ブダペスト観光のハイライトの1つに「ドナウ川クルーズ」があります。
「ドナウの真珠」と呼ばれるブダペストの川沿いの世界遺産の風景を、クルーズ船から眺めて過ごすのは贅沢な時間。
明るい時間帯の景色はもちろん、暗くなってライトアップされた夜景も素晴らしく、ブダペストでは外せない人気のアトラクションと言えるでしょう。
最近ではクルーズ会社の数がかなり多く、クルーズ船の選択肢が幅広いです!
ブダペストのドナウ川には、少し年季の入ったベテランの船から、モダンでラグジュアリーなクルーズ船まで、様々なタイプの船が行き交っています。
クルーズ会社によって料金体系やサービス内容も様々。どの船に乗ったらいいか迷ってしまいますよね。
今回の記事を書くにあたり、LEGENDA CITY CRUISES社の運航するデイクルーズに乗船してきました!
「そもそもドナウ川クルーズってどんな感じ?」と気になっている方は、まずは画像をざーっと眺めてみてください。クルーズの雰囲気が伝わると思います。
その他、いくつかのクルーズ会社の特徴も文章で簡単にまとめたので、比較するのに便利です!
「ブダペストで絶対ドナウ川クルーズに乗船する!」と楽しみにしている方から、クルーズ会社選びに迷っている方、とりあえずクルーズの様子を覗いてみたいみなさん、ぜひ最後まで読んで情報収集にお役立てください🎉
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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ブダペストのドナウ川クルーズの一般情報
クルーズ会社はたくさんあるのですが、一般的なドナウ川クルーズの情報は以下の通りです。
- 通常の観光クルーズの所要時間は60〜70分程度
- デイクルーズの料金は3,000〜7,000フォリント程度
- ドリンクがクルーズ料金に含まれている場合や、別料金でオーダーできる場合もあり
- オーディオガイドの付いているクルーズ船もあり
- ナイトクルーズの料金は5,000〜12,000フォリント程度で、一般的にデイクルーズより割高
- メインの運航ルートはクルーズ会社によって若干異なる(マルギット島を一周する or マルギット島の手前でターン、自由橋を超えてすぐにターン or さらに南のペトゥーフィ橋まで行ってターン、等)
- ディナー付きクルーズ(料金30,000フォリント〜)もあり。所要時間は150〜180分程度。事前予約推奨
- マリオットホテルの前のドックから出航するクルーズ船が多い。その他一部のクルーズは、くさり橋付近からも出航(BKVは国会議事堂前より)
どの船からも見える景色の美しさは同じですが、クルーズ船の設備や雰囲気・料金体系は様々です。
こだわってクルーズ船を探したい!という方は、事前に各クルーズ会社HPでよく調べてみるのがいいです。
ドナウ川に実際に出向いて船を決めることもできますが、運航本数が少ないクルーズ会社もあるので注意が必要。時刻表には事前に目を通しておくのがいいでしょう。
- LEGENDA CITY CRUISES…今回の記事で紹介するクルーズ会社
運航便数が多く、船着場がモダンで案内もわかりやすい
デイクルーズは5,550フォリント、ナイトクルーズは7,770フォリント
日本語オーディオガイドあり
ドック7から出航 - MAHART…ドナウ川クルーズの老舗会社
最近は他社の台頭により、運航便数が昔より少ない
デイクルーズは3,000フォリント、ナイトクルーズは5,000〜6,000フォリント
北から南まで長めのルートを進む
観光シーズンはセンテンドレやヴィシェグラード行きの便もあり
ドック5から出航 - HOP-ON HOP-OFF…エリザベート橋とマルギット橋の間を進むシンプルなルートをすすむ
デイクルーズ、ナイトクルーズともに5,000フォリント(HPではなく、現地で入手した情報)
1時間毎に運航。インターネットの情報・案内は少ない
ドック6から出航 - DUNA CRUISES…エレガントなクルーズ船を保有
販売価格は高いが、口コミ評判も良い
デイクルーズは17.5ユーロ、ナイトクルーズは29.9ユーロ
ドック10から出航 - SILVERLINE…エリザベート橋の近くから出航
デイクルーズは10ユーロ、ナイトクルーズは14ユーロ
別途、ディナークルーズ(91ユーロ〜)もあり
ドック11から出航 - BKV…ブダペスト交通局が運営するクルーズで、シンプルな船&最安値
デイクルーズは1,800フォリント、ナイトクルーズは3,900フォリント。チケットは船上でクレジットカードにて購入
デイクルーズは途中下船も可能
国会議事堂の前から出航なので注意
※いずれも2024年6月現在の情報
チケットはオンラインもしくは船着場のチケット売り場で購入できますが、BKVのように船上でカード払いというケースも存在します。
通常のクルーズは自由席です。
いい席を確保したい場合は、チケットの有無に関係なく、早めに船着場に到着しておきましょう!
観光客向けの「ツーリストカード(ブダペストカードなど)」を購入した場合、ドナウ川クルーズに1回無料で乗船できます。利用できるクルーズ会社の詳細は以下の記事の「2-3」の項目で紹介しているので、ご参照ください!
LEGENDA CITY CRUISES社 / ドナウ川デイクルーズのデメリット・メリット
これまで、MAHARTやBKVのクルーズには何度も乗船したことがあったのですが、LEGENDA CITY CRUISESの利用は初めてでした。
実際に乗船して感じたデメリット・メリットは以下の通りです。
LEGENDA CITY CRUISES社 デイクルーズのデメリット
- LEGENDA CITY CRUISES社の料金は中間の価格帯(デイクルーズ5,550フォリント / 2024年6月現在)
もっと安価なクルーズも他にあり - マルギット島1周は結構時間がかかる
- マルギット島で下船できるが、島の北側に船着場があって、その周辺はやや地味
もっとリーズナブルに船に乗りたい場合は、BKV(ドリンクやオーディオガイドはなし、国会議事堂前発)や、2つ隣のドック5から出航するMAHARTを選択するのもありです。
他のクルーズ船でもマルギット島に立ち寄るケースはあるのですが、島を1周するのは珍しいです。これは完全に好みによりますが、「島1周は結構退屈」と感じる方がいるかもしれないです…?
あと、マルギット島で利用する船着場周辺は比較的地味な場所です。そのあたりだけ散策するとつまらないかもしれませんが、すぐ近くのバス停からバスを利用すれば、小さな動物園やレストランなどのある場所に簡単にアクセスできます。
LEGENDA CITY CRUISES社 デイクルーズのメリット
- 観光シーズンは午前10時15分から45分毎に運航していて利用しやすい(他社は早くても60分毎)
- 船着場のあるドック7がよく目立つ。時刻表もあり分かりやすい
- 船着場がモダンできれい(待合室があるのは珍しい!)
- クルーズ船が清潔に保たれている
- 日本語のオーディオガイド付き(他社で日本語オーディオは少ない)
- ツアーの前半にドリンクサービス(アルコール含む)あり、ツアーの後半にはレモネードが配られる
セルフサービスではなくて、座席まで持ってきてくれる - 希望者はマルギット島で下船可能。その後再乗船してドック7まで戻って来られる
- 若くて丁寧な対応のスタッフが多い
- 公式ホームページが分かりやすい
運航本数が多いのは、滞在時間が限られている旅行者にとって大きなメリットです。船着場に大きな看板や掲示板があって、ずらーっとクルーズ船が並ぶドナウ川沿いで見つけやすいのもGOOD。
船は豪華船ではないですが、乗船前の清掃も入って快適、日本語オーディオガイドもありがたいサービスです。
チケット売り場や船でドリンクをサービスしてくれるスタッフは、(ブダペストの接客標準以上の)笑顔で丁寧な対応をしてくれます。
総じて、LEGENDA CITY CRUISESのクルーズ船はお値段相応かそれ以上、快適に楽しく利用できました!
LEGENDA CITY CRUISES社のドナウ川デイクルーズに乗船!
2024年6月某日土曜日午前、LEGENDA CITY CRUISESのデイクルーズ(”DUNA BELLA”と呼ばれています)に乗船してきました。
私たち家族はブダペスト在住で、ドナウ川沿いの景色もいつもよく見ていますが、やはりクルーズ乗船となると気分が高まります!
チケットを購入
まずは、ドック7の桟橋を渡った先にあるチケット売り場へ。窓口の数は2つありました。
出航時刻より少し早めに到着したこともあり、私たちが訪れたタイミングは比較的空いていましたが、観光シーズンや週末は混雑が予想されます。時間に余裕を持ってお出かけすることをおすすめします。
ツーリストカードで無料乗船できる場合も、窓口でチケットに引き換える必要があるそうです。
大人のデイクルーズ料金は5,550フォリント、クルーズの所要時間は1時間10分。
10歳以下は無料でなかなか太っ腹です!
チケット売り場の先には、屋根付きの待合室があります。
待合室を完備しているクルーズ会社はほとんどありません。これなら、夏の炎天下や冬の寒空の下で待たずにすむのでポイントが高いです。
乗船
出航の約10分前から乗船手続きが始まりました。
最初、下の階の先頭の座席に座ったのですが、6月は熱がこもって暑かったので移動することに。眺めは抜群なので、暑くない時期なら先頭エリアはいいと思います!!
ちなみに、下の階でも後ろの座席は風通しがいいので涼しく快適です。
階段をのぼって上の階へ。2人座席が通路を挟んで並んでいて、窓は自由にスライドできる仕様になっています。
オーディオガイドは日本語にも設定できるのは嬉しいポイント。
予定時刻を5分ほどすぎてから、静かに出航しました。
出航→エリザベート橋→自由橋を超えてUターン
ドック7を出航すると、まずは白いエリザベート橋をくぐって南へ進みます。ゲッレールトの丘のふもとのルダシュ温泉や、その反対の岸の集合住宅の景色が美しいです。
緑色の自由橋をくぐると、温泉で有名なゲッレールトホテルが見えてきます。
ジョルナイ焼きの屋根が特徴的なのは、ブダペスト工科経済大学。立派な建物です。
この辺りでUターンをして、ドナウ川の北側へ向かいます。
船が出航してすぐに船のスタッフがドリンクオーダーをとってくれており、私はスパークリングワイン、夫はビール、子供たちはアップルジュースをオーダー。船がUターンするあたりで受け取りました。
ドリンクはセルフサービスではなく、席まで運んできてもらえます。
10歳以下の子供の乗船は無料ですが、ドリンクまで気前よくふるまってもらい感謝です。
再びエリザベート橋→くさり橋→マルギット橋
ゲッレールトの丘の横を通りすぎ、エリザベート橋を超えてさらに北へとすすみます。
ここからは、王宮の丘にくさり橋、国会議事堂など、ブダペストの見どころが続きます。
この日、11時45分発のクルーズだったのですが、そこまで混雑していなかった & 子供たちが騒がしかった(周りのお客さんすみません)ので、船のデッキに出ることにしました。
クルーズ船の2階後半部分は屋根がついておらず、日光浴好きさんに人気の席です。
デッキへ出ると、先ほど近くを通過したゲッレールトの丘やエリザベート橋の風景が広がっていました。
ブダペストで一番有名な橋、くさり橋をくぐります!
街の象徴とも言える「くさり橋&王宮の景色」は、船から見るとますます迫力満点です。
王宮の丘の北の部分、マーチャーシュ教会や漁夫の砦も見えてきました。
その反対側には、堂々とした国会議事堂が現れます!
エリザベート橋〜くさり橋〜マルギット橋の間は、見どころがたっぷりです。世界遺産に認定された美しい風景を楽しみましょう!!
マルギット橋→マルギット島で下船可能(希望者のみ)→ドック7へ戻る
見えてきたのは黄色いマルギット橋。この橋はエッフェル塔で有名なエッフェル社による設計です。
マルギット橋の手前でUターンするクルーズ船も多いですが、DUNA BELLAは橋をくぐり、左手にマルギット島を見ながら進んでいきます。
マルギット島は全長約2.5キロメートル。マルギット橋を超えてから島をぐるりと回って、島の北側にある船着場へ向かいます。
やっとマルギット島の小さな船着場が見えてきました。
マルギット橋をくぐってからここまで約20分。クルーズ船でぐるりと回るのは初めてでしたが、思ったより時間がかかるなという印象です。
私たちはマルギット島で下船して、約3時間を島で過ごしました。
記事後半の【補足情報】マルギット島で下船する場合のヒントにて詳細を案内しているので、気になる方はそちらもご覧ください。
私たち以外で下船する人は誰もいなかったのですが、島で一度下船して再乗船する人は、ある程度の人数がいました。
前半のサービスと同様、スタッフが席まで運んできてくれます。
マルギット島を出発すると、レモネードのサービスが始まりました。
ちなみに、オーディオガイドの下に、一瞬ゴミ箱に見えるトレーのようなものが設置してあり、そこにドリンクを置いておけます。
マルギット橋をくぐり、国家議事堂・王宮の丘のある風景に戻ってきました。
私見ですが、ドナウ川クルーズの前半はどの船でもお客さんのテンションが高めなものの、後半は慣れてきてややまったりした雰囲気になります。
くさり橋をもう一度くぐって…。
出航した桟橋へと戻っていきます。
1時間10分のツアーの間に、ブダペストの有名なスポットの多くを、一気に見て回ることができました。
【補足情報】マルギット島で下船する場合のヒント
LEGENDA CITY CRUISES社のデイクルーズでは、マルギット島で下船も可能です。
マルギット島で過ごした後は、後から到着するクルーズに再乗船して市内まで戻れます。
観光シーズンは45分毎にクルーズ船が運航しており、最終便に間に合えば(45分後でも90分後でもそれ以降でも)どの便を選択してもOKです。
最終便が混雑していて乗船できないと困るので、少し早めの便を選ぶと安心です。
マルギット島での下船をおすすめできる人
ブダペストに2〜3泊以上宿泊予定で、時間に余裕のある方は、ちょっと下船してみても面白いかもしれません!
次のような方にマルギット島の下船をおすすめできます。
- 自然の多い公園や、散策のできる遊歩道などが好き
- 子供と一緒(子供を自由に走りまわらせたり、のびのびさせてあげたい)
- 時間に余裕がある(ブダペスト滞在が2日以上〜)
マルギット島は全長2.5キロメートルあって、じっくり見て回るとなると結構時間がかかります。マルギット島である程度の時間を過ごす場合は、事前に情報を頭に入れておくとスムーズです!
島の詳しい情報はこちらにまとめてあります。気になった方はチェックしてみてください!
船でもらえる割引クーポンを活用!?
デイクルーズの船着場は島の北側に位置しているのですが、島の中では比較的地味なエリアです。
船会社からもらえるクーポンで、船着場周辺施設の割引があるので、利用してみるのも1つの手です。
クーポン&マップは乗船前にチケット売り場に置いてあるものをもらいました。
マルギット島に下船する際に配っているので、利用したい人は必ず受け取りましょう(2024年6月現在の情報)
島の北側にはEnsana Thermalというホテルがあり、館内のレストラン・バー・温泉スパ施設が10パーセント割引で利用できます。温泉スパへ行きたい場合は、水着やビーチサンダルをあらかじめご用意ください。
船着場からすぐの場所で大人数向けの屋根付き自転車のレンタルができるので、1時間ほど借りて、ぐるりと島を見て回るのも楽しい思い出になるでしょう。
この画像の自転車は、マルギット島の別の場所(南の入り口付近)で借りたのですが、ほぼ同じ形のものが船着場付近でもレンタルされています。クーポンを使うと25パーセント割引になります!
2024年6月現在のレンタル料金は、レンタサイクルのホームページの情報によると以下の通りです(割引前の料金)。
- 大人3人+子供2人乗り…30分で5,900フォリント、60分で7,900フォリント
- 大人6人+子供2人乗り…30分で6,900フォリント、60分で9,900フォリント
下船してマルギット島で過ごしてみた!(所要3時間)
まずは船着場の近くにある日本庭園(!)の近くを少し散歩しました。
その後、木々に囲まれた遊歩道を15分ほどのんびり歩いて、水鳥やコウノトリなどのいる無料のミニ動物園へ入場。
ミニ動物園の外では特大のわたあめを買いました(1,200フォリント=520円くらい)。
さらに南へ10分ほど歩くとバーやレストランが並んでいます。Hippie Islandというカラフルなバー兼レストランで、ハンバーガーとドリンクをいただきました。
ちなみに、このすぐお隣に人気のホステルがあって、若者やバックパッカーの宿泊におすすめです!
レストランからさらに4〜5分歩くと、音楽に合わせて動く噴水があります。
観光シーズンの日中毎時0分に噴水と音楽のショーが開始するのですが、私たちが見に行ったタイミングにも、たくさんの人が集まっていました。もちろん無料です。
LEGENDA CITY CRUISES社の船着場から噴水まで、マルギット島を家族で徒歩で縦断、途中でランチもとって大体2時間30分が経過。
島にはBKK(ブダペスト交通局)の26番系統バスが走っており、噴水側のバス停から船着場まで4駅、所要時間はたったの4〜5分です。帰りは歩かずにバスで戻りました。
BKKのバスを乗りこなすとマルギット島の行き来はしやすいですし、屋根付きレンタサイクルをクーポン割引で利用するのも悪くないです。
マルギット島で何ができるか下調べをした上で、面白そうだと思ったらクルーズから降りて、マルギット島を楽しんでください!
ブダペストでドナウ川デイクルーズ まとめ
ブダペストで人気の観光アトラクションの1つが「ドナウ川クルーズ」。
夜景の時間帯のクルーズが人気ですが、デイクルーズでもブダペストの美しさを満喫できます。
今回は実際に家族でクルーズ船に乗船したので、その時の様子をシェアしました。
クルーズ会社によって船の運航ルートやサービスの内容が若干異なります。船会社の公式ホームページなどを参考に、どの船に乗ってみたいか事前に検討しておくのもいいでしょう。
どの船に乗っても、「ドナウの真珠」と称されるブダペストの美しい景色は変わりません!
今回乗船したLEGENDA CITY CRUISES社のクルーズ船は、船もサービスも想像していたよりよかったです。時間があって自然が好きな方は、マルギット島での途中下船にトライしてみてもいいかもしれません。
以上、参考になる情報があれば幸いです。
みなさんもドナウ川クルーズを楽しんでください!!