセージ系が好きな人にはおいしい1皿になるはずです。
お肉料理の付け合わせで、レチョー(野菜のみ)が付いてくることもあるので、その場合は1皿で2つのハンガリー料理を味わうことができます。
<デザート>ショムローイ・ガルシュカ(Somlói galuska)
ハンガリーのデザートとしてよく紹介されているのがショムローイ・ガルシュカ。スポンジケーキにチョコレートソースとクリームをのせたデザートです。
お腹にずっしりくるデザートなので、2人以上でレストランにいる場合は、シェアして食べるのもいいかと思います。
以前、老舗カフェ・ジェルボーからデリバリーで取り寄せたショムロイ・ガルシュカは、さすがに美味しかったです。
ジェルボーからデリバリーしたケーキ類の写真などをこちらのブログに載せています。ケーキ好きの方はぜひご覧ください。
<デザート>パラチンタ(Palacsinta)
ハンガリーのクレープです。日本でイメージするような中の具材に凝ったものではなく、ジャム・チョコレート・カッテージチーズなど、何か1つだけが入っているシンプルなものが多いです。
ハンガリー料理のメインディッシュをガッツリ食べた後であれば、パラチンタを注文すると量が多すぎるかもしれないので、お腹とよく相談してください。
前述したストリートフードのラーンゴシュと一緒に販売している屋台が結構多いので、おやつとして食べてもいいですね。
ハンガリーで一番有名なクレープ「グンデル・パラチンタ」。このクレープ発祥のレストラン「グンデル」のレポートはこちらからどうぞ!高級レストランですが思ったよりも入店しやすく、お茶をするだけでも大丈夫です。
食事と一緒にデザートを食べるお腹の余裕がない…そんなことになりがちなハンガリー料理。
甘いものは、観光の合間にカフェでお茶をしながらいただくのはどうですか?おすすめの老舗カフェをまとめた記事はこちらです。
おすすめのハンガリー料理17選 まとめ
パプリカパウダーをふんだんに使ったハンガリー料理は、日本人の口にも合う美味しい料理です。
ただ、伝統的なハンガリー料理は動物性油脂をベースにしているので、全体的ににボリュームがすごいです。
ハンガリー料理は一般的に1皿ずつ2〜3コースで食べる流れが標準ですが、お腹の調子に合わせて1皿オーダーするだけでも大丈夫です。ウェイターさんにその旨そのまま伝えてください。
色々紹介してきましたが、メニュー選びで迷った時は、レストランのウェイターさんにその場所でのおすすめを教えてもらうのが一番いいと思います(笑)。
きっと快く相談にのってくれるので、遠慮せずに聞いてみてください。
ヘビーな料理がそもそも苦手な方は、無理にハンガリーっぽい料理にせず、当たり外れの少ないサーモンのメイン料理や、ベジタリアン向けの料理を選択して楽しんでくださいね!
以上、参考になる情報があったら嬉しいです。ハンガリーで美味しい料理に出会えますように!!
ブダペストにあるミシュラン星付きレストランのまとめはこちらです。
ブダペスト5区にある、私が好きなレストラン3軒です。
緑がいっぱいのユニークなレストラン、雰囲気がいいですよ。
夜中はバーになる建物も、日曜日の午前中はのどかです。