ブダペストのドナウ川沿いにそびえ立つ、存在感あふれるハンガリーの国会議事堂。
1904年に完成したネオゴシック様式を主とした建物は、世界で3番目に大きな国会議事堂で、ハンガリー国内最大の建築物です。
ブダペスト観光をしていると、遠くからでもその壮麗な姿を目にすることができます!!
ハンガリーの国会議事堂は、ただ政治の場というだけではなく、歴史と芸術が融合したハンガリーの象徴とも言える場所です。
ガイドツアーに参加して内部に足を踏み入れると、丁寧に彫られた装飾の美しさ、ステンドグラスから差し込む柔らかな光、そして歴史の証人であるハンガリー王冠が持つ重厚な存在感などを体感できるのがポイント。
見学ツアーの料金は日本円で約5,000円で、決して安くはありませんが、その価値に見合うだけの充実した内容が期待できます。
国会議事堂に入場するには、見学ツアーへの申し込みが必要です。
チケットの数に限りがあるので、中に入りたい方は、日程が決まったら早めに申し込みしましょう!
今回の記事では、ハンガリーの国会議事堂の見学ツアーの申し込み方法、ツアーに参加する際の注意点や、実際のツアーの様子などをお伝えしていきます。
国会議事堂を外から見るだけでなく、ぜひ入場してみたい!と思った方は、ぜひ最後まで読んで情報をお役立てくださいね🎉
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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国会議事堂の見学ツアーに申し込む前に知っておきたいこと
国会議事堂の内部見学をしてみたいと思ったみなさんに、あらかじめ知っておいてもらいたい情報をまとめました。
オンラインチケットは「とにかく早め」に購入すべし
国会議事堂の見学ツアーは人気があり、日程の直前にチケットを入手することはかなり難しいです。
2024年12月上旬の現在、チケット購入サイトの12月分チケットは全て売り切れています。「本当かしら??」とつい疑ってしまいますが、たしかに11月にチケットを探していた時は、12月後半分はまだ購入可能でした。
夏休みや年末年始など、混雑する時期は特に早めの手配をしましょう。
イベント等の理由でツアーが行われない時間帯もあるので、そんな時は空いている時間の予約が争奪戦になります。
オンラインチケットを入手できなかった場合、当日券を朝8時から販売しているので、そこにチャンスをかけることはできます。当日券購入については後ほど詳しく説明しているのでご確認ください。
ツアーはビジターセンター(Visitor Center)から開始。無料のトイレもあり
国会議事堂のツアーの出発ゲートや当日券の購入できる窓口などは、すべてビジターセンター内にあります。階段を降りて回転ドアがあるところが入り口です。
国会議事堂の最寄のKossuth Lajos tér駅から徒歩で5分くらいです!
ハンガリーでは珍しい無料トイレが階段を降りたところ(回転ドアを入る前)にあるので、利用させてもらいましょう。
ビジターセンター内にはお土産物屋さんやカフェもあります。
ハンガリーの祝日の3日間は、見学ツアーは行われない
ハンガリーの祝日の3日間(3月15日、8月20日、10月23日)は、見学ツアーが実施されません。
代わりに、無料で中央の階段とハンガリー王冠が飾られているホールのみ見学できるのですが、いつも長蛇の列ができるほどの大混雑です。
祝日3日間ではツアーで巡る他の部屋の見学もできないので、ハンガリーの祝日前後にブダペストへ訪れる場合は、普通の平日か週末に有料のツアーに参加するほうがおすすめです!
ツアー見学の所要時間は約1時間
見学ツアーは約45分ですが、入場時のセキュリティーチェックなどを含めると、全体にかかる所要時間は約1時間です。
ツアー最後の自由に見学できる展示室や、その後にあるお土産屋さんもじっくり見てみたい方は、もう少し余裕を持ってスケジュールを組んでください。
国会議事堂のチケット購入方法 3選
ブダペスト観光として人気の国会議事堂内部見学ツアーは、事前にチケットの手配が必要です。以下に3つの方法をご紹介します。
国会議事堂の公式ウェブサイトで推奨している「jegymester」より購入
国会議事堂の公式ウェブサイトで推奨しているのが、チケット販売会社jegymesterからのチケット購入です。
jegymesterのサイトよりParliament visit(国会議事堂訪問)をクリックして日付を選択すると、ツアーの詳細が表示されます。
国旗マークが並ぶ「audioguide」のツアーがおすすめ!!日本語のしっかりした案内を、イヤホンを通じて聞くことができます。
2025年1月以降は、オーディオガイドのツアーが主流になる様子です。日本語でしっかり案内を聞けるチャンスが増えるのでいいと思います!!
ヨーロッパ圏の在住者には割引がありますが、それ以外の国からの訪問であれば大人料金が13,000フォリント、6-24歳は6,500フォリントです。(2025年1月からの料金)
若干のオンライン手数料が別途かかります。
ヨーロッパの国の永住権を持っている場合は、半額で購入可能。永住許可証の提示を求められるかもしれないので、必ず携帯していてください。
チケットの予約が可能であれば「残り何枚」と表示が出ているので、購入ボタンを押して、内容を確認したらカードで決済しましょう。
当日券を購入する(数に限りがあるので、営業開始直後に行くのが確実)
希望する日のオンラインチケットが売り切れている場合でも、当日券が若干枚数ビジターセンターで販売されています。数は少ないので、当日のできるだけ早い時間に手配が必要です。
チケット売り場の2名のスタッフに声をかけたら「絶対に買いたかったら、窓口の開く8時に来てください」と強調していました。
当日券の販売枚数は日によって異なるそうです。無理を言ってなんとか聞き出したところ「(日によって違うけれど)大体50枚程度のことが多い」とのことでした。
当日券に賭けてみたい方は、とにかく朝早めにビジターセンターを訪れてください。なお、翌日以降のチケットは現地で販売されておらず、売っているのは当日券のみです。
日本語ガイド同行のツアー(旅行会社企画)に申し込む
旅行会社が企画しているツアーに申し込みをすれば、専用ガイドが入場からツアー終了時まで同行して、日本語で説明をしてくれます。
個人でチケットの準備をする必要もなく、ストレスフリー。現地の事情をよく知るガイドと一緒に回りたい場合や、オンラインチケットが売り切れてしまっている場合など、検討してみてはいかがですか。
2024年12月現在、楽天トラベルでは国会議事堂見学ツアーを含むいくつかのツアーがあります。
国会議事堂ツアーに参加する流れ
国会議事堂ツアーに参加するには、紙のチケットを準備したり、時間厳守で集合をして厳重なセキュリティーチェックを受けたりと、予め心得ておいた方がいい点がいくつかあります。
以下の内容をよく確認してください。
チケットをプリントアウトしていなければ、ビジターセンターの窓口で引き換えてもらう
2024年12月現在、オンラインチケットはスマホに入った状態では残念ながら有効ではなく、紙のチケットとして持参する必要があります。
プリントアウトしていない場合は、ビジターセンターの窓口へ先に立ち寄って、紙のチケットに引き換えてください。
ビジターセンター内に3つの窓口がありますが、私が訪問した時は、一番右側の窓口で紙のチケットを発行しているとのことでした。
窓口が混雑していると、ツアー出発に間に合わない可能性もあり得ます。時間より少し早めに出向いてください!
紙のチケットを持って、入場ゲートに並ぶ
「プリントアウトしたチケット」もしくは「ビジターセンター窓口で引き換えてもらった紙のチケット」を手にした状態で、入場ゲートに並んでください。
ツアーは15〜30分おきに頻繁に出発するため、ゲート付近は混雑しています。モニターにまもなく出発するツアーの詳細が表示されるので確認しましょう。
申し込んだツアー以外には参加できないので、時間厳守で集合して、入場中の人々は同じツアーの人かしっかり確認しましょう!!
私が訪れた時は、開始時刻ぴったりにゲート通過の手続きが始まりました。チケットのQRコードを入り口でかざして入場です。
セキュリティーチェックを受ける
QRコードをかざして入場をしたら、セキュリティーチェックがあります。
空港のセキュリティーとほとんど同じで、コートは脱いで、ポケットの小銭などはトレーに乗せてX線検査を行います。
大きな荷物などはクロークに預ける
大きめのリュックや傘などの荷物はクロークに預ける必要があります。冬場はコートを預けている人も多かったです。
引換券をなくさないようにしましょう。
オーディオガイドを受け取る
クロークの前にずらりと並んでいるオーディオガイドを受け取ったら、壁に設置してあるボードのところへいって、日本語のマークに近づけます。成功したらオーディオガイドに日本語の案内が表示されます。
イヤホンは耳にすぽっと被せるタイプです。私はこういうタイプのイヤホンを使うのは初めてでした。
オーディオガイドは首から下げられるようになっていて便利です。
受け取ったらイヤホンはすぐにつけて準備しましょう。
ツアー開始前にも、注意事項などの案内が流れます。万が一聞こえにくかったりしたら、すぐ交換してもらってください。
ツアーに参加(所要約45分)
ツアーに参加する全員のセキュリティーチェックとオーディオガイドの受け取りが終わり次第、いよいよツアー開始です。私が参加したツアーでは、全員揃うのに10分ちょっとかかりました。
ツアーを引率するコンダクターの案内に従って国会議事堂を巡ります。
ここからツアーの終了まで大体40〜45分くらいです。
ツアーの様子は次の項目でご紹介します。
オーディオガイドを返却➡️展示室➡️荷物を預けていた人は受け取り➡️出口
ツアーが終了したら、オーディオガイドを返却、自由に見物できる展示室を通り、荷物を預けていた場合はクロークで受け取りをしてください。
出口を出る際にチケットが必要です。
その後、お土産屋さんもあるので、時間があったら覗いてみてもいいですね。
国会議事堂見学ツアーの様子
国会議事堂ツアーでは、見学ルートを案内してくれるコンダクターが同行して、以下の場所で立ち止まり、主にオーディオガイドの説明を受けます。
- 階段を登ったところにあるホール
- 国会議事堂の中央階段の正面
- 国会議事堂のクーポラの真下にあるホール
- 国会議員のラウンジ
- 会議場
現在のハンガリーは一院制ですが、国会議事堂が建設された当時は二院制だったため、左右対称の造りになっています。見学ツアーでは、コシュート・ラヨシュ広場から見て建物の右半分(ビジターセンターのある方)を訪れます。
日本語のオーディオガイドでかなり詳しい説明を聞けますので、ここでは画像を中心にご紹介します!!
まず最初に、国会議事堂の最上階まで上がります。階段は全部で132段。
エレベーターも利用できますが、赤絨毯・ステンドグラス、そして金箔が施された豪華な階段を体験したい方は、がんばって登ってみてください。
階段を登り切ったところから見る天井も、金箔でびっしりと飾られています。国会議事堂で使われている金は合計40キロにも及ぶんだとか。
この後、国会議事堂の中央階段に向けて赤絨毯の敷かれた廊下を進みます。
窓が面しているのはコシュート・ラヨシュ広場(ドナウ川と反対の国会議事堂前の広場)です。
ここが国会議事堂の中央階段で、正面下に見えるのが中央の入り口です。入り口から96段の階段がクーポラの真下のホールまで導きます。
国会議事堂はハンガリー国産の建材で造られましたが、唯一の例外がこの階段の脇にある重さ4トンの8本の花崗岩の柱で、スウェーデンから運ばれました。
天井画はハンガリーの有名な画家ロッツ・カーロイによって描かれています。
次に続くのがクーポラの真下にあるホール。ハンガリーの戴冠式に使われてきた「王冠」「宝珠」「王笏」が展示されている、国会議事堂内でも最大の見どころの1つです。
国家警備隊により24時間警備されているホールの周りは、ハンガリーの統治者たちの像が飾られていて、厳粛な雰囲気が漂っていました。
次に続くのは議員たちが集う豪華なラウンジ。ヨーロッパ最大の手織りの絨毯が敷かれています。
ホールを飾る彫刻は、ハンガリーが誇る陶磁器メーカージョルナイの作品です。ジョルナイ製品は、ブダペストの王宮の丘にあるマーチャーシュ教会の屋根タイルや、リスト音楽院のホールの装飾など、様々な場所で目にできます。
ジョルナイ発祥のハンガリー南部の街ペーチには、ジョルナイを満喫できる「ジョルナイ文化地区」があります。ペーチへお出かけの際は、足を伸ばしてみてはいかがでしょう!?
最後に見学するのが会議場。この部屋も金箔で施され、オーク材を使用した格天井や重厚な議長席などが印象的です。
会議場の周辺の廊下にはソファーがいくつかあり、その窓際には昔利用されていた議員の葉巻置き場が見受けられます。
これにて国会議事堂の主な観光は終了。最後はドナウ川沿いにある廊下を通って出口へ向かいます。
帰りの階段は行きの豪華さとは打って変わり、質素な裏口といった感じでギャップが面白かったです。下りエレベーターの使用もできます。
オーディオガイドを返却した後は、国会議事堂にまつわる展示コーナーがあり、自由に見学できます。
出口の手前にクローク(入り口にあったクロークの反対側)があるので、荷物を預けた人は忘れずにピックアップしましょう。
出口では入場時に使ったQRコードをかざして、ゲートを出てください。
お土産物屋さんもあります。このエリアは国会議事堂のツアーに申し込んでいなくても自由に出入りできるので、もしもチケットが取れなかった人も立ち寄ってみてはどうでしょうか。
お土産物屋さんを出た先にはカフェもあるので、見学ツアーで疲れた方は、コーヒーやサンドウィッチで休憩もできますよ。
国会議事堂ビジターセンター(案内所)へのアクセス
見学ツアーの営業時間など
住所 | Budapest, Kossuth Lajos tér 1, 1055 |
ビジターセンターへのアクセス | – 地下鉄2号線Kossuth Lajos tér駅より徒歩5〜6分 – トラム停留所Parliament, Visitor Centre(Országház látogatóközpont)より徒歩ですぐ |
公式ウェブサイト | https://www.parlament.hu/en/web/visitors/home |
営業時間 | https://www.parlament.hu/en/web/visitors/opening-hours |
定休日 | 公式ウェブサイトのNewsを要確認 比較的頻繁に営業時間短縮などあり クリスマスの連休はお休み |
チケット料金 | https://www.parlament.hu/en/web/visitors/ticket-prices |
オンラインチケット予約 (jegymester) | https://jegymester.hu/event-host/900/parlament |
【まとめ】ブダペストの国会議事堂見学ツアー
ブダペストのドナウ川沿いで目を奪われる、華やかな国会議事堂はハンガリーを象徴する建物の1つです。
外観の素晴らしさはもちろんのこと、見学ツアーで内部に入場をすると、ハンガリーの歴史と芸術をも堪能することができます。
金箔や美しい装飾で飾られたホールや廊下、堂々たる中央階段や会議室、そして何百年もの間ハンガリーの戴冠式で使われた王冠・宝珠・王笏のセットなど、見どころ満載の見学ツアー。
チケットは早くに売り切れてしまうことが多いので、訪問したい場合はできる限り早めに手配をしましょう。オンラインチケットが便利でおすすめですが、当日券も若干枚数販売されています。
楽天トラベルが提供する現地ツアーに申し込んで、日本語ガイドさんに同行してもらい、国会議事堂やその他の観光地を巡るのも贅沢で思い出に残る旅になることでしょう。
以上、参考になる情報があれば幸いです。国会議事堂に入場して、内部の豪華絢爛さをぜひ体感してみてください!