Aranybástyaのモダンなハンガリー料理で「フンガリクム」を学ぼう!

ブダペストの王宮の丘にあるAranybastyaレストランのフォアグラのムース料理

観光客で賑わう王宮の丘に、お客さんからの評価が高く、ずっと気になっているレストランがありました。その名はAranybástya(アラニィバースチャ)レストラン

レストランのメニューを見ていたら「フンガリクム・メニュー(Hungarikum Menu )」に目が止まりました。ハンガリー政府が認める「ハンガリーの伝統的な料理や食品」を使って、ハンガリー料理をモダンなスタイルで提供している様子。

ハンガリーの料理や文化を知っていただくのに格好のメニューだと思い、2024年9月のランチタイムに味見してきました。

りり

有名な「グヤーシュスープ」はもちろん、ハンガリーの「食べられる国宝・マンガリッツァ豚」や「フォアグラ」なども、少量ですがいただくことができます!

Aranybastyaレストランのグヤーシュスープ

レストランのロケーションは素晴らしく、再建されたヴィラは洗練されていて美しいです。かといってスノッブな感じでもなく、観光ついでに立ち寄るお客さんも多くて賑やかな場所でした。

今回の記事は「Aranybástyaレストランの洗練されたハンガリー料理」と一緒に「フンガリクムとは」について説明をしながら進めていきます🎉

ハンガリーの文化や伝統を知ることのできる「フンガリクム」について簡単にまとめたので、ハンガリー旅行の予定のある方はぜひご一読ください。

また、王宮の丘で伝統的なハンガリー料理をモダンに味見してみたい方、優雅なヴィラで料理を楽しみたい方も必見です!レストランには屋外でドリンクだけいただけるコーナーもあります(後述しています)

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この記事を書いた人

りり / 旅行大好き

ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き

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目次
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フンガリクム(Hungarikum)とは?

フンガリクムのロゴマーク

フンガリクム(Hungarikum)とは、ハンガリーの文化、伝統、技術、製品などの中で、特に高い価値があると認められたものに与えられる称号です。

ハンガリー政府によって定められた基準に基づき、特定の審査を経て認定される「フンガリクム」は、2024年9月現在90以上あって、例えば以下のような項目に及びます。

  • 農業・食品産業…「トカイアスー」「アカシアのはちみつ」「コルバース(ソーセージの一種)」「サラミ」など
  • 健康と生活…「へーヴィーズ温泉湖と温泉湖の伝統的なセラピー」など
  • 自然環境…「アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群」など
  • 文化遺産…「ホッロークーの古い集落とその周辺」「ヘレンド磁器」「コダーイ・メソッド」など
  • 観光とおもてなし…「グンデル・レストラン」「グヤーシュスープ」など
  • 産業・技術…「ジョルナイ陶磁器」など
画像引用元:kekzsiraf7.webnode.hu
りり

今回いただくレストランのコースメニューでは、フンガリクムの「農業・食品生産」部門に認定されている食品の数々が使われています。

フンガリクムのカテゴリーやリスト(英語)は以下のリンクから確認できます
(ハンガリー語のリストと比べ、一部更新が遅れています):
https://www.hungarikum.hu/en/szakkategoria

Aranybástyaレストラン

ブダペスト1区にあるAranybastyaレストランの外観

Aranybástyaレストランは、王宮の丘のディース広場から歩いてすぐの、ローニャイ・ハトヴァニ・ヴィラ(Lónyai–Hatvany-villa)と呼ばれていた建物の中にあります。

第2次世界大戦で被害を受けたヴィラは、2020年にやっと復元され、2021年からレストランが営業しています。

りり

ヴィラが立つ前のオスマン帝国の占領時代に「黄金の砦(Aranybástya)」と呼ばれる砦がこの場所にあったのが、レストランの名前の由来です。

ブダペスト1区にあるAranybastyaレストランのテラス席

エレガントな外観なので、おしゃれな人たちが集まっているのかしら…と心配しましたが、観光のついでに立ち寄るお客さんも多いようで、わいわいと賑やかな感じでした。

寒くない時期はテラス席が大人気。ドナウ川と国会議事堂の風景が見える、奥のテーブルにお客さんが集中します。

ブダペスト1区にあるAranybastyaレストランのテラス席とお客さんたち

冬はテラス席はクローズするそうですが、店内の落ち着いた様子も素敵でした。

ブダペスト1区にあるAranybastyaレストランの内部の様子

レストランの情報や立地については、記事の後半で説明しています。

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Aranybástyaレストランの「フンガリクム・メニュー」

ブダペスト1区にあるAranybastyaレストランのテラス席

Aranybástyaレストランの「Hungarikum Menu」は、ハンガリーの伝統的な料理や食材である「フンガリクム」をテーマにしたコースメニューです。

りり

各料理の紹介の後に、どんな「フンガリクム」が使われているのか説明していきます!

伝統的なハンガリー料理は一般的に超ヘビーですが、Aranybástyaレストランでは、ハンガリーの食文化の豊かさを存分に堪能できる一方で、都会らしいモダンで軽やかな料理を楽しめます。

りり

内陸国ハンガリーらしく、お魚料理はなくお肉料理のレパートリーです。

料理に合わせて、フンガリクムに認定されたドリンクコースも用意されています。

2024年9月現在 Aranybástyaレストランのフンガリクムメニュー
  • フンガリクム・メニュー (5品)…17,500フォリント(約7,000円)
  • フンガリクム・ドリンクメニュー(アルコール3品&ソフトドリンク)…7,200フォリント(約3,000円)

レストランでメニューを見て知ったのですが、単品でバラしてオーダーすることも可能

私は胃袋が大きめなのですが、今回はデザート前にお腹いっぱいになってしまうほどの量でした。

りり

「フンガリクム・メニュー」が気になる方も、無理して全品オーダーせずに、気になるメニューをチョイスするのがおすすめです!

【カクテル】Four-in-Hand(単品でオーダー)

Aranybastyaレストランのカクテル”Four-in-Hand”

「フンガリクム・ドリンクメニュー」は「”Four-in-Hand”という名のカクテル」「エグリ・ビカヴェール」「ウニクム」の3種のアルコールが提供されます。

私は単品でカクテル”Four-in-Hand”のみオーダーしてみました。

Four-in-Handは「パーリンカ」「トゥルレイのスパークリングワイン」「アカシアのはちみつ」「カモミールエキス」を合わせた、レストランオリジナルのカクテルです。ハンガリーの国旗の色の紐がグラスに結ばれて出てきました。

甘味よりも苦味が勝る、香りがとてもいいカクテルでした。パーリンカは色々種類がありますが、「エーデルフラワーのパーリンカ」が使われていたそうです。

ちなみに、Four-in-Hand(Négyes Fogat)というのは、ハンガリー語で4頭立ての馬車のこと。フンガリクムを代表する4つを混ぜ合わせたカクテルという意味が込められています。

ハンガリーの4頭立ての馬車
画像引用元:pannonertektar.hu

フンガリクムを学ぼう!

パーリンカはハンガリーを代表する伝統的な蒸留酒。
アプリコット、プラム、洋ナシ、リンゴ、チェリーなどの果物から作られ、食前酒や食後酒として飲まれます。
パーリンカの歴史は14世紀にまで遡ることができ、農村部で親しまれてきたハンガリーの伝統的な飲み物です。

アルコール分が40〜50パーセントのとても強いお酒なので、好き嫌いは分かれると思います。小さなサイズでも売っているので、お酒好きの家族や友達のお土産にいいかもしれません!?

小さなサイズのパーリンカ
中央市場で販売されているパーリンカ。ばらまき用に向いていそうな小さな瓶(40cc)で、2,500フォリント程度(約1,000円)なので、すごく安い感じではなかったです

トゥルレイのスパークリングワイン(Törley pezsgő)は、1882年創業のハンガリーでよく知られたスパークリングワインブランドです。
ブダペスト市内に工場があります。

Törleyはスーパーで簡単に見つけることができ、お値段もお手頃です。
小さなサイズ(200ccで600〜800フォリント程度=240〜320円程度)も売っているので、ハンガリー滞在時にお部屋でいただいたり、お土産にもいいですよ。

スパークリングワインコーナーで売っているTörleyの小さなサイズ
スーパーなどで気軽に手に入るTörleyのスパークリングワイン

ハンガリーのアカシアのはちみつは、淡い黄金色をしていて、クセの少ない上品な甘さがあります。

ヨーロッパ最大級のアカシアの森を持つハンガリーでは、アカシアのはちみつがハンガリーの伝統と文化を代表する製品として、国内外で高く評価されています。

私もハンガリーのお土産として、アカシアのはちみつをよく購入しています。中央市場やお土産物屋さん、スーパーでも販売されています。

ハンガリーのアカシアのはちみつ
ブダペストの中央市場で購入したアカシアのはちみつ

ハンガリー大平原のカモミールは品質が高く、有効成分の含有量が世界で最も高いそうです。
大平原の土壌と気候条件がカモミールの栽培に適しており、16世紀の書物ですでに言及されています。
カモミールティーとして飲用する他、スキンケア、ハーブ療法などにも使用されています。

カモミールティーは、スーパーやドラッグストア、薬局で簡単に入手できます。

ハンガリーのカモミールの花
画像引用元:hungarikum.hu
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【一口サイズ前菜】マンガリッツァのリエット

Aranybastyaレストランのマンガリッツァのリエッテ。小さめサイズ

世界で唯一の「食べられる国宝」として有名なマンガリッツァ豚

りり

マンガリッツァ豚は輸出量の方が多く、ハンガリー国内ですぐ見つかるわけではない、貴重なお肉です。

リエット(肉を煮込んでペースト状にしたもの。粗くほぐれた感触が特徴)でマンガリッツァを食べるのは初めてでしたが、ほろほろとした食感が印象的。リエットにはハンガリーのマコー産の玉ねぎも入っています。

レビューで「食事の量がかなり少ない」と書かれているのを目にしましたが、多分このお皿のことかなと(笑)。単品だと3,000フォリント(約1,200円)するので、確かに小さく感じます。

でも、レストランの他の品はもっと量があるのでご心配なく!

マンガリッツァをもっとしっかり味わってみたいは、以下の記事で紹介しているレストランもチェックしてみてください!

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フンガリクムを学ぼう!

マンガリッツァ豚は、19世紀にハンガリーで生まれた品種。羊のようにふさふさとした巻き毛が特徴で、非常に風味豊かで脂身が多く、肉自体に豊かな風味があります。

1970年代に絶滅寸前に追い込まれましたが、幸いなことに保護活動が進み、2004年にはハンガリーの国宝に指定されました。

地方の馬術ショー会場などで、マンガリッツァ豚も飼育されていることがあります。ブダペスト滞在中にご覧になりたい場合は、ブダペストの動物園で見られますよ!

ブダペストの動物園にいるマンガリッツァ豚。子豚がちょうどたくさんいた様子
ブダペスト動物園にいたマンガリッツァ子豚たち。普段は親豚が住んでいますが、タイミングがいいと子豚にも会えます

マコーの玉ねぎの”マコー(Makó)”とは、ルーマニアとの国境に近い町の名前です。
地域の気候と肥沃な土壌により甘く香り高い品質が特徴で、伝統的な栽培方法と歴史的評価から「玉ねぎの首都」として知られ、ヨーロッパ全域で高く評価されています。
19世紀から輸出も盛んに行われてきました。

マコーには温泉もあって、玉ねぎの形をモチーフにしている温泉・スパ施設”Makói Hagymatikum Fürdő”が観光客に人気です。

ハンガリーのマコーにある温泉施設。玉ねぎをモチーフにしていて独特
マコーにある温泉・スパ施設のユニークな建物 / 画像引用元:szallas.hu



【前菜】フォアグラのムース

Aranybastyaレストランのフォアグラのムース

2皿目はおしゃれな雰囲気が漂う1品。

フォアグラのムースの他、メニューには「木苺、エグリ・ヴィカベールスーレグのバラチャバのコルバース」と書いてあります。

バラは飾ってあるのかと思いきや、シャーベットになって登場。コルバース(ソーセージの1種)は砕いておしゃれに散らしてありました。

Aranybastyaレストランのフォアグラのムースと、その他フンガリクムが盛り込まれている説明

フォアグラのムースは滑らかで、ムースの下に敷いてあるパンとエグリ・ビカヴェールのゼリーと一緒に楽しめます。

コルバースはたくさん食べるとヘビーですが、程よい量で、シャーベットや木苺と一緒にさっぱりいただけました。

フォアグラのステーキをがっつり食べてみたい!という方は、おすすめレストランはこちらです。

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フンガリクムを学ぼう!

世界三大珍味のフォアグラ。ハンガリーのフォアグラの歴史は数世紀にわたります。
ハンガリー産のフォアグラは品質が高く、風味が豊かで滑らかな舌触りが特徴です。
フランスで食されているフォアグラの多くが、実はハンガリーからの輸出品で賄われています。

中央市場やお土産屋さんで、缶詰に入ったフォアグラも販売されています。100グラムで10,000フォリント程度(約4,000円)の高級品です。

ヨーロッパから日本に肉製品は持ち込みできないので、現地にてご賞味ください。

ハンガリーで販売されているフォアグラの缶詰・フォアグラのパテ。ブダペストチュ王市場にて撮影
ブダペストの中央市場に並ぶフォアグラの缶詰やフォアグラのパテ

エグリ・ビカヴェール(エゲルの雄牛の血)は、ハンガリーで最も有名な赤ワインの1つ。
1552年にオスマン帝国軍に包囲されたエゲル城で、ハンガリー人が飲んでいた赤ワインが、トルコ人には雄牛の血だと信じられていたことに由来します。
濃厚でしっかりとした味わいながらも、フルーティーさとスパイスのバランスが取れたワインです。

エグリ・ビカヴェールを製造している会社はいくつかあり、スーパーでお手頃な値段でも販売されています。

ワインメーカーや当たり年などについて詳しく知りたい場合は、ワイン専門店でアドバイスを受けて購入するのがおすすめです。

エゲルの名を冠した様々なワイン
エゲルで生産されているワインの数々(エグリ・ビカヴェール以外も含む) / 画像引用元:hungarikum.hu

スーレグのバラ(Szőregi rózsa)は、ハンガリー南部のスーレグで栽培されているバラです。
地域の気候と土壌がバラの育成に適しており、19世紀以降バラ栽培が盛んになりました。
高品質なスーレグのバラは、美しい見た目と強い香りから、ハンガリー国内外で評価されています。

毎年6月下旬に行われるバラ祭りでは、パレードがハイライト。バラで装飾された車や馬車が街中を通り、色鮮やかなバラが一面に広がります。

スーレグのバラ畑の様子
画像引用元:National Geographic
スーレグのバラ祭りで馬車に乗ってバラの花びらをまく少女たち
画像引用元:Szőregi Rózsaünnep

チャバのコルバース(Csabai kolbász)は、ハンガリーのチャバ(Csaba)という地域で作られるソーセージの1種。
豚肉と一緒にニンニク、パプリカ、塩、香辛料が加えられ、特有の風味が生まれます。

20世紀に入ると養豚が一般化し、第一次世界大戦後に普及したチャバのコルバースは、1950年代からは工業的に生産されるようになりました。

ハンガリーのチャバのコルバースがぶら下がっている様子
画像引用元:hungarikum.hu
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【スープ】グヤーシュスープ

Aranybastyaレストランのグヤーシュスープ

素敵なグリーンのお皿に盛り付けされたのは、ハンガリー料理の代名詞とも言える「グヤーシュスープ」。

スプーンで具を持ち上げると、牛肉と根菜がこれでもかというほど入っています。

Aranybastyaレストランのグヤーシュスープ。具がたっぷり入っている様子

グヤーシュスープは家庭的なスープですが、ここAranybástyaレストランでは上品で洗練されたお味でした。

緑色の辛いパプリカを入れて味変も可能。一切れでも結構辛いので、辛いのが苦手な方はご注意ください。

りり

ハンガリーの多くのレストランで、グヤーシュスープをオーダーできます。
量が多い場合は、グヤーシュをメインディッシュにしている人もいます。ウェイターさんにどのくらいの量か聞いてみましょう!

フンガリクムを学ぼう!

グヤーシュスープの起源は、ハンガリー人がカルパチア盆地に到着した9世紀に遡ります。
「グヤーシュ」とは牛飼いのことを意味し、彼らが牛肉と野菜を様々なスパイスで味付けし、たき火で調理したボリューム満点の料理がグヤーシュスープと呼ばれるようになりました。

ハンガリー周辺諸国でもグヤーシュはありますが、元々はハンガリー発祥。「グヤーシュ(牛飼い)」さんという名字のハンガリー人もいらっしゃいます。

グヤーシュスープはハンガリーの多くのレストランでメニューに載っているので、ぜひ一度は食べてみてください。

グヤーシュと呼ばれる牛飼いと、ハンガリーの灰色牛たち
牛飼いの衣装を着た人と、長い角が特徴的なハンガリーの灰色牛 / 画像引用元:Videki Elet

【メインディッシュ】チキンパプリカ or 牛肉のプルクルト

Aranybastyaレストランのチキンパプリカ

「メイン料理のチキンパプリカと牛肉のプルクルトは、どちらがおすすめですか?」とウェイトレスさんに聞いたところ、彼女はチキンパプリカ推しということでそちらをオーダー。

りり

どちらの品にもセゲドのパプリカパウダーマコーの玉ねぎが使われています!

よくあるチキンパプリカは骨付きチキンが丸ごと出てくるイメージですが、Aranybastyaレストランでは骨は取り除いて、2つの塊にしてあって食べやすかったです。

付け合わせのガルシュカ(ダンプリング)もたっぷりで、全部食べきれませんでした。

ちなみに、牛肉のプルクルト(シチュー)も日本人の口にあうお味ですが、グヤーシュスープを食べた後だと、牛肉料理が続くのでご留意ください。

フンガリクムを学ぼう!

セゲドのパプリカパウダーは、ハンガリー料理を語るのにには絶対外せない製品。
18世紀末から19世紀にかけて、ハンガリー南部のセゲドやカロチャでパプリカ生産が盛んになり、現在でもパプリカの栽培と加工の中心地です。

ハンガリー出身のセント=ジュルジ・アルベルト氏は、現セゲド大学で地元の農作物パプリカからビタミンCを抽出する研究に成功し、その功績により1937年にノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

パプリカパウダーは、ハンガリーのスーパーでは必ず売っています。中央市場やお土産屋さんに行くと、可愛いパッケージの製品を見つけられますよ。

ブダペスト中央市場で売られているパプリカパウダー。
中央市場のお土産屋さんに並ぶパプリカパウダー
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【デザート】ドボシュトルタ

Aranybastyaレストランのドボシュトルタ
画像引用元:レストラン公式ページ

ドボシュトルタは、薄いスポンジ生地とチョコレートバタークリームを重ねたハンガリーの伝統的なケーキで、トップに施されたカリカリのカラメル層が特徴的です。

私はもうお腹がいっぱいでスキップしてしまいましたが、Aranybástyaレストランでは、小さくオシャレなサイズのドボシュトルタが提供されています。

ハンガリーの多くの老舗カフェやケーキ屋さんで販売されているので、機会があったらショーケースで探してみてくださいね。

ブダペストの老舗カフェをまとめた記事はこちらです!

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フンガリクムを学ぼう!

ドボシュトルタは、1885年に菓子職人ドボシュ・ヨーゼフによって考案されたケーキ。当時のヨーロッパ上流階級で瞬く間に評判となり、エリザベートも気に入っていたと言われています。

正式なドボシュトルタは「スポンジ生地5層の間にクリームが挟まっていて、てっぺんはゴールデンブラウン色のキャラメル層」と定められています。

ドボシュトルタを作ったドボシュ・ヨージェフ氏の苗字「ドボシュ」は「ドラマー(太鼓叩き)」という意味なので、ケーキの表面が硬いのはドラムをイメージしたという話もありますが、実際は関係ないようです。

ドボシュトルタの画像。ホールケーキの様子と、切り分けた時の様子
(左)ホール型のドボシュトルタ / 画像引用元:画像引用元:hungarikum.hu
(右)ブダペストの老舗カフェジェルボーでオーダーしたドボシュトルタ

Aranybastyaレストランへの行き方、営業時間など

ブダペスト1区にあるAranybastyaレストランの外観と周辺の遊歩道
住所Budapest, Buda Castle, Csónak u. 1, 1015
アクセス-Dísz tér停留所から徒歩2分
(Google mapで検索すると、丘の下から上るルートが出てきますが、Dísz térから徒歩で下っていくのが一番楽です)
-王宮の丘のトンネル付近から徒歩で上る場合は約7〜8分
営業時間12:00〜22:00
ホームページhttps://en.aranybastya.com/
オンライン・テーブル予約
https://en.aranybastya.com/foglalas
(1週間前から予約可能、2024年9月現在)
イベント等でレストランが貸切の場合は、予約欄で該当する時間帯が表示されません
詳細を確認したい場合は、メールなどでお問い合わせください
events@aranybastya.com
Aranybastyaレストランのテラス席へと続く階段・入り口

丘を上ってくる遊歩道から、レストランのテラス席につながる階段と入り口がありますが、おそらくメインの入り口は城壁沿いの細い道に面したところです。9月はどちらも利用できました。

Aranybastyaレストランの城壁沿いにある入り口へと続く道
階段の先にも入り口があります
Aranybastyaレストランの屋内のテーブル

アラカルトメニューでしっかり食事をするのではなく、ドリンクだけオーダーしたり、ナポリピザや前菜で軽く済ませたい場合は、レストランのお隣の”Függőkert Bar & Food”に通されます。

こちらはすべてテラス席で開放的な雰囲気です。

Aranybastyaレストランの隣にあるFüggőkert Bar & Foodの入り口

冬季は透明なドーム型のテントが張られて、その内部で飲食できる予定だそうです。

Aranybastyaレストランの隣にあるFüggőkert Bar & Food開放的な屋外テーブル

余談ですが、Függőkert Bar & Foodのさらに奥に公園(Szaffi játszótér)があります。

広くはないのですが、楽しい雰囲気で遊具も充実しているので、お子さん連れでしたらぜひ遊びに行ってみてください。公園の上の扉は鍵がかかっていますが、下の扉から出入りできます。

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まとめ

Aranybástyaレストランは、王宮の丘で復元された古いヴィラ内にあり、ドナウ川を望む素晴らしいロケーションにあります。

ハンガリー政府が定める「フンガリクム」製品を使った「フンガリクム・メニュー」をオーダーすると、ハンガリーの食文化と現代の料理技術を融合した、モダンで軽やかな食事を楽しめます。

りり

「フンガリクム・メニュー」以外の、アラカルトメニューも人気です。私の周りのテーブルのみなさんは、アラカルトメニューをオーダーしてました。

ドリンクだけ希望の場合は、お隣のFüggőkert Bar & Foodへどうぞ!

レストランは王宮の丘の上にあってアクセスしやすいので、気になった方は観光のついでに足を運んでみてはいかがでしょうか?

以上、参考になる情報があれば幸いです。

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