前回のブログ(【ブダペスト子供鉄道①】乗車レポート!子連れで楽しみたい方必見!路線図も入手)では子供鉄道の乗車レポートを書きました。
ハンガリーの首都ブダペストにある子供鉄道は、小学校4~6年生の子供たちが鉄道員として働いています。子供鉄道はブダの山の魅力的なルートを走っていて、ハンガリー人にも観光客にも人気です。
今回は少しマニアックに、車両や機関車の種類についての紹介と、各鉄道駅周辺の見どころについてご案内します。
鉄道関連がお好きな方、子供鉄道の走っているブダの山々のハイキングルートや見どころに興味のある方、少し長くなりますが、気になるところを読んでみてください。
子供鉄道の乗車レポートはこちらです。
りり / 旅行大好き
ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
1人旅が大好きで、世界50カ国以上を訪問
東京で旅行会社に4年勤務経験あり
ヨーロッパに長年いるけれど、実はインドや暖かい国が大好き
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ブダペスト子供鉄道 車両と機関車
週末や祝日に特別車両や特別機関車が運行している場合があります。
どのような種類があるのか見ていきましょう。特別車両・特別機関車の運行予定日は、子供鉄道のホームページにて確認できます。
子供鉄道ホームページ:
乗車予定日を選択すると、時刻表、および特別車両・特別機関車の運行予定も確認できます。
https://gyermekvasut.hu/en/timetables/
子供鉄道の車両
冬のスタンダード車両(窓付き)
今回乗ったのは冬のスタンダードな車両です。ハンガリーの冬の寒さ対策の窓付きで、窓は開けることもできます。
春~秋のスタンダード車両(窓なし)
窓のついていないこちらの車両が、寒くない時期のスタンダード車両です。6年ほど前の3月末に子供鉄道に乗った時、乗車した車両の後ろに連結していたのがこちらでした。
ノスタルジー車両
ノスタルジー車両は内部に暖炉もあってクラシックかつエレガントです。
通常のチケット料金にプラスして400フォリント(子供は200フォリント)の追加料金が発生します。(2023年3月現在)
始発駅/終点駅のHűvösvölgy。真ん中にある濃いブルーと白の塗装の車両がノスタルジー車両です。
特別編:サロンカー(貸切車、別途要手配)
前回のブログでもご紹介した、別料金で貸切できるサロンカーです。一度乗ってみたいものです。
機関車
通常の機関車(MK45タイプ)
前回乗車した列車も待ち合わせで見かけた列車も、M45という機関車でした。
蒸気機関車
ノスタルジー車両を牽引する蒸気機関車です。蒸気機関車だと見た目も分かりやすく、お子さんも喜びそうですよね。
英語ではNostalgic train hauled by steam locomotiveと案内されています。
C50タイプの機関車
1950年代にハンガリーで製造されたC50タイプと呼ばれるディーゼル機関車が牽引する日もあります。普段の機関車より少し小さめですね。
MK48タイプの機関車
機関車の鼻が長い感じなのがM48機関車です。ハンガリーの輸送用機械を製造するラーバ(RABA)社のもので、1960年代前半に製造されたそうです。
ブダペスト子供鉄道 車両と機関車・まとめ
子供鉄道の車両4種類(通常の冬バージョン、通常の春~秋バージョン、ノスタルジー車両、サロンカー)、機関車4種類(MK45、蒸気機関車、C50、MK48)をご紹介しました。
特別車両や機関車の運行日に乗車したい場合は、必ずカレンダーで確認をしてからお出かけください。混雑が予想されるので、早めに駅へ到着して席を確保することをおすすめします。
子供鉄道駅と周辺の見どころ/交通手段について
子供鉄道に乗車するだけでも十分楽しい体験になりますが、「プラスアルファでブダの山をもっと知りたい!ハイキングもしたい」という方は、各鉄道駅周辺の案内を参考にしてください。
①Széchenyihegy駅(+町からの移動案内)
地図の左下にある子供鉄道始発駅のSzéchenyihegy駅は、意外とこじんまりしています。
Széchenyihegy駅までの行き方(登山鉄道 / fogaskerekű vasút)
ブダペストの街中からSzéchenyihegy駅までは、山を登り進む登山列車(60番トラム)での移動が人気です。
ブダペストの定期券(1日券、3日券等も含む)や通常の1回券で乗車ができます。
ブダ側の交通の要Széll Kálmán térから路面電車で2駅目(約3分)、もしくは徒歩でも10分ほどのところにある登山列車始発駅のVárosmajor駅まで行き、登山列車に乗り換えます。
<Széll Kálmán tér駅~Városmajor駅(登山列車始発駅)>
登山列車は赤と白の列車です。
登山鉄道で始発から終点のSzéchenyihegy駅まで所要約20分です。
この登山鉄道駅から子供鉄道駅までさらに徒歩3~4分かかりますので、その分を計算に入れておいてください。
<Széchenyihegy駅 Ⓐが登山鉄道駅~Ⓑが子供鉄道駅>
登山鉄道+子供鉄道を利用すると、鉄道デーになって鉄道好きのお子さんは喜ぶと思いますよ。
※2023年3月まで省エネ対策のため運行していません。代替えバスを利用できます。
②Normafa停留所(+町への移動案内)
Széll Kálmán tér行きのバス停がこの停留所の目の前にあります。
Hűvösvölgy駅から子供鉄道に乗車をして、ブダペストの町の中心へ最短で帰りたい場合は、こちらの駅のほうが終点のSzéchenyihegy駅より便利です。
<Normafa駅~Széll Kálmán tér駅>
前回の子供列車乗車レポートを書いた時は、登山列車が残念ながら運行していなかったので、私たち家族もこのNormafa駅で下車しました。
時間があって散策をしたい場合は、停留所から3~4分歩くと景色の開けたところにたどりつけます。
<Normafa駅~Normafaの景色のいい場所>
子供鉄道に乗らない日でも、ここから山の上のリフト乗り場まで歩いて30分くらいでたどりつけます。ベビーカーも通れる歩きやすい道になっていて、の人にも人気の散策ルートです。
<Normafa~リフト乗り場(上)>
③Csillebérc駅
Csillebércというブダペストの地区に面した駅です。
町と反対側の方向は山でNormafaの方面へのハイキングコースがあります。
④Virágvölgy駅
完全に山の中にある駅ですが、Normafa駅とリフト乗り場のちょうど中間くらいにあり、この2つを結ぶ歩きやすい道にすぐ出ることができます。
景色のいいAnna-rét公園も駅から3~4分です。
<Virágvölgy駅~公園>
⑤Jánoshegy駅(+町への移動案内=リフト)
Jánoshegy駅は完全に山の中にあり、標高は409メートルです。
この駅から標高490メートルのリフト乗り場までは登り坂、15~20分くらいを見ておいたほうがいいと思います。
<Jánoshegy駅~リフト乗り場(上)>
リフト(Libegő)(町への移動案内)
リフト乗り場からブダペストの町へ降りていくことができます。
リフトを利用して山を下りた場合は、10分くらい歩くと22番のバス乗り場があるので、そこからSzéll Kálmán térまでバスで約10分です。
<リフト乗り場(下)~Széll Kálmán tér駅>
エルジェーベト展望台(Erzsébet-kilátó)
リフト乗り場から多くの人が向かうのがErzsébet展望台。標高527メートルでブダペスト市内で一番高い場所です。
リフト乗り場(標高490メートル)からの坂道も結構きついですが、10分もあればたどり着けます。
展望台への入場は無料です。展望台の下にカフェがあるので、コーヒーで一服もいいですね。
<リフト乗り場(上)~エルジェーベト展望台>
ここから⑦Szépjuhászné駅方面へハイキングする場合は、こんな山道を行くことになります。結構ワイルドな道ですが、Erzsébet展望台が一番高いところなので、あとはずっと下り坂になっています。
⑥<臨時駅>Vadaspark停留所(グループ利用の場合)
普段は停車しない停留所ですが、修学旅行などでグループ予約がある場合に停車します。
駅名になっているVadaspark(ワイルドパーク)は山の中のリフレッシュできる場所にあり、キツネ、クマ、トナカイ、リスなどの動物が見られます。
また、シカやヒツジの餌付けもできます。餌は300フォリント(2021年)で販売されていました。
次に停車するSzépjuhászné駅からバスで3駅行き、その後15分ほど歩いていくことができます。
⑦Szépjuhászné駅(+町への移動案内)
ブダペストと隣町Budakesziを結ぶ道路が通っているところで、駐車場やバス停、食堂や屋台もある比較的大き目な駅です。
バス停もあるので、町へ戻りたい場合は22番バスに乗れば約20分でSzéll Kálmán térへ到着します。
<Szépjuhászné駅~Széll Kálmán tér駅>
Vadasparkへ行きたい場合は、ブダペストとは反対のBudakeszi方面行きの22番系のバスに乗ってください。
<Szépjuhászné駅~Vadaspark(ワイルドパーク)>
Szépjuhászné駅の標高は350メートル、ここから先ほど通過してきたJánoshegy(János山)方面へ向かってErzsébet展望台を目指すこともできますし、反対側の終点駅Hűvösvölgy方面の山に登ることもできます。
ここではHűvösvölgy駅方面にある2つの展望台への行き方のご紹介をします。
Kaán Károly展望台
Szépjuhászné駅から標高454メートルのKaán Károly展望台を目指してハイキングができます。
一度歩いたことがありますが、なかなかきつかったです💦💦
辛かった分も合わせて、展望台からの景色は最高でした!
<Szépjuhászné駅~Kaán Károly展望台>
Makovecz Imre展望台
Makovecz Imre展望台は標高362メートルです。
私たちはKaán Károly展望台からMokovecz Imre展望台へハイキングをしたことがあります。
標高の低いほうへ降りていくので辛くないかと思いきや、最後はまた少し登り坂でした💦
Makovecz Imre展望台です。
ここへ来る前に登ったKaán Károly展望台も見えました。
<Kaán Károly展望台~Makovecz Imre展望台>
⑧Hárshegy駅
Szépjuhászné駅を出てHárshegy駅へ向かう途中、列車の右側の席から綺麗なパノラマ景色が見られます!(前回のブログの乗車レポートのようにHűvösvölgy駅から出発する場合は左側がパノラマです。)
パンフレットではこの駅からKaán Károly展望台やMakovecz展望台へも行けると案内されていますが、駅の標高が294メートルで展望台へは登って行くことになるので、Szépjuhászné駅から行ったほうがいいかなと個人的には思います。
駅の周辺はこんな感じです。
<Szépjuhászné駅~Hárshegy駅>
⑨Hűvösvölgy駅(+町への移動案内)
Hárshegy駅とHűvösvölgy駅の間に、子供鉄道運行区間内で唯一のトンネルがあります。お子さんがいらしたら少し盛り上がるかもしれません。
ここが子供鉄道の終点駅のHűvösvölgy駅です。
プラットホームには小さな子供鉄道博物館もありますので、時間があれば見学してもいいですね(入場料100フォリント、6歳以下無料)。
ここから町へ帰るには、Hűvösvölgyのトラム駅から56番か61番でSzéll Kálmán térへ向かってください。ここが始発駅で停車しているトラムは56番か61番しかないので、どちらでも早く出発するほうに乗車すればOKです。
<Hűvösvölgy駅 Ⓐが子供鉄道駅~Ⓑがトラム駅>
<Hűvösvölgy駅~Széll Kálmán tér駅>
もうちょっと山を楽しみたいという方は散策してもいいですね。道に迷わないように気を付けてください。
子供鉄道駅と周辺の見どころ/交通手段について・まとめ
子供鉄道のそれぞれの駅の周辺にそれぞれの魅力があります。
気になる子供鉄道駅で下車して、軽い散策でリフレッシュするもよし、本格的なハイキングコースに挑戦するもよし。ワイルドパークに足を伸ばしたり、リフトを使って景色を見ながら山を下るのもいいですね。色々な楽しみ方があるので、どんなルートを通って過ごすか、事前に計画をたててみてください。
参考になる情報があったら嬉しいです。子供鉄道でお出かけになったら、ぜひ感想を聞かせてくださいね!