ブダペストで有名なカフェといえば1858年創業のカフェ・ジェルボーです。
ブダペスト在住の私が、この記事でカフェ ジェルボーの以下の内容についてご紹介します!
・ジェルボーの歴史
・ジェルボーの店内の様子、ケーキや軽食など
・ジェルボーで買えるお土産
・ジェルボーからとりよせたケーキ8種類
かつて東京の表参道にもあったジェルボーは、惜しまれながらも閉店してしまいました。
ハンガリーのブダペストにしかないカフェ・ジェルボー。足を運びやすい立地にあるので、ブダペスト観光の合間にぜひ訪れてみてください!
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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ブダペストのカフェ・ジェルボーの歴史
現在のジェルボーの元となるカフェ・クグレルは1858年の創業です。1870年に現在のカフェ・ジェルボーの店舗のあるヴルシュマルティ広場(Vörösmarty tér)へ移転してきました。
後継者のいなかった当時のオーナー、クグレル氏が、1884年にスイス出身のエミール・ジェルボー氏をパリから呼び寄せます。その後、ジェルボー氏は菓子職人、チョコレート職人としてハンガリーで大活躍することになります。
人々が集うカフェの常連には、有名な音楽家リスト・フェレンツ(フランツ・リスト)や政治家デアーク・フェレンツもいました。オーストリア皇妃のエリザベートもジェルボーのケーキがお気にいりで、時々お忍びで通っていたそうです。
1896年に市民公園で行われたハンガリー建国1000年祭で、ビジネスチャンスを見出したジェルボー氏は、優雅なテラス付きの建物にカフェをオープンして大盛況。ジェルボーの名をヨーロッパにさらに広める新たなきっかけとなりました。
ジェルボー氏が考案した有名なチョコレート菓子が2つあります。
1つ目は「猫の舌(Macskanyelv/マチカニェルブ)」と呼ばれる薄く細長い形をしたチョコレート。現在ではハンガリーのみならず、ヨーロッパ中で見かけるお菓子です。ラングドシャ(フランス語で「猫の舌」を意味するクッキー)からインスパイアを得て作られたと言われています。
2つ目はコニャック入りのチェリーボンボンです。いずれもジェルボーの店内でお土産として購入できます。
1919年にジェルボー氏が亡くなった後も、ジェルボー夫人が1940年までカフェの経営を続けます。共産主義時代にカフェは国営化され、1948~1984年の間はジェルボーの名も消えましたが、1984年から再び「ジェルボー」の看板を掲げられるようになりました。
様々な歴史をたどってきたジェルボーは、古き伝統を守りつつ、新しい味や流行も取り入れるカフェとして、人々を魅了し続けています。
ブダペストのカフェ・ジェルボーの様子
ジェルボーのあるヴルシュマルティ広場は、観光客が行きやすい場所にあります。歩行者天国のヴァーツィ通りの突き当りで、ドナウ川にも歩いて3分ほどです。
ブダペストのペスト側の一等地にあり、ハンガリーの中では高級な部類に入るカフェです。地元のハンガリー人よりは、圧倒的に観光客が多く占めている印象です。気負いせずに入店してください。
お子さんと行く場合、小さな子供用の椅子はありません。普通の椅子に座らせるか、ベビーカーのまま入店もできます。ただし、入口に数段階段がありますので、周りの人に協力してもらってください。
ジェルボーのお手洗い(地下1階、階段利用、エレベーターなし)にはおむつ交換台も準備されています。
ブダペストのカフェ・ジェルボー 店内の様子
二重になっている扉を開けて、歴史を感じさせるジェルボーの店内に入ります。すぐ正面にはショーケースが並んでおり、持ち帰りできるチョコレートやクッキーなどが並べられています。
私がハンガリーへ来た頃は、ジェルボーと言えばクラシックな印象が強かったです。しかし、2010年代中ごろからカフェのメニューや雰囲気にモダンな要素が加わってきています。
お客さんの比較的少ない時期は、まずは入口を入ってすぐの部屋のテーブルに通されます。混雑してくると、徐々に左側にある部屋へのロープが開放され、そちら側へ座るよう誘導されます。
ブダペストのカフェ・ジェルボーのケーキ・軽食・ドリンク
テーブルに置いてあるメニューはシンプルに文字だけ書いてあるので、ケーキを選ぶ時はショーケースの前に立って、直接見てみて決めるのがいいですね。
数年前から軽食のメニューも充実してきており、サンドウィッチやスープ、サラダなどもオーダーできます。ドリンクもコーヒー以外にスムージーやレモネードなどがあります。
夏はアイスクリームがおいしいです。単品での注文も、パフェの注文もできます。
ジェルボーのホームページでは、店内で注文できる食べ物が色々掲載されています。こちらは、アボカドトーストなどサンドウィッチ類のページです。
https://gerbeaud.hu/en/our-selection/sandwiches/
ブダペストのカフェ・ジェルボー テラス席の様子
夏はテラス席が人気です。日差しが強い時間帯には日よけがあります。
秋~冬の寒い時期にもテラス席はありますが、店内のテーブルのほうが人気です。
ブダペストのカフェ・ジェルボーで買えるお土産
ジェルボーの歴史で紹介したチョコレート「猫の舌」や、コニャックチェリーボンボンの他にも、ジェルボーでは持ち帰りできるチョコレートやマカロンなどのお土産が充実しています。
箱があまり丈夫なタイプではなく、ラップでくるまれていたりもしないため、日本に持ち帰る時には少し気をつかいますが、素敵なお土産候補の1つになると思います。
お土産類はカフェのホームページに掲載されているので、購入希望の方は事前にチェックしてみてください。
ジェルボーのホームページ(テイクアウト商品):https://gerbeaudwebshop.hu/en/collections/edes-ajandekok-1
店内で買い物をした場合、小分け袋が欲しいとお願いしたら、きれいな薄いブルーの紙袋をもらえると思います。
強度があまりない薄い袋なので、長時間持ち歩くには向いていませんが、お土産を渡すための袋として使えます。
上の写真を撮ってから1年後の2024年、 販売されているクッキーの種類が変わっていました
4種類のクッキーの入った細長いパッケージ商品は2,990フォリント(約1,300円)です。
今回初めて見かけたのが、ジェルボーのロゴの入ったクラシックな車のおもちゃに、クッキーがたくさん入っているかわいい商品。
日本に持って帰るのにはちょっと気を使いそうなつくりですが、男の子やクラシックなものが好きな方に喜ばれそうです。
ブダペストのカフェ・ジェルボー ケーキの種類について
ジェルボーは高級カフェなだけあり、店内でケーキをいただくとハンガリーの物価と照らし合わせるとなかなかのお値段がします(1個3,500フォリント程度/2023年3月現在)。しかし、テイクアウトやデリバリーの場合は約半額になります。
店内で優雅にケーキをいただくのもいいですが、いくつか試食してみたい場合は、テイクアウトにして宿泊先でおいしく食べるのも1つの手です。
ジェルボーからデリバリーもしているので(foodpanda、もしくはWolt)、今回の記事を書くにあたりオーダーしてみました。
モダンケーキシリーズ4選(個人的に好きなケーキのシリーズ)
手前から、ジェルボーコーヒーケーキ、ヘーゼルナッツとアプリコットのケーキ、右後ろがジェルボー160ケーキ(キャラメルチョコレートムース)、左後ろがロイヤルチョコレートケーキです。
どのケーキも上品なお味で最高!!舌触りがとてもなめらかで、クリームがおいしいです。見た目もとてもきれい。サイズは比較的小さめですので、少食な方でもペロリと食べられると思います。
個人的には、ジェルボーコーヒーケーキがとても気に入りました。
クラシックケーキシリーズ4選
こちらはハンガリーのクラシックなケーキのラインナップ。手前からジェルボーケーキ、エステルハージケーキ(グルテンフリー/クルミとバニラクリームのケーキ)、ドボシュトルタ(チョコレートバタークリームとスポンジのケーキ)、ショムローイ・ガルシュカ(スポンジケーキにチョコレートソースとクリームをのせたデザート)です。
さて、クラシックケーキのお味はと言えば…!個人的にはモダンなケーキのほうが好きです。クラシックケーキは「昔のお菓子」「昔のケーキ」感が強いので、ご年配のハンガリー人からの支持は、こちらのケーキのほうが高いかもしれません。
そんな中でも、ドボシュトルタは昔から結構好きです。ハンガリーのお菓子職人で料理家でもあったドボシュ・ヨージェフ氏が、1884年に完成させたケーキで、上に板状のキャラメルがのっています。
今回食べたジェルボーのショムローイ・ガルシュカは、スポンジはしっとり、クリームは濃厚でさすがジェルボーといったお味でした。
ハンガリーのケーキ屋でよく見かける「ジェルボーケーキ(ハンガリー風のスペルでZserbó)」は、ジェルボー氏の名前にちなんでいますが、ジェルボー氏の考案ではありません。共産主義時代にジェルボーの名前で販売され始めましたが、もともとはクリスマスに食べられていたケーキだったという説もあります。
このジェルボーケーキは、スポンジ生地・砕いたクルミ・アプリコットジャムを層にして、チョコレートでコーティングされています。結構素朴な味です。
「せっかくジェルボーに来たからジェルボーケーキを食べるべきなのか」と迷われている方に私からアドバイスしたいのは、そこまでジェルボーケーキにこだわらずに、食べてみたいおいしそうなケーキを注文してください!!!ということです。
ジェルボー店内でいただけるケーキとアイスクリームの種類はこちらです。今回ご紹介できなかったケーキもあるので、興味のある方はご覧ください。ケーキはテイクアウトの場合は約半額になります。
ジェルボーのホームページ(ケーキとアイスクリーム):
https://gerbeaud.hu/en/our-selection/sliced-cakes/
ブダペストのカフェ・ジェルボーの情報
住所 | Budapest, Vörösmarty tér 7-8, 1051 |
アクセス | 地下鉄1号線のVörösmarty tér駅を出て、すぐ左側。Deák Ferenc tér駅から徒歩4~5分 |
営業時間 | 09:00~20:00(金~土曜日は09:00~21:00) |
定休日 | なし |
ホームページ | https://gerbeaud.hu/en/ |
ブダペストの老舗カフェ・ジェルボーのまとめ
ブダペストのカフェ・ジェルボーは、165年もの歴史を持つ老舗カフェです。スイス人であるジェルボー氏によって名声を広めたカフェには、昔から著名人が集まり、現代では観光客や地元の人でにぎわっています。
モダンな要素も取り入れているカフェでケーキや軽食をいただくのもよし、お土産の品を記念に購入するもよしです。カフェから遠くない場所に宿泊している場合は、デリバリーサービスも利用できます。
ブダペストにお越しの際は、ぜひジェルボーの味や雰囲気を楽しんでください。素敵な思い出になること間違いなしです。
ブダペストにはほかにも素敵なカフェがあります。こちらの記事にまとめてあるので、カフェに興味のある方はぜひご覧ください!
カフェ・ジェルボーから徒歩5分の場所に、フォアグラが人気のレストラン「コムシェソワ」があります。予約必須のレストランの様子はこちらでどうぞ。