ブダペストから約60km、バラトン湖へ向かう途中、歴史ある街セーケシュフェヘールヴァール(Székesfehérvár)の住宅街の一角に「ボリ城(Bory-vár)」があります。
1879年生まれの建築家のボリ イェヌー(Bory Jenő)が、43歳から亡くなるまでの40年間、自らの手でこの城と呼ばる邸宅を家族のために築き上げました。
私はブダペスト在住18年。ハンガリー国内を色々旅行してきましたが、ボリ城に訪問した後は、なんだか特別な、ほんわかした幸せな気分になりました。
みなさんにもぜひ情報をシェアしたいと思い、この記事を書いています!
ボリ氏や奥さんが制作した彫刻や絵画が至るところに飾られていて、「城」と呼ばれていますが、とても親しみやすい場所でした。
- ブダペストから日帰りで出かけたい
- ロマンチックな目的地を探している
- アート作品が好き
- 個人の手で築かれた「お城」を見てみたい
ブダペストからセーケシュフェヘールヴァールまでは電車で45〜60分、その後、ボリ城まではバスで20分ほどです。
ボリ城が気になった方、ブダペストから日帰りで観光できる場所を探している方は、ぜひこちらの記事を読み進めてくださいね!
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かれこれ20年くらい前に私も持っていたので、懐かしい!!と思わず表紙に見入ってしまいました。
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りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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ボリ城を建築したボリ イェヌー氏とボリ城
もともと彫刻家を目指していたボリ イェヌー氏でしたが、彫刻家になる前に「きちんとした職業」につくよう父親に説得されます。まずは建築学科を卒業し、その後、彫刻と絵画も学びました。
絵画を勉強する女性と学校で知り合い結婚。のちに5人家族になり、家族と住むための土地を1912年に購入します。そして、1919年にボリ氏はボリ城の建設を自らの手で開始します。
第2次世界大戦で大きな損害を受けましたが、その頃年金受給者であったボリ氏自身で元の姿に再建しています。
ボリ城では、ボリ氏と奥さんの制作した彫刻や絵画、コレクションしたアート作品を随所で見学できます。
ボリ城はエレガントでありながら、優しく誰でも受け入れる雰囲気をまとっていて、セーケシュフェヘールヴァールで常に人気の観光地であるのも納得です。
ボリ城訪問レポート
ボリ城へはセーケシュフェヘールヴァール駅からバスで20分ほど。家族でブダペストから電車とバスを乗り継いで行きました。
住宅街の一角にボリ城が現れ、思わず「お〜〜」と見惚れてしまいました。
入り口で入場料を支払いします。スタッフのみなさんのほんわか優しい雰囲気にさっそく癒されます。
ボリ城の見取り図
入場料の支払いをして中庭に入ると、ボリ城の見取り図があるので先に見ておくのがよいでしょう。
ボリ城の敷地は縦に細長いです!
階段をのぼって正面の建物の前の広場(象の中庭)に到着、さらにその奥に別の中庭と回廊、小さな礼拝堂などがあります。
雰囲気抜群のアートギャラリーは、お城を正面に見て右側、階段をのぼったところです。
ボリ城の前庭とエレファント庭園
道路に面したボリ城の庭は、私たちが訪問した時は雪が積もっていました。花や緑が少ない季節ですが、その清々しさは十分に体験できます。
庭の随所にボリ氏の彫刻作品が飾られています。
階段をのぼりきったところは「象の中庭」と呼ばれていて、柱を支える象の彫刻が印象的です。
暖かい時期は、象の中庭のカフェも利用できるそうです。
すごくフレンドリーな猫もいて、猫自らが近寄ってきてくれました。猫好きには嬉しいですね。
ボリ城の回廊・中庭・チャペル
正面の建物の裏に大きな中庭があり、”100本柱の回廊”と呼ばれる素敵な回廊が中庭を囲んでいます。
回廊にも彫刻がずらりと並びます。
回廊の上には、ハンガリーの歴代の王たちの彫刻が並んでいます。
中庭の奥正面は小さな礼拝堂になっています。
礼拝堂にある美しい彫刻のモチーフはボリ氏の奥さん。
足元に天使になったボリ氏がうずくまっていますが、奥さんはサンダルを履いておらず、ボリ氏はサンダル(尻に敷かれる男性のこと)ではないことを示しているのだそうです!
ボリ城の随所でカラフルなマークを見かけることができます。
遊び心を感じられるかわいらしいマーク、ボリ城を歩きながら探してみてください!
ボリ城の塔
ボリ城で印象的なのが、高くそびえる塔です。中に入ったり、上までのぼることもでき、内部は彫刻や絵画で飾られています。
まずは、中庭の回廊とつながっている塔に入場。シンプルな螺旋階段があり、ボリ氏が城の建築に使ったとされる道具の展示が印象的でした。
塔と塔をつなぐ通路(中庭へ続く入り口のアーチの上)を通って、もう1つの塔へ入ります。
先ほどの塔よりも展示室が少し広く開放感があります。
多くの絵画はボリ氏もしくは奥さんの作品です。作品の説明書きで作者の確認ができます。
この塔の螺旋階段は装飾が独特です。
塔のてっぺんにのぼると、反対側の塔や住宅街の景色を眺められます。
ボリ城のアートギャラリー
アート好きには見逃せないボリ城のアートギャラリーは、アトリエとして使用されていた場所です。
ボリ氏と奥さん、そしてボリ氏がコレクションしたアート作品で溢れています。
多くの作品に圧倒されつつも、全体的に温かい雰囲気が漂っているのが不思議です。
ボリ夫妻の人柄があらわれているかのようでした。
ボリ城の住所・アクセス・入場料など
住所 | Székesfehérvár, Máriavölgy 54, 8000 |
アクセス | ブダペスト南駅からセーケシュフェヘールヴァールまで電車で45〜60分 ※1時間に4〜5本程度、さまざまな種類の電車が走っています セーケシュフェヘールヴァール駅からバス(31、32番など)で約20分、下車後徒歩3〜8分 ※バスの本数は少ないので、事前にGoogle mapなどで確認が必要です ※セーケシュフェヘールヴァールのバスチケットは運転手からも購入できます |
営業時間 | 混雑期 09:00〜17:00 閑散期 09:00〜16:00 冬季 09:00〜15:00(土日は09:00〜16:00) |
休館日 | クリスマス前後、大晦日と新年 |
入場料 | 大人 2,500フォリント ※14歳以下の子供2名を同伴している場合は、1,500フォリントで入場可能 子供・学生・年金受給者 1,500フォリント 6歳以下 無料 |
ホームページ | https://bory-var.hu/en |
ブダペスト〜セーケシュフェヘールヴァール間の電車のチケットはインターネットでも購入できます。購入手続きについてはこちらの記事で確認できます。
セーケシュフェヘールヴァールにあるボリ城 まとめ
ブダペストから電車で約1時間、セーケシュフェヘールヴァールにあるボリ城は、建築家・彫刻家・画家であるボリ イェヌー氏が40年間かけて自ら築き上げた邸宅です。
ロマンチックな城内の至るところに彫刻・絵画が飾られており、その多くがボリ氏や奥さんの作品です。
現在は博物館として公開されており、セーケシュフェヘールヴァールで人気の観光スポットになっています。
セーケシュフェヘールヴァールの駅からはバスで行くことができます。ブダペストから日帰り観光もできるので、建築やアートが好きな方は、ぜひ訪れてみてください。ボリ城の不思議な魅力に引きつけられることでしょう。
以上、参考になる情報があれば幸いです。
ブダペストから日帰りできる観光地をお探しの方は、こちらの記事をご参照ください!