(タイトル下の画像は、2024年9月18日のドナウ川水位上昇時の様子です。土地勘のない方は川沿いの行き来には十分ご注意の上、無闇に近寄らないようにしてください。)
2024年9月中旬、オーストリア・チェコ・ポーランドなどハンガリー近隣諸国での大雨により、ハンガリー国内のドナウ川を始めとする河川の水位が上昇し、警戒情報が発出されています。
ブダペストのドナウ川の水位は通常2〜3メートル程度ですが、9月20日〜21日頃には8メートル50センチ程度まで上昇する見込みです。8メートル30センチでした。
2013年のドナウ川水位上昇時に8メートル91センチを記録していて、この高さに近づくことが予想されていました。
2024年9月19日現在、市内の交通規制(主にドナウ川沿い)が敷かれているエリアがあるので、お出かけには事前の確認が必要です。
すでにドナウ川沿いの道路は封鎖され、9月16日の夜には駐車中の車は撤去されました。
上の画像は今から11年前の2013年6月、ドナウ川の水位が過去で一番上昇した際の様子です。
今回の水位上昇は2013年に次ぐ高さになりそうですが、当時ハンガリーでは幸いにも亡くなる方はいませんでした。
ドナウ川は幅があり、水位はじわじわとゆっくり上がっていくイメージです。しかしながら、事故にならないよう油断はせず、無闇に川に近づかないようご注意ください。
こちらの記事の情報は随時更新していくので、ハンガリーへご旅行予定の方はお役立てください。
ドナウ川沿いのアクティビティ(ドナウ川クルーズ、トラム2番から景色を眺める、マルギット島など)は制限がかかりますが、ブダペストに関しては、川から少し離れた場所や丘の上などのアクティビティ、現地の人々の生活は、基本的には概ね通常通りです。
安全に気をつけながら、ブダペストの滞在を楽しんでいただければと思います!!
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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【Flood Hub】洪水予測のプラットフォーム
Googleが提供する洪水を予想するプラットフォーム「Flood Hub」にて、水位のピークや警戒水位・危険水位の情報を確認できます。
Flood Hubを利用して「ブダペスト」で検索すると、ドナウ川の水位のピークは9月20日〜21日頃と予想されています。
9月21日の午前中にピークを迎えました。【最新 / 9月20日(金)の様子】ブダペストのドナウ川沿い
MAHARTのチケット売り場の建物内も、とうとう水に浸かってしまった様子を撮影。水位は8メートル22センチでした。
中央市場のある自由橋方面にも大勢の人が集まり、写真撮影をしたり川の様子を眺めたりしていました。
【9月19日(木)の様子】ブダペストのドナウ川沿い(ペスト側)
ブダペスト市内中心部は、ドナウ川の水位上昇時も比較的焦りが見られません。
水防対策がしっかり取られていることや、毎年必ず雪解け時期恒例の水位上昇があるので、ある程度慣れていることが要因の1つかと思われます。
9月19日の夕方も、世界中から集まった観光客と、現地の人々が大勢川沿いに集まっていました。
水際でドナウ川水位上昇フォト(?)を撮っている人も多いですが、普段の土地の様子をご存知ない日本のみなさんは、足元には十分お気をつけください!
普段は歩行できないトラムの線路の上を、人々が行き交います。
一応、ドナウ川沿いの道の手前には立ち入り禁止のテープがいくつもあって、係員もいるのですが、出入りをしても誰も注意されません。
何年か経った頃には、こんなゆるい感じも終わってきっちり立入禁止になるかもしれないです。
MAHARTのチケット売り場が、前日と比べてもかなり水に浸かってしまっています。
ちなみに、この画像を撮影した時間は、ドナウ川の水位は7メートル86センチほどでした。
土嚢の上に座ってくつろぐ人々。このゆるくて自由な感じがブダペストっぽいです。
9月18日に撮影した際、半分だけ見えていた赤いベンチは、もう水の下で見えませんでした。
国会議事堂のあるKossuth Lajos広場へ向かってみます。
国会議事堂周辺も大勢の人。ベビーカーを押して歩く赤ちゃん連れ家族も結構見かけました。
音楽の演奏をしているグループもいて、水位の上がったドナウ川を背景に賑わっています。
なかなかシュールで不思議な光景でした。
夜景クルーズを楽しみにしていた旅行者も多かったと思いますが、非日常のブダペスト滞在が、いつか振り返った時に特別な思い出になっているといいです。
【9月18日(水)】ブダペストのドナウ川沿い様子
9月18日の午前中、【ペスト側の自由橋〜エリザベート橋〜くさり橋のドナウ川沿い】および【ブダ側のくさり橋とエリザベート橋の間】を散策して、ドナウ川の様子を撮影しました。
ブダペスト旅行の前に、現地の状況を心配されている方が多数いらしたので、画像を見て様子をご確認ください。
ブダペストに関しては、気をつけて過ごしていれば危なくはないです。
平日ですが車が走っていない分静かで、川の様子を見たり、写真撮影をしている人も多かったです。
ここからさらに、1メートル50センチほど水位が上がると見込まれています。
遊覧船乗り場が並ぶエリザベート橋付近。普段の画像と比較すると、川沿いの道路まで水位が上がっていることがわかります。
【ブダペストでドナウ川デイクルーズ】現地在住者が家族と乗船してみた!という記事でご紹介しているLegendaの船着場はこんな様子です。いつも立っている電子掲示板は撤去されていました。
クルーズ会社MAHARTのチケット売り場は、洪水があるたびに一部浸水してしまいます。この建物の前に横断歩道があるのですが見えません。
遊歩道で作業している人々。ドナウ川の水がここまで氾濫することはおそらくないですが、大事をとって排水溝の清掃を行っているとのことでした。
ドナウ川沿いから市内へ入る道路には、土嚢が積み上げられていました。
くさり橋の麓にあるバー付近の様子。半分水の下の赤いベンチも、明日・明後日では見えなくなることでしょう。
くさり橋のたもとの下を2番トラムが走るのですが、この部分がいつも水に浸かってしまうため、運行が中止になってしまいます。
くさり橋を渡った反対側(ブダ側)も、ドナウ川沿いの道路は水の下です。
ちょうど10日前に同じ角度で撮影した画像と比較してみると、どれくらい水位が上がっているか分かります。橋脚の見えている幅がだいぶ狭いです。
【ブダペスト市内の交通】ドナウ川の水位上昇による影響
ブダペスト交通センター(BKK)のウェブサイトにて、公共交通機関の運休情報が随時アップデートされています。
ドナウ川に浮かぶマルギット島は閉鎖されており、ドナウ川沿いの公共交通機関に一部影響がでています。
運休中もしくはルートの一部が運休中の公共交通機関(2024年9月30日、08時23分更新)
26番および226番バス(マルギット島を横断するバス)
4番および6番トラムは運行していますが、マルギット島へと続く、マルギット橋の中央の停留所にのみに停車しません
通常よりも頻繁に4番および6番トラムは運行中です
地下鉄2号線のBatthyány tér駅は通常通り利用できるようになりました9月20日(金)〜 地下鉄2号線のBatthyány tér駅は停車せずに通過、
地下鉄2号線は運行していますが、9月20日からBatthyány tér駅には停車しません
Széll Kálmán tér駅から39番バスでBatthyány térへ移動できます
2番トラム系統(2, 2B, 23)
9月27日(金)〜通常運転しています観光客に人気のドナウ川沿いを走る景色のいいルートが閉鎖中(ドナウ川の水位が上がると、くさり橋の周辺の線路が低い位置にあるため、水に浸かってしまいます)
2番トラム系統の南のルート(Március 15. tér以南)は運行しています
2番トラム系統の国会議事堂付近の北のルート(Jászai Mari tér〜Kossut Lajos térSzéchenyi István tér)も運行しています
34番バスの一部 運行していますオーブダの川沿いのルート、北側のBékásmegyerとRómaifürdőの間は運行していません
郊外列車5番(センテンドレ行き) 運行しています 9月25日(水)より、Batthyány tér駅から郊外列車を利用できるようになりました
9月18日(水)〜
ブダペストの始発駅Batthyány térは地下にあるためクローズ、その隣の駅Margit híd, budai hídfőは、通常の駅より北側に臨時の駅があるので、そちらから乗降できます。
15番バス 運行していますDorottya utca (Vörösmarty tér)に停車しません(近くの別の停留場に停まるので問題ないです)
19番トラムのくさり橋の下 9月20日(金)〜
9月24日(火)〜通常運転していますくさり橋の下をトラムが通れませんが、北側のルートも南側のルートも、くさり橋の手前までは運行して折り返しします。北側のルートはBatthyány térが終点の場合と、Clark Ádám térが終点の場合があります。
41番トラム 9月20日(金)〜
9月24日(火)〜通常運転していますくさり橋周辺は運行せず、56番トラムのルートを運行します
104番バス系統、106番
通常運転しています一部の停留所を通過(旅行者のみなさんはあまり利用しないルート)
【ブダペスト発着の国際列車】※ウィーン行きは注意※ドナウ川の水位上昇による影響
ウィーン〜ブダペスト間の国際列車は9月17日現在運休されています。 ウィーン行きのチケットを持っていても、ハンガリー国内では、オーストリアとの国境の町であるHegyesmalomまでしか運行しません。
9月18日の朝より、ウィーン〜ブダペスト間の国際線は運行を再開しています。いずれの便も若干の遅れが生じていますが、これは洪水とは特に関係ない可能性もあります。(ハンガリー国鉄に電話で確認しました。)
オーストリア連邦鉄道(ÖBB)のウェブサイトでは、列車の遅延などの可能性を指摘し、9月19日まで鉄道の利用は延期を勧告しています。
ご利用予定の方は、ハンガリー国鉄およびオーストリア連邦鉄道の情報をご確認ください。
Flood Hubによると、ウィーンのドナウ川の水位はこの記事を書いている9月17日現在がほぼピークで、今後水位が下がることが予想されています。
【ブダペストのドナウ川クルーズ】9月17日から運休
ドナウ川の水位上昇により、ドナウ川クルーズは9月17日から運休しています。
(クルーズ会社Legendaでは、9月17日の15時30分以降のクルーズは運休で、それ以前の便は運航するようです。)
運航再開の情報は、各クルーズ会社のウェブサイトで今後発行される見込みです。
予定は変わる可能性もあるので、公式ウェブサイトも合わせてご確認ください。Legendaによると、水位が670センチ以下になれば運行を再開する予定で、9月25日頃と見込まれています。
ドナウ川にトラブルのない時期は、ドナウ川クルーズをお楽しみください!
【ブダペスト空港】ドナウ川の水位上昇による影響
ブダペスト発着の空の便に、特に影響は見受けられません。
空港〜市内への移動も特に問題はありません。
空港〜ブダペスト市内のアクセスについては、こちらの記事をどうぞ。
【ブダペストの天気】良好の予定
幸いなことに、ドナウ川の水位上昇騒ぎのこの数日間は比較的天気が良く、大雨が追い打ちをかけることはなさそうです。
【まとめ】ブダペスト・ドナウ川の水位上昇による影響
今回の記事では以下の内容をご紹介しました。
- 2024年9月のドナウ川水位上昇は、2013年の最高記録に近づく勢い
- ドナウ川沿いを中心に、一部の公共交通機関が運行中止
- ブダペスト〜ウィーン間の国際列車は、9月17日現在運行中止。ブダペスト〜ウィーン間のバスは運行している
- ブダペスト空港にドナウ川水位上昇の影響はなし
- ドナウ川クルーズは水位が下がるまで運航中止
ブダペストの地理を把握している現地の人は、ドナウ川に大胆に近づく人もいますが、みなさんは用心をして事故にならないよう気をつけましょう。
水位上昇中はドナウ川クルーズや景色のいいトラム2番の旅はできませんが、それ以外にもブダペストでは観光を楽しめる場所が多くあります。
安全な場所でブダペストの滞在をご満喫ください!
ブダペストで絶対に行っていただきたいのが王宮の丘!こちらの記事に情報をまとめてあります。