ハンガリーの首都、ブダペストの観光で絶対に外せないのが「王宮の丘(ブダ城)」。
丘全体がユネスコの世界文化遺産に指定された、歴史を感じられる美しい場所です。
昔から「王宮の丘」と呼んでいたので、こちらのブログでもこの呼び方で統一させてください!
ブダペスト在住の私も王宮の丘は好きで、数か月に一度は「家族と散歩でもするか〜」と出かけては楽しんでいます。
「王宮の丘」と一言でいっても敷地はとても広く、その中でも行き先によって印象が全然異なります。
王宮の丘の長さは約1.5キロメートル、幅は約400メートルです。
1枚の写真に全体像は収められません!
今回、王宮の丘の情報をまとめるにあたり、少しでも分かりやすくなればと思い、勝手に3つの地区に分けてみることにしました。
- 【王宮の丘エリア①】
観光のハイライトのマーチャーシュ教会・漁夫の砦のあるエリア
ドナウ川の景色を眺めたり、散策も楽しい場所 - 【王宮の丘エリア②】
国家プロジェクトで19世紀末〜20世紀初頭の美しい建物を再建しているエリア
大統領官邸の隣に、ドナウ川の風景が美しいフォトスポットがある - 【王宮の丘エリア③】
象徴的な建物の王宮には美術館や博物館が入っている
すでに再建された建物や10年前に修復された庭園も訪問可能
上記の3つのエリアの観光の情報に加えて、【王宮の丘への行き方】の案内もまとめています。
王宮の丘は情報が盛り沢山ですが、3つのエリアに分けることで、みなさんがイメージしやすくなるといいな〜と思いながら記事を書きました。
これから王宮の丘へ行く方にとって、有益な情報がいっぱいあると思います。ぜひブックマークをして、王宮の丘の観光のお供としてお役立てください🎉
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
旅のプロとして、みなさんに役立つハンガリー情報や、旅行情報をお届け中!
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王宮の丘の概要、観光所要時間の目安について
Google mapなどの平面の地図だと分かりにくいのですが、「丘」と呼ばれている通り、王宮の丘の一番高い部分は、地上から約70メートルの高さがあります。
マップ上で木が生えているところは坂道になっているとイメージしてください。王宮の丘へはバスで上ってしまうのが手っ取り早いですが、歩いてアクセスすることも可能です。
バスだと始発駅からの所要時間は5〜15分、徒歩だと地上から上るのに10〜15分くらいあれば十分です。
王宮の丘の観光にかかる所要時間時間のイメージをまとめました。
ウィーン門からブダペスト歴史博物館まで、丘の端から端までただ歩くだけでも15〜20分ほどかかります。
エリア①内だけ16番バスが運行しています。
- 【王宮の丘エリア①】
マーチャーシュ教会と漁夫の砦だけの観光であれば、40分〜1時間程度
余裕があれば、さらに時間をとって散策がおすすめのエリア - 【王宮の丘エリア②】
入場観光できる場所は今のところなし
ケーブルカー乗り場の前から、ドナウ川向きの写真撮影がおすすめ - 【王宮の丘エリア③】
王宮エリアの敷地内をただ散策するだけでも、20〜30分はみておきたい
美術館・博物館に立ち寄る場合は、それぞれ広さがあるので1〜2時間は最低でも必要
庭園へ歩いて下りていく場合は、さらに10〜15分程度
各エリアごとに観光におすすめの場所をご紹介していきます。
各観光地の詳しい情報をもっと知りたい場合は、関連リンク(公式ウェブサイトなど)を貼ってあるので、そちらから飛んで調べてみてください。
王宮の丘にあるレストランで、「ハンガリーの伝統的な食材や料理=”フンガリクム”」をモダンにいただいた時のレポートはこちら!
【王宮の丘エリア①】マーチャーシュ教会、漁夫の砦、古い街並み
パッケージツアーや現地オプショナルツアーでも、絶対に訪れるのが王宮の丘のこちらの地区。
華やかで独特なマーチャーシュ教会と、景色のいい漁夫の砦が人気の観光スポットです。
観光の時間が限られている場合でも、王宮の丘のこちらのエリアへはぜひお越しください!
個人的には、この地区の古い建物を眺めながら、目的もなくぶらぶら歩くのも好きです。
お時間のある方は実際に歩いてみて、スケジュールに余裕がない方は、ここで掲載する画像で様子をお楽しみください。
マーチャーシュ教会
ゴシック様式のマーチャーシュ教会は、尖塔やステンドグラス、ジョルナイのタイルの屋根がとても印象的な教会。
15世紀に活躍したハンガリー史上最も偉大な君主の一人であるマーチャーシュ王が、教会の増築や改修に関わり、自身の結婚式も2度この教会で挙げたことから、彼の名で呼ばれています。
オーストリア皇后エリザベートが、マーチャーシュ教会でハンガリー王妃として、夫のフランツ・ヨーゼフと共に戴冠式を行ったことでも有名です。
内部もとても美しいので、入場は有料ですが見学をおすすめします。
上の階の細い通路に展示物も飾ってあり、小さな博物館のようになっています。教会の祭壇を正面にみて、左前方に入り口がありますので、そちらもお見逃しなく!
マーチャーシュ教会内の小さなお土産物屋さんで、改装前のマーチャーシュ教会の屋根のタイルを購入しました。お土産物屋さんの様子や、ジョルナイ焼きについてまとめた記事はこちらです。
マーチャーシュ教会の情報 | |
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住所 | Budapest, Szentháromság tér 2, 1014 |
公式ウェブサイト | https://matyas-templom.hu/en/ |
追加情報 | 教会の隣の小さな建物がチケット売り場です。 |
漁夫の砦
マーチャーシュ教会のすぐ隣にある漁夫の砦。ここから見るブダペストは絶景です。
上のテラスへ上るには入場料がかかりますが、ブダペストの景色を背景に記念写真をいかがですか。
ちなみに、営業時間外の早朝や夜であれば、無料で自由に出入りできます!
マーチャーシュ教会の屋根のタイルも、漁夫の砦からはよく見えます。
王宮の丘に徒歩で登る場合、漁夫の砦に到達する階段も利用できます。
ユニークでゴージャスな漁夫の砦は、人気のフォトスポットとなっていて、朝早くからポーズを決めて撮影する人で溢れていました。
階段付近は無料で行き来できます。みなさんもオシャレな1枚をぜひ!!
漁夫の砦の情報 | |
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住所 | Budapest, Halászbástya, 1014 |
情報サイト | https://budacastlebudapest.com/fishermans-bastion-in-buda-castle/ |
追加情報 | テラスへ上るのは有料(1,200フォリント)ですが、営業時間の前後は無料で入場できます。(ゲートが空いているので、階段を上って大丈夫です) ⬇️以下が2024年に発表されている営業時間です。(この時間以外が無料です) 6月1日〜9月30日 09:00〜21:00 10月1日〜5月31日 09:00〜19:00 |
お子さんと一緒でしたら、漁夫の砦の隣にある中世風の公園で少し遊んでいきませんか。うちの子供たちも大好きな公園を、こちらの記事で紹介しています。
歴史あるカフェ・ルスヴルム(Ruszwurm Cukrászda)
1827年創業、200年近い歴史のあるブダペストで最も古いカフェ(パティスリー)がルスヴルムです。
エリザベート皇后や著名な作家・文化人も通っていたルスヴルムでは、美味しいケーキと一緒に歴史も味わえるのが何といってもポイント。
マーチャーシュ教会から歩いてすぐの場所にあります。
昔の雰囲気が漂う特別感あふれる場所ですが、店内が非常に狭く、空いている席を見つけにくいのが難点です。
寒くない時期は、歩道にも少しだけテラス席が出ています。
「クレーメシュ」と呼ばれるクリームケーキが有名で私も好物の1つ。シンプルなケーキですが、濃厚でおいしいです。
空いていそうな時間帯を狙って、入店にチャレンジしてみてください!!
ルスヴルムの情報 | |
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住所 | Budapest, Szentháromság u. 7, 1014 |
公式ウェブサイト | https://ruszwurm.hu/en/home/ |
追加情報 | おそらく、お店の人が順番にテーブルに案内してくれるシステムではないので、後から来た人に席を取られないよう、積極的に空いた席を見つけて座ってください。 私は開店時を狙っていくことが多いです。 |
マーチャーシュ教会〜ウィーン門付近の散策
マーチャーシュ教会付近から、王宮とは反対側のウィーン門へ向かう地区は、個人的にお気に入りエリアです。
昔の馬車が入れる立派な大きさの扉を構えた建物がずらりと並びます。
この辺りは観光客が意外と少ないです。
比較的こじんまりとした小さな建物が多く、ブダペスト市内の他の地区とは違う雰囲気を感じられます。
文化遺産に指定された建物が多く、建設された年や、その建物に住んでいた著名人の情報などが壁に埋め込まれています。
ハンガリー語の案内文ですが、ギリシャ数字で何世紀(VII=17世紀、VIII=18世紀、など)の建物かの情報や、西暦(1790など)がそのまま書いてあることもあるので、足を止めて読んでみてください。
表札とドアベルのついた一般の住宅も多いですが、地上階がカフェやお土産物屋さんになっている場所もあるので、中に入って歴史を感じてみるのも楽しいですよ。
散策の情報 | |
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追加情報 | 小さな博物館やギャラリーもあるので、レビューなどを参考に、気になる場所があったらお出かけしてみてください。 個人的な意見ですが、地下迷宮(ラビリンス)はやや微妙な観光地で、そこまでおすすめではないです。 |
【王宮の丘エリア②】大統領官邸周辺、フォトスポット、昔の建物を復元中のエリア
王宮の丘の②と③のエリアでは、「ハウスマン・プログラム」という大規模な再建・修復の国家プロジェクトが進行しています。
第2次世界大戦で大きな被害を受けた王宮とその周辺は、共産主義時代にオリジナルとは違う形で復元されたり、残念ながら取り壊される建物も多くありました。
私がハンガリーへ来た頃は、廃墟にのら猫たちが住み着いて、悠々と暮らしていた風景を覚えています。
国家プロジェクト「ハウスマン・プログラム」では、ハンガリーの建築家ハウスマン・アラヨシュ(Hauszmann Alajos)が、19世紀末から20世紀初頭に設計・拡張したブダ城の姿を忠実に再現しようとしています!!
完成予想図はこちら!
工事はまだ続きそうですが、完成後の様子を想像しながら歩いてみてください。
主にハンガリー語ですが、ハウスマン・プログラムの完成予定イメージや、概要がこちらから閲覧できます。
National Hauszmann Program:https://nemzetihauszmannprogram.hu/
この王宮エリア②では、2003年から大統領官邸として機能している建物の外観や、その隣の広場からのドナウ川の風景をお楽しみいただけます。
大統領官邸、政府機関
2003年から大統領官邸として使用されているこちらの建物は、王宮の丘のトンネルのちょうど上に位置しています。
第2次世界大戦で被害を受けた後、廃墟のようになっていましたが、2000年代にやっと大規模に修復されました。
1806年の完成時は貴族の館で、修復時に残っていた当時の記録や図面をできる限り再現して現在の姿になったそうです。
タイミングが合うと、衛兵交代を見られるかもしれません!
大統領官邸周辺を警備している警察官に聞いてみたところ、「毎日10時〜15時の間、毎時0分」に衛兵交代が行われるそうです。
大統領官邸の隣にあるクリーム色の建物は、以前は国立ダンス劇場として機能しており、何度か訪れたことがあります。政府機関となり入場できなくなってしまったのは残念です。
大統領官邸の情報 | |
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住所 | Budapest, Szent György tér 2, 1014 |
追加情報 | 衛兵交代の時間をウェブサイト上では見つけられませんでしたが、現地の警察官の話によると、毎日10時〜15時の間に1時間毎に行われているそうです。 |
フォトスポット、ケーブルカー乗り場
大統領官邸の側面にあたる、ケーブルカー乗り場のある広場からの景色も素敵です。
ブダペストのイメージ画像として、同じ風景をご覧になったことのある方も多いのではないでしょうか。ケーブルカーが行き来するのもここから見えます。
ケーブルカーは乗車時間が非常に短いのに(1分程度)値段がとても高いです。(2024年9月現在、大人5,000フォリント、3〜14歳まで2,000フォリント、往復料金で販売、シニア割引などはなし)
「ケーブルカーにぜひ乗ってみたい」と楽しみにしている場合でなければ、バスや徒歩で王宮の丘を訪問するほうがいいかもしれません。
通常、上から下に行くルートの方が、利用者が少なくて空いています。
ケーブルカー乗り場の情報 | |
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住所 | Budapest, Budavári sikló, 1011 |
公式ウェブサイト (一部のみ英語案内あり) | https://bkk.hu/utazasi-informaciok/kozossegi-kozlekedes/kulonleges-jaratok-nosztalgiakozlekedes/siklo/ |
追加情報 | 毎月、奇数週の月曜日がメンテナンス日で営業していません。(2024年9月現在) 奇数週の月曜日が祝日の場合は、祝日明けの平日がメンテナンス日になります。 |
再建中の2つの建物
このエリアで再建中なのは2つの建物です。
「ヨージェフ大公の宮殿」と呼ばれた建物は、第2次世界大戦で被害を受け、1968年に完全に取り壊されて廃墟と化していました。
再建後はオフィスビルになる予定ですが、いくつかの部屋はイベント会場として使用され、庭園は一般に公開されるようです。
バス停があるDísz tér(ディース広場)に面した建物は、もともと国防最高司令部として使われていました。
再建後は観光や文化にまつわるビジターセンターに生まれ変わります。
再建中の建物の情報 | |
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住所 | Budapest, Palota út 1, 1014(ヨージェフ大公の宮殿) Budapest, Szent György tér 2, 1014(元国防最高司令部) |
【王宮の丘エリア③】王宮とその周辺、庭園
遠くからもよく見える、グリーンのクーポラが印象的な王宮が立つのが③の地区です。
②の地区と同様、ハウスマン・プログラムの工事が行われている場所もありますが、ブダペスト歴史博物館内の「聖イシュトヴァーンホール」や王宮の裏に立つ「王室の厩舎」など、すでに完成したものもあります。
王宮は戦後にシンプルな形で修復され、王宮として開放されているのではなく、美術館・博物館・図書館として利用されています。
美術館などに入場しない場合でも、王宮の周辺をぶらぶら歩いたり、そこからの景色を眺めたり、修復された庭園の方に降りて行ってみたい方は、訪れる価値のある地区です。
王宮の前から下のケーブルカー乗り場につながる道があったのですが、現在工事中でまだ通れないのでご注意ください。
なお、王宮のエリアから庭園へ下りていくには、新しく作られた細い橋のような道にそって進んでください。途中、エレベーターや階段を使って下りていけます。
王宮
14世紀にハンガリー王カーロイ1世の命により建設された王宮は、オスマントルコの支配・オスマントルコからの城の奪還、第2次世界大戦などで毎回大きな被害を受け、何度も再建・改修されてきました。
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、ハウスマン・アラヨシュによる壮麗なネオルネッサンス様式の宮殿が完成しました。
しかし、第2次世界大戦で大きな被害を受け、共産主義時代にシンプルで機能的な形で再建されました。
元の華やかさは失われてしまい残念ですが、王宮の迫力は健在です!
王宮内部も元の形に再建はされず、現在は美術館・博物館・図書館として利用されているので、これらの施設ついて簡単に解説します。
ブダペストカードがあれば、王宮の「ハンガリー国立美術館」および「ブダペスト歴史博物館」が入場無料になります。
ハンガリーにまつわる祝日(3月15日、8月20日、10月23日)は多くの美術館・博物館の入場が無料です。大混雑しますが、ちょうどタイミングが重なった場合は、せっかくなので入場してみるのはいかがですか?
ハンガリー国立美術館
ハンガリー国立美術館では、中世から現代までの幅広い時代にわたるハンガリーの芸術作品を所蔵しています。
特に人気があるのが19世紀の作品。19世紀はハンガリーの独立運動やナショナリズムの高まりと重なり、愛国的なテーマや国の歴史に関連する作品が多く描かれました。
私はペーチ出身の画家チョントバーリ(Csontváry Kosztka Tivadar)の作品が好きです。ぜひ探してみてください。
国立美術館の内部から見るドナウ川の景色も美しいので、お見逃しなく!!
ハンガリー国立美術館のミュージアムショップには、チケットがなくても訪問できます。オシャレな空間なので、アート好きな方や、お土産を探している方は覗いてみてはいかがでしょう。
シニェイ・メルシェ・パール(Szinyei Merse Pál)の「バルーン」という作品があるのですが、美術館を出たらちょうど市民公園のアトラクションの気球が浮かんでいるのが見えました。この赤と白の縞模様の気球は、もちろん「バルーン」を元に作られています。
ブダペストの市民公園の情報はこちらにまとめました!気球は有料の展望台で、1か所にとどまって景色を眺めるスタイルです。
ハンガリー国立美術館の情報 | |
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住所 | Budapest, Szent György tér 2, 1014 |
公式ウェブサイト | https://en.mng.hu/ |
ブダペスト歴史博物館
「ライオンの中庭」と呼ばれる王宮の中庭に面して、ブダペスト歴史博物館の入り口があります。
博物館の名前の通り、ブダペストの創設から、ローマ時代、中世、オスマン帝国時代、ハプスブルク帝国時代、そして現代に至るまで、都市の発展に関する多くの資料やアート、工芸品や古地図なども展示されています。
2021年に修復が終わり開放された聖イシュトヴァーンホールは、歴史博物館内の大きな見どころの1つ。たった1つの小さなホールですが、なかなか見応えがあります。
聖イシュトヴァーンホールに入場するには、歴史博物館と聖イシュトヴァーンホールのコンビネーションチケットの購入が必要なので、ご留意ください。
ハンガリー初代国王の聖イシュトヴァーンの名を冠する豪華なホールで、聖イシュトヴァーン1世を描いた彫刻やモザイクが飾られ、ハンガリーの歴史と文化を象徴する部屋です。
この華麗な部屋は世紀末の応用美術の頂点の1つで、 1900年にパリで開催された万国博覧会でグランプリを受賞しています。
ブダペスト歴史博物館の情報 | |
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住所 | Budapest, Szent György tér 2, 1014 |
公式ウェブサイト | https://varmuzeum.hu/en/ |
国立セーチェーニ図書館
国立セーチェーニ図書館は観光地ではなく、地元の人が実際に通っている現役の図書館です。
私も随分昔にこの図書館に通って、ハンガリー語の勉強をしたりしてました。
施設は共産主義時代の雰囲気が残っていましたが、どっしりとした建物と広い部屋が印象的でした。
ハンガリーの図書館の利用は有料で、年会費を支払う必要があります。
中をのぞいてみたい図書館好きな方は、1日券が販売されているので、それを購入して内部へ入場が可能です。(2024年9月現在、1日券は1,200フォリント)
国立セーチェーニ図書館の情報 | |
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住所 | Budapest, Szent György tér 4-5-6, 1014 |
公式ウェブサイト | https://www.oszk.hu/en |
追加情報 | 基本的に日・月曜日の2日間が休館日です。 観光地ではないので、祝日も基本的に休館ですが、公式ウェブサイトにてご確認ください。 |
王室の厩舎、王室警備隊の館
ハウスマン・プログラムにより2021年に復元されたのが王室の厩舎と王室警備隊の館です。
元々1899年に建設された王室の厩舎では、王族の馬術訓練や馬の飼育が行われていましたが、戦争で被害を受け共産主義時代に取り壊されていました。
建物内は約1,500m2の広さがあり、 現在では結婚式やパーティーなどのイベントで使用されています。
私はまだ中を見たことがないのですが、毎日13時〜16時の間は無料で見学できるようです。近日中に行ってみようと思います!
9月のとある平日の14時頃に行ってみたのですが、イベント開催中で中へは入れませんでした。
警備員の人が2人いて、1人によると普段の午後は中が見学できるといい、もう1人は普段はほぼクローズしていて中は見られないとのこと。また近々出かけて、真相を確認してみます。
やはり共産主義時代に取り壊しされてしまった美しいシュトゥクル階段(Stöckl-lépcső)なども含め、王室の厩舎の周辺は美しく復元されました。
王宮の厩舎の隣に無料のトイレがありました!!ハンガリーで無料のトイレはかなり珍しいのでびっくり。
いつか有料になるかもしれませんが、必要であればこちらでご利用ください。3つ入口がありますが、2つが女子トイレで1つが男子トイレでした。
王室警備隊の館は王宮の裏側にあって、こちらも復元された建物です。
中にはレストラン(Royal Guard Cafe)とお土産物屋さんが入っています。レストランは評判がいいので、こちらはいつか入店したらレポートしたいと思います。
王室の厩舎、王室警備隊の館の情報 | |
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住所 | Budapest, Csikós udvar, 1014 Budapest, Szent György u., 1014 |
公式ウェブサイト | https://foorseg.hu/en/royal-riding-hall/ |
ヴァールケルト・バザール(庭園)
王宮のふもと、丘の側面に広がるネオルネッサンス式の庭園は、ハンガリーの偉大な建築家の1人イブル・ミクローシュにより計画され、1883年に完成しました。
戦後大きな被害を受け、1961〜1984年までは若者がコンサートやダンスを楽しむ会場となっていましたが、その後長年放置される運命に。
ずっと「味のある廃墟」という趣でしたが、2013年から改修工事が始まり、2014年に完成しました。
最初はピカピカで美しすぎて全く見慣れませんでしたが、完成から10年ほどたって、だいぶ風景に馴染んできた気がします。
庭園の端に上りエスカレーターがあるので、庭園から上って王宮の丘の観光をスタートさせるのもありです。
エレベーター数台を使って上っていくこともできます。
エレベーターの壁の奥にある階段は、屋根がついていないので景色がいいです。
エレベーターも数カ所に隠れていて、もちろん無料で利用できます。
なお、「バザール」と呼ばれているのは、庭園の両脇にあるいくつかの店舗の並びを指すようです。
レストランや文房具屋さんなどが営業しています。
ヴァールケルト・バザールの情報 | |
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住所 | Budapest, Ybl Miklós tér 2-6, 1013 |
公式ウェブサイト | https://varkertbazar.hu/en (主にイベント情報) |
追加情報 | エレベーターも数カ所に設置されています。 |
【王宮の丘への行き方】バス・徒歩・ケーブルカー・キャッスルバス・タクシー
王宮への行き方はいくつかありますが、一番簡単でおすすめなのはバスの利用。
時間のある場合で歩くのが好きな方は、徒歩での上り下りも可能です。
ケーブルカーは見た目も素敵で人気のアトラクションですが、値段が高いのがネック。同じく、キャッスルバスも高いので、おすすめしにくいです。
それぞれについて説明していきます。
バス(16番系統)
気軽に王宮の丘にアクセスするのに便利なのがバスの利用。運行本数も多いです。
王宮の丘の小さな道も走れる小さな16番バスは、ペスト側の「デアーク・フェレンツ広場(Deák Ferenc tér)」とブダ側の「セール・カールマン広場(Széll Kálmán tér)」の間を走っています。
王宮の丘のトンネルの前にあるクラーク・アーダム広場(Clark Ádám tér)、王宮の丘の中心あたりにあるディース広場(Dísz tér)、マーチャーシュ教会(停留所名はSzentháromság tér)などが停車する場所です。
16番バスでデアーク・フェレンツ広場から発着する場合、くさり橋を走行するのでワクワクできます!
なお、16A番のバスは、セール・カールマン広場から王宮の丘の中心のディース広場の間だけ行き来していて、デアーク・フェレンツ広場まで行きません。
デアーク・フェレンツ広場からディース広場に向かう場合は、216番のバス(通常の大きなバス)も利用可能です。ディース広場の後は王宮を下っておりてしまうので、きちんとディース広場で下車しましょう。
バスを利用して王宮の丘へ行く場合の所要時間目安
- デアーク・フェレンツ広場 マーチャーシュ教会 (16番):約10分
- マーチャーシュ教会 デアーク・フェレンツ広場(16番):約16分(王宮の裏側を回るので、少し時間がかかります。トンネルもくぐります)
- デアーク・フェレンツ広場 ディース広場(216番):約9分、マーチャーシュ教会まで徒歩5分
- ディース広場 デアーク・フェレンツ広場(216番):約17分(王宮の裏側を回るので、少し時間がかかります。トンネルもくぐります)
- セール・カールマン広場 マーチャーシュ教会(16番、16A番):約4分
- マーチャーシュ教会 (16番、16A番) 約3分
16番バスの情報 | |
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住所 | ブダペスト 1051(デアーク・フェレンツ広場の停留所) ブダペスト 1122(セール・カールマン広場の停留所) |
公式ウェブサイト | https://bkk.hu/menetrendek/ (時刻表一覧) Google mapの時刻表もほぼ正確なので活用できます |
追加情報 | 16番バスは、週末に限りバスの先頭の扉から乗車するスタイルです。 ただし、観光シーズンは大混雑で、先頭から乗車のルールを知らない方もたくさんいるので、カオスな状況(後ろの扉から乗る人も続出)になることが予想されます |
ブダペストの公共交通機関の利用について、こちらで詳しくまとめています!
徒歩
ルートにもよりますが、王宮の丘は歩いて上ってもそこまで苦ではない高さ(地上から約70メートル)です。10分程度でのぼれます。
王宮の丘の正面からのぼる
王宮のトンネルを正面から見て右側に、階段や坂道があって、地道に上っていけます。
漁夫の砦へ向かう道もあれば、トンネルの上やケーブルカーの線路の上を歩くルートもあります。
トンネルの上はこのような小さな広場になっています。
ケーブルカーの線路の上を通ってのぼっていきます。景色もいいですよ。
ケーブルカー乗り場のあたりか、王宮の端の噴水のあたりへたどり着きます。
ヴァールケルト・バザール(庭園)を経由してのぼる
王宮方面(ドナウ川から見て左側)は再建プログラムのため一部工事中で、以前は歩けた道がほとんどクローズしているので注意が必要。
ただし、ヴァールケルト・バザール(庭園)を経由すれば、徒歩もしくはエスカレーターやエレベーターを利用して上り下りができます。
王宮の丘の裏側からのぼる
王宮の裏側、ドナウ川とは反対側にも徒歩で上り下りできるルートがあります。
階段を利用する場合、結構急なので特に上りはがんばってください。
王宮の裏側の図書館のふもとあたり、Palota út(パロタ通り)からは、王宮の厩舎の前にある広場へエレベーターで直接行けます。
かなり昔は王宮のエレベーターは有料でしたが、今はすべて無料なので、見かけたら遠慮なく利用しましょう!
王宮の厩舎のレベル(少し低い)と一番上の王宮のレベルをつなぐエレベーターも数カ所にあります。
徒歩で王宮を上り下りする場合の情報 | |
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追加情報 | 王宮の裏側(ドナウ川ではない方)に徒歩で下りて行った場合は、その後バスやトラムを使って主要駅まで移動できます |
ケーブルカー
レトロ感満載で見た目もかわいく、思わず乗ってみたくなる王宮のケーブルカー。
料金が高い割に乗車時間は短く(約1分程度)、観光シーズンは混雑しているのが難点です。
2024年9月現在、大人5,000フォリント、3〜14歳まで2,000フォリント、往復料金で販売されていて、シニア割引などはありません。
「値段はするけれど、ぜひ乗りたい!」と、心に決めている方に乗車をおすすめします。
なんとなく乗車した方は、後で後悔しているようです。
ケーブルカー乗り場の情報 | |
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住所 | Budapest, Sikló u., 1013 (クラーク・アーダム広場にある下の駅) |
公式ウェブサイト (一部のみ英語案内あり) | https://bkk.hu/utazasi-informaciok/kozossegi-kozlekedes/kulonleges-jaratok-nosztalgiakozlekedes/siklo/ |
追加情報 | 毎月、奇数週の月曜日がメンテナンス日で営業していません(2024年9月現在)。奇数週の月曜日が祝日の場合は、祝日明けの平日がメンテナンス日になります。 |
キャッスルバス(ブダペストカードなど、観光カードを購入した場合)
王宮の丘を回るキャッスルバスは、立ち寄る場所が少ない割に値段がします。(2024年9月現在、大人6,000フォリント)
強くおすすめするわけではないのですが、「ブダペストカード」などのツーリストカードを持っている場合は、キャッスルバスの利用がカードの費用に含まれているので、一部のルートを利用するのもいいかと思います。
※2024年9月現在の情報になります。ツーリストカードをお持ちの場合は、最新の情報をご確認ください。
ケーブルカー乗り場から道を渡った反対側、くさり橋のたもと辺りから出発しています。
ケーブルカーが混雑していて、キャッスルバスの乗車を決める人もいるようです。割と頻繁に(10分に1本)運行しています。
キャッスルバスの情報 | |
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住所 | Budapest, 1013 ハンガリー(くさり橋付近から出発する場合。その他4ヶ所で乗降が可能) |
公式ウェブサイト | https://budapestcastlebus.com/en |
追加情報 | ケーブルカーの料金と比べると長距離を利用できるので、お得に感じる人もいるようです |
タクシー
タクシーを利用する場合、①のエリアへは車両で進入できますが、②と③のエリアへは入れません。(2024年9月現在)
②と③のエリアへ行くには、ディース広場でタクシーを降りて、歩いて行くことになるのでご了承ください。
王宮の丘観光情報 まとめ
ブダペスト観光に絶対外せない王宮の丘。ユネスコの世界文化遺産に指定されています。
しかし、 一言で王宮の丘といっても敷地は広さがあり、訪れる場所によって印象も異なります。
今回はブダペスト在住の私が、王宮の丘を3つのエリアに分けて見どころをご紹介しました。
観光の時間が限られている方は、エリア①のマーチャーシュ教会と漁夫の砦にお出かけがおすすめです。
時間が取れる方は、王宮の丘を縦断して、それぞれのエリアの雰囲気の違いをお楽しみください。
王宮の丘へアクセスするのに一番簡単なのはバスの利用です。歩けるルートもあるので、散策好きな方はぜひチャレンジを!
ケーブルカーは雰囲気抜群ですが、バスの10倍以上の値段なので、それを心得た上でご乗車いただくのがいいです。
以上、参考になる情報があれば幸いです。
世界遺産の王宮の丘で、みなさんにとって素敵な思い出ができますように!