ブダペストで最も有名なレストランの1つが、市民公園内の動物園の隣にある「グンデル・レストラン(Gundel Étterem)」。
1894年創業のグンデルは、エリザベス女王やローマ法王ヨハネ・パウロ2世、世界の大スターたちも訪れた高級レストランとして知られています。
有名なハンガリー料理の多くも、実はここグンデルで発案され世に広まりました。
グンデルはコロナ禍が明けてオーナーが代わり、メニューや内装がリニューアル。
「誰でも気軽に訪れほしい」と新しいオーナーがYouTubeで話しているのを素直に信じ、思い切って1人でグンデルに行って、有名なパラチンタ(クレープ)を食べてきました!!
結論から言うと、グンデルへの入店は(特にお昼〜夕方にかけてであれば)敷居がそこまで高くないので、肩肘張らずにお食事を楽しめます。
2023年夏、グンデルのテラス席で過ごしたお茶の時間の様子をレポートします!
グンデルは高級レストランだから入りにくいのかしら…と気になっている方がいたら、ぜひこちらの記事を覗いてみてください。思ったより敷居が低いと感じられるはずです🎉
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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ブダペストにあるグンデル・レストランとは
緑でいっぱいのブダペスト市民公園の中に、150年以上の歴史を誇る動物園があります。そのお隣に建っているのがグンデル・レストラン。
動物園のシンボルでもあるゾウが、グンデルのトレードマークになっています。
グンデルの歴史
グンデルのロゴにはゾウのモチーフと一緒に「1894年」の文字が刻まれています。1894年にオープンしたレストランを1910年にグンデル・カーロイ氏が市から借りて、店名を「グンデル」に変更し現在に至ります。
グンデル・カーロイ氏の功績は、フランス料理から得たヒントをハンガリー料理と融合させたことです。
当時のハンガリー料理は「パプリカ入りの脂っこい田舎料理」としてみられていました。しかし、1939年のニューヨーク万博でグンデル氏の発案した料理は大絶賛を受け、世界にも広まっていきます。
戦後ハンガリーは社会主義時代に突入。1949年にグンデルも国有化されてしまい、その後40年はレストランにとって自由のない暗黒の時代でした。
社会主義が崩壊し、1991年にハンガリー系アメリカ人実業家らがグンデルを買収。当時ワシントンにあったハンガリー大使館でシェフをしていたカッラ・カールマン氏が料理長となったのを境に、グンデルは蘇り再び黄金時代が訪れます。
2006年には「グンデルは世界トップ10に入るレストラン」とイギリスの高級旅行情報誌で評されるまでになりました。
グンデルを訪れた著名人
グンデルのホームページで、グンデルを訪れた著名人の写真やサインを見ることができます。以下の人々の名前はその中の一部です。
- エリザベス女王2世
- ローマ法王ヨハネ・パウロ2世
- カトリーヌ・ドヌーヴ
- ダイアナ・ロス
- ブッシュ元米国大統領
- アラファト議長
- ベアトリクス・オランダ女王
- シラク元フランス大統領
- ポール・ニューマン
- ロジャー・ムーア
- ミハエル・シューマッハ
- マドンナ
- ブラッド・ピット
グンデルで生まれたと言われる料理
グンデル・レストランの名前を冠した、クルミ入りのチョコレートソースのかかったクレープ「グンデル・パラチンタ」が有名です。
それ以外にも、ハンガリー人なら誰でも知っているデザートのショムローイ・ガルシュカやラーコーチ・トゥーローシュ、パローツスープやウイハージチュークスープなどがグンデルで発案されたということは、私も今回初めて知って驚いています。
パプリカーシュ・チルケなど昔からあったハンガリー料理も、グンデルで洗練されたものになったと言われています。
ハンガリー料理のおすすめをまとめた記事があるので、ハンガリー旅行中にぜひ参考にしてください!
2023年現在のグンデルの様子
2020年のコロナ禍には、他のレストラン同様に閉鎖を余儀なくされたグンデル。2021年にはハンガリーのホテルやレストラン、イベント企画などを手掛ける企業グループの傘下に入り、その年の12月に営業を再開します。
以前のグンデルは白色やクリーム色の印象が強かったのですが、リニューアル後は明るいブルーもテーマカラーに追加されています。
レストランの中は以下のように分かれています。
・ディナーをフルコースで楽しむ方のテーブル
・軽食やコーヒーだけをいただく方のテーブル
天候のいい時期に開放されるテラス席は、緑が多く明るく楽しげな様子。気軽に立ち寄りやすい雰囲気が醸し出されています。
オルガンやジプシーバンドの生演奏もあります。
グンデルへ行く時の服装
ディナー(18:00〜)をレストラン内でいただく場合
レストランのディナー用テーブルへ通されます。エレガントな内装に合わせて、おめかししてお出かけすると雰囲気になじみます。
ディナー(18:00〜)をテラス席でいただく場合
テラスの雰囲気が開放的なので、少しラフな格好でも違和感がありません。もちろん張り切っておしゃれをしていくのもいいですよ!
ただし、天候が悪い場合は、レストラン内部のディナー用テーブルに案内されます。
カフェメニュー(11:00〜18:00)をいただく場合
天候のいい場合はテラス席に、そうでない場合はレストラン内のカフェメニューを選ばれる方のテーブルに通されます。「そうだ、今からグンデルに行こうかな!」と、ふらりと普段着で訪問しても大丈夫です。
グンデルのスタッフの対応
グンデルでティータイムを過ごしたのは2時間弱でしたが、テーブル席まで案内してくれた受付の女性の他、テーブルでは数名のウェイター・ウェイトレスさんが対応してくれました。
接客のレベルは正直なところ、人それぞれといった印象です(笑)。
ものすごく丁寧で笑顔のベテランっぽい人、気分にムラがあってその時々で印象が違う人、そつなく淡々と業務をこなしている人、とさまざまでした。個人主義のハンガリーっぽい感じです。
高級レストランだからと接客には過度に期待をせず、いい人に巡りあえたらラッキー!というスタンスでいるとハッピーな時間を過ごせるかと思います。
グンデルのお土産(現在販売なし)
以前はグンデルのロゴの入ったマグカップや小物類、 ワインなどがお土産で購入できました。しかし残念ながら、現在は販売していません。
ショーケースに過去のお土産類が飾られているものの、「もう売ってないんです」と受付の女性もちょっと悲しそうでした。
私の母は「以前グンデルでネクタイを買った」 と言っていました。たしかに、グンデルの古い写真を見るとお土産と思われるネクタイや書籍が写っています。
もしもグンデルでグッズ販売が再度始まったら、ハンガリーのおすすめお土産リストに加えますね。
グンデルで使用されている食器
グンデルといえばペーチ産のジョルナイ(Zsolnay)の食器が使用されていることで有名です。
しかし、今回テラス席に日中に訪れた際は、ドイツのBauscherという老舗陶器ブランドのすっきりとした白いお皿に料理が盛り付けされていました。
どうやら夜はジョルナイの食器が登場するようです。
18時以降のディナータイムに訪問される場合は、ぜひハンガリーが誇る陶磁器の1つである、ジョルナイに触れることも楽しんでください!
【ハンガリー土産おすすめ6選】の記事の中の「ヘレンド陶器・ジョルナイ陶器」で、ジョルナイ陶器についてもう少し詳しく書いています。ご興味のある方はリンクからどうぞ。
【訪問レポート】グンデルでパローツスープとグンデルパラチンタを食する!
2023年8月のとある日、午後4時前にグンデルを訪問しました。コロナ禍に入る前は何度かグンデルに足を運んでいましたが、リニューアル後に訪れるのは初めてです。
夏のディナータイム前で、天気がよければテラス席での食事になるとのことだったので、レストランのテラスの入り口へと向かいます。
ホームページから念の為事前に予約を入れておき、特に着飾らずに普段着で行ってみました。
夏のテラス席は気軽に入店できる雰囲気
グンデルのテラス席は緑がいっぱい。ゾウを中心とした動物のオブジェがおいてあったり、カラフルな日除けシェードの様子から、ちょっとサーカスっぽい感じもしてワクワクします。
受付で予約をしていることを告げて、テーブルへ通してもらいます。
今回は入り口付近の席に通されました。奥の席はまた違う雰囲気がして気になります。今度行くことがあれば、「奥の方にいきたいです!」とお願いしてみたいと思います。
ベビーカーに乗った赤ちゃんを連れて来ているお客さんも数組いて、YouTubeでオーナーさんが話していた通りオープンな雰囲気。子供メニューもあります。
🐕🦺テラス席であればわんちゃんと一緒でも大丈夫だそうです。
メニューを確認
11:00〜18:00のカフェメニューにはハンガリーのメジャーな料理が並んでいます。
ハンガリー料理が初めての人にとっては、もってこいの場所だと思いました。
リニューアル前のメニューで好きだったキノコのクリームスープなどがないのはちょっと残念に思いましたが、今メニューにあるお料理に期待です。
11:00〜18:00のメニューでグンデル・パラチンタとホットドリンク、ボトルウォーターがセットになったお得なメニュー(Gundel palacsinta ajánlat)あるので、そちらを注文。
2名向けのセットメニューで、上記のグンデル・パラチンタセットにグヤーシュスープがついてくるものがありました。スープとパラチンタを合わせるのもいいなと思い、パローツスープ(Palócleves)も一緒にオーダーしてみました。
特典付きのブダペストマップを見せて、無料でスパークリングワインをいただく(2023年12月31日まで)
最初にテーブルを担当してくれたのは若い女性のウェイトレスさん。グンデルに1人で入店する私に最初は怪訝そうでしたが、最後の方は優しかったです。
まず持ってきてもらったのは無料のスパークリングワイン。以前、セントラルカフェでお茶をした時に、「次回来る時に見せてくれたら、スパークリングワインが無料です」ともらった地図が、グンデルでも有効でした
。地図は見せるだけで大丈夫です。最低1品の注文でスパークリングワインがもらえることになっていますが、レストランに入る時や着席した時に確認してみてください。
ちなみに、グンデル以外でスパークリングワインの無料サービスがあるレストランは、以下の6ヶ所です。
- Centrál Grand Cafe & Bar(セントラル カフェ、別記事に詳細をまとめてあります)
- Fakanál Étterem(中央市場内)
- Városliget Café & Restaurant(市民公園内、グンデルから徒歩6分)
- SÉF Asztala(国会議事堂側)
- New York Café(Blaha Lujza駅近くの有名カフェ)
- Főőrség Étterem és Kávéház(ブダ城)
セントラル カフェの様子は、こちらの記事内でご覧いただけます!ブログタイトルの画像はセントラル カフェの内部の様子です。とっても素敵な場所ですよ。
パローツスープ(Palócleves)
オルガンやジプシーバンドの生演奏を聴きながら時間を過ごしていたら、パローツスープが運ばれてきました。
お肉(牛肉や豚肉が一般的)にインゲン豆、ジャガイモやニンジンなどの具が入った、サワークリーム入りの少し酸味のあるスープです。
モダンにアレンジされていて、具の入ったお皿に男性ウェイターさんがスープを注ぎ入れてくれます。
グンデルでいただいたパローツスープには羊肉(ハンガリーでは一般的ではなく高級)とたっぷりの野菜、イタリアンパセリとディルも贅沢にトッピングされていていました。緑色の部分はグンデルオリジナルの野菜オイルだそうです。
サワークリーム入りのまろやかなスープに、柔らかくて食べやすいお肉とお野菜、香草類はいいアクセントになっていて本当においしかったです。
本日の目的であるグンデル・パラチンタを食べる前に、かなりお腹がいっぱいになってしました(笑)。
グンデル・パラチンタ(Gundel palacsinta)
グンデル・パラチンタの到着を待ちます。思ったより時間が空きましたが、まずはセットのカフェラテが運ばれてきました。
そして、とうとうグンデルパラチンタの登場!!
グンデル・パラチンタは、クルミパウダーとラム酒を混ぜたものをクレープで巻き、チョコレートソースをかけたデザートです。
きれいな焼き色のクレープにはクルミパウダーがびっしり入っていて、チョコレートソースとクルミがたっぷりかかっています。
画像をアップにすると、グンデルマークのチョコレートに金粉がかかっているのがご覧いただけますか?ゴージャス!!
お酒の効いたクルミパウダーとクレープの組み合わせはよく合っていて、甘すぎないチョコレートソースはとても濃厚。
なかなかの量でしたが、ゆっくりと美味しくいただきました。
もしも前菜・メインをオーダーした後にパラチンタをいただくと、結構な量になります。2名以上で来ている場合は、パラチンタ1皿をシェアしていただくのもいいと思います。
今回かかった予算
今回注文したお食事の内容と料金は以下の通りです。
ハンガリーはヨーロッパの中ではまだ物価が安い方なので、高級レストランと言っても手の届く金額です。
食事の量はとても多いので、十分お腹いっぱいになります。
- スパークリングワイン(ブダペストマップを見せて無料)
- パローツスープ、パン付き(2,800フォリント)
- グンデルパラチンタとお好みのホットドリンク、グンデルのボトルウォーター付き(4,200フォリント)
合計8,050フォリント(約3,300円)<2023年8月22日現在 1フォリント=0.42円>
※サービス料15パーセントは、支払い時に自動的に上乗せになる
グンデルを久しぶりに訪れた感想
2023年8月にグンデルに訪問した感想です。全体的にとてもいい印象が残りました。ぜひ参考にしてください。
- グンデル・レストランは正装していくイメージだが、昼間やテラス席はカジュアルに楽しめる。
- テラス席は雰囲気抜群で、生演奏が心地よく、子供連れでも快適。
- パローツスープとグンデル・パラチンタは絶品。ただ、量が多いので注意。
- スタッフの接客は人それぞれ。4人のウェイターが料理を持ってきたのはハンガリーでは珍しい経験だった。
- 料理の提供は少し遅め。急ぐ方には向かないかも。
- 建物内の席はエレガント。ディナータイムでコース料理をいただく時には、きれいな服装がおすすめ。
- ハンガリーのインフレを考慮しても、西ヨーロッパよりお得感がある。
- 今回はスープとパラチンタのセットを注文したが、コーヒーだけを注文して雰囲気をみるのでも大丈夫そう。
【追記】子連れでも大丈夫!9月のグンデルのテラス訪問レポート
前回の訪問から約1ヶ月後、今度は家族も連れてグンデルを再訪しました。
高級レストランと言われるグンデルですが、子供と一緒でも遠慮なく入店できます。
子供向けのメニューも用意があるんです!
新しいグンデルのオーナーも「遊園地や市民公園で遊んだ後、気軽に家族で足を運んでほしい」とインタビューで答えているので大丈夫です✌️
テーブルに通してもらってすぐに、お絵描きセットを提供していただきました。ありがたいです!
この塗り絵の裏側には子供メニューが載っていました。
グンデルの子供メニュー:https://gundel.hu/en/menus/menu-for-kids/
チキンカツ(胸肉)とマッシュポテトにピクルスがついて2,100フォリントでした。
私と夫はスープやグンデル・パラチンタをオーダーしたのですが、前回1人で訪問した時と同様、お食事が運ばれてくるまでに結構待ち時間がありました。
子供たちがソワソワし始めたものの、テラス席の奥にあるブランコや小さな子供の家(?)を自由に使うことができたので、エネルギーを発散できてよかったです。
うちの子供たち以外にも、時間を持て余している子供たちが楽しく時間を過ごしていました。
グンデルはお子さん連れでも訪問しやすいです。動物園や市民公園の観光、サーカス観覧と組み合わせて、予約はいかがですか?
ただし、動物園も市民公園も歩き回ると結構体力を使うので、へとへとになった後にグンデルに来るのは避けて、別のタイミングで予約を入れるのもいいかと思います!
グンデルの詳細情報
住所 | Budapest, Gundel Károly út 4, 1146 |
アクセス | 地下鉄1号線Széchenyi fürdő駅から徒歩5分、もしくはトロリーバス72番Állatkert停留所から徒歩1分 |
営業時間 | 11:00〜22:00 カフェメニュー 11:00〜18:00 ディナーメニュー 18:00〜21:00 日曜日限定ランチメニュー 11:30〜16:00 |
定休日 | なし |
ホームページ | https://gundel.hu/en/ |
テーブル予約 | https://gundel.hu/en/table-reservation/ |
ちなみに、グンデルの本当にすぐ隣に動物園の入り口があります。
🐘ブダペスト動物園もいいところです。おすすめはエキゾチックな建物のエレファントハウス。動物園の雰囲気も楽しめます。
ブダペストの高級レストラン グンデル訪問のまとめ
ブダペストにあるグンデル・レストランは、多くの著名人も訪れる1894年から続く老舗の高級レストラン。
2021年からレストランのオーナーが代わり、「市民公園に遊びに来た後に、気軽に立ち寄れる場所にしたい」と宣言されている通り、日中は気軽に訪問しやすい雰囲気であることが実際に行ってみてわかりました。
レストランの名前を冠したグンデル・パラチンタはもちろん、現在のメニューには「ザ・ハンガリー料理」と呼べる品々が並んでいるので、ハンガリーに初めて旅行に来る人たちにも試してもらいたい料理が勢揃いです。
旅の思い出に残るお食事場所を探している方は、ぜひグンデルも選択肢にいれてみてください。
「ハンガリー旅行でグンデルに行ったよね」と、将来振り返ってみて素敵な思い出になること間違いなしです!
以上、参考になる情報があれば幸いです!
2023年8月の世界陸上はブダペストで開催されます。マラソンのスタートおよびゴール地点は、グンデルからも近い英雄広場です!
ブダペスト5区にある、おすすめレストランをまとめました!