南イタリア・プーリア州の州都バーリ(Bari)は、空港や鉄道、フェリー港が整っている交通のハブで、アルベロベッロやマテーラなど人気観光地への玄関口として訪れる旅行者も多い街です。

バーリは旅の通過点とする人が多いようですが、古代からアドリア海の重要な港町として栄えてきた旧市街は、風情があってとっても魅力的!
街歩き好きの心をくすぐる、おすすめの場所です!
私が初めてバーリを訪れたのは10年以上前、アルバニア行きの夜のフェリーを待っていた時のことです。
午後を旧市街で過ごしたのですが、港町らしい開放的な雰囲気や人々に魅了され、「次の機会があれば、旧市街に泊まりたい!」と心から思ったのをよく覚えています。
しかし、2回目のバーリ訪問は夜の到着だったため、移動に便利な新市街の駅前に宿泊。旧市街でゆっくりする時間もなく、その後、人気の観光地であるマテーラとアルベロベッロに出かけました。
今回3回目のバーリ訪問にして、やっと念願の「旧市街に宿泊の夢」を達成!迷路のように入り組んだ旧市街をのんびりと散策し、素朴な食堂でランチを楽しみながら、思い出に残るひとときを過ごすことができました。
個人的にとても好きなバーリの旧市街を、ぜひみなさんにも紹介したいと思い、この記事を書いています。バーリ経由で他の街へ行く予定の方も、少しだけでも旧市街に足を伸ばしてみませんか?
また、バーリ空港から市内への移動方法や、バーリ駅での注意点なども後半にまとめたので(以前、ホームを間違えて電車に乗り遅れそうになったことがあります!)、ぜひ参考にしていただけたら嬉しいです🎉
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りり / 旅で心を豊かに
🇭🇺 ハンガリーの首都、ブダペスト在住19年
🌏 1人旅を中心に、世界50カ国以上を訪問
🌴 ヨーロッパに長年いるけど、インドや暖かい国が大好き
❤️ ちょっとマイナーな国や地域に行けたら、テンションが上がる⤴️
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バーリの街のレイアウト
バーリの街は、大きく「旧市街(Bari Vecchia)」と「新市街(Bari Nuova)」に分かれています。
旧市街は、昔ながらの雰囲気がぎゅっと詰まった場所。細い路地が迷路のように入り組んでいて、石造りの建物がずらりと並んでいます。

旧市街は歩くだけでタイムスリップしたような、ロマンを感じられる場所です!
それに対して新市街は、19世紀の後半から20世紀の初めごろに発展した、バーリの「近代的な顔」。
鉄道や港の整備が進んだことで街がどんどんにぎやかになり、通りは碁盤の目のようにまっすぐ整えられ、きれいに区画された街並みが広がっています。
バーリ中央駅から新市街を抜けて旧市街へ
バーリ中央駅へ電車やバスで到着したら、駅の正面から伸びるスパラーノ通り(Via Sparano da Bari)をまっすぐに進みましょう。旧市街の入口までは、徒歩で約10分ちょっとほどです。
スパラーノ通りは歩行者専用のショッピングストリートになっているので、お買い物好きならお店を覗きながら楽しく歩けます。
通り沿いにはモダンな建物と歴史ある美しい建物が共存し、華やかな雰囲気です。
椰子の並木が見えてきたら、旧市街はもうすぐそこ。新市街と旧市街の境界となるヴィットーリオ・エマヌエーレ2世通りは、明るく開放的で、カフェやレストランが並んでいます。
そして、小さなアーチをくぐれば、そこはもう別世界。歴史を感じる港町バーリの冒険が、いよいよ始まります!
バーリの旧市街の様子
どこか懐かしい雰囲気が漂うバーリの旧市街。子どもと歩いていると、街の住人と思われる人たちが、明るく声をかけてくれます。
地元の人と観光客が行き交う、魅力的な旧市街の様子をまとめました。紹介している主な場所は、地図に記したので参考にしてください。
入り組んだ路地を散策
バーリ旧市街は、ローマ時代から何世紀にもわたって少しずつ自然に発展してきました。都市計画があったわけではなく、住人たちの生活に合わせて道ができていったため、カーブや交差の多い形になっています。
また、外敵の侵入を防ぐための防衛的工夫で路地は迷路のようになっており、南イタリアの強い日差しから身を守るため、建物同士が近く道幅が狭いのも特徴です。
ひっそりと静かな通り、洗濯物が干してあって庶民的な感じの通り、レストランのテーブルが並ぶ賑やかな通りなど、様々な表情を楽しみながら、自由に散策してみてください。
バーリに到着後すぐお昼の時間になったので、子供と一緒でも入りやすそうな、家族経営の食堂「Carletto Cucina」へ行ってみました。

路地のテーブル席につくと、旧市街の雰囲気を存分に味わえます!
この食堂ではセットメニューを提供していて、前菜・メイン・ドリンク(ワインもOK!)で20ユーロ。私たちはもう少しボリュームのある25ユーロのメニューにしたので、最後にリモンチェッロとデザートもつきました。
プーリア州といえば、豊かな大地と海に育まれた新鮮な食材が魅力。前菜のオリーブ・チーズ・サラダ・サラミ・フォカッチャは、シンプルですがどれもしっかりと味がして美味しいです。
セットメニューのメインは、プーリア州を代表する手打ちパスタ「オッレキエッテ」。
子供たちはシンプルなトマトソースのパスタ、私たち大人はタコが入ったトマトソースパスタで、新鮮な食材を活かした美味しい一皿でした。

憧れのバーリ旧市街の路地でいただくランチは、味もサービスも雰囲気も最高でした!!
子供もドリンクをオーダーして、料理もお腹いっぱいいただいたのですが「大人2名分の料金だけでOK」とのことで、お言葉に甘えました
サン・ニコラ聖堂:カトリックと正教会の巡礼地
バーリ旧市街を訪れる際、絶対に外せないのが、バーリの守護聖人を祀る「サン・ニコラ聖堂」です。

サンタクロースのモデルになった「聖ニコラウス」の遺骸が安置されていて、東方正教会とカトリック教会の両方にとっての重要な巡礼地になっています。
聖堂内は荘厳で、アーチが印象的な広々とした空間に美しい装飾が施されています。
聖ニコラウスの遺骸が安置されているのは地下聖堂です。多くの信者が祈りを捧げる姿が見られ、聖ニコラウスへの深い敬意を感じることができました。
メルカンティーレ広場とフェッラレーゼ広場:歴史的な広場
旧市街の西側に位置する「メルカンティーレ広場」と「フェッラレーゼ広場」は、旧市街の素朴さにちょっと洗練さが加わった美しい広場。カフェやレストランが立ち並び、地元の人と観光客で賑わっています。
メルカンティーレ広場にあるユニークなライオンの像と柱は「正義の柱」。後で調べて知ったのですが、この柱に罪人を縛り付けて晒し者にしていたのだとか。
そんな歴史があることも知らず、家族でベンチに座ってジェラートを食べたり、子供たちはライオンに乗っかって楽しんだりしていました。
夫はシチリア発祥の「ブリオッシュとジェラートのコンビネーション」が大好きで、こちらでもブリオッシュを見つけて喜んでいました
正義の柱から歩いてすぐの小道にある「La Puccia」は、口コミ評価がとても高いファーストフード屋さん。
プーリア州の揚げパン「パンツェロッティ」が人気メニューで、サーモン入りを1つ注文。パンツェロッティも評判通りのお味でしたが、タコのパニーニ、ハムとチーズのパニーニもすごく美味しくて感動!軽食を食べたい人におすすめのお店です。
フェッラレーゼ広場の先には海が広がります。十数年前にアルバニアへ行く前、この広場のレストランで、海の方向を眺めながら夕食を食べたことを覚えているので、再訪できて嬉しかったです。
この画像の左側(ぎりぎり写っていません)に、2世紀初頭のローマ時代遺跡があります。

2世紀初頭のアッピア街道の石畳だそうです!
私は見逃してしまったのですが、訪れる方はぜひチェックしてみてください。
海岸沿い・国際フェリー乗り場:海と歴史の交差点
旧市街の西側には海岸線が広がっていて、すぐそばまで歩いて海を眺めることができます。
旧市街の先になりますが、海沿いの遊歩道を歩き進めると観覧車などもあって、そこからバーリの海と街並みが一望できます。さらに20分ほど歩き進めると、地元で人気のビーチもあるそうです。
一方、旧市街の東側にはバーリ国際フェリーターミナルがあり、アルバニア、マケドニア、ギリシャなどバルカン半島の国々へ向かうフェリーが発着しています。

アドリア海を通じて、昔から人や物が行き交ってきたバーリ。今も“南イタリアの海の玄関口”として、にぎわいを見せています。
スヴェーヴォ城:旧市街の端にある“石の要塞”
旧市街の西端にひっそりと構えるのがスヴェーヴォ城(Castello Svevo)です。13世紀に築かれた重厚な石造りの要塞で、防衛都市としての歴史を物語っています。
今回の滞在では外観だけの見学でしたが、それでも迫力は十分。堂々とした佇まいに、思わず足を止めて見入ってしまいます。
入場料を支払えば、内部の博物館でお城の歴史や展示を楽しむこともできるようです。時間に余裕があれば、ぜひ足を伸ばしてみてください。
旧市街での宿泊:地元の雰囲気を楽しむ
バーリの旧市街では、古い建物の部屋を改装して貸し出ししているところが多くあります。
私たちが泊まったのはバーリ大聖堂の近くの建物の3階で、狭くて急な階段を上っていくのはワクワクしました。
私はAirbnbでアパートを見つけましたが、Booking.comやAgodaにもたくさんの宿が掲載されています。

旧市街のアパートの場合、「階段が狭くて、角度も急でびっくりした」という口コミをよく見かけます。
荷物の多い方・足腰が不自由な方は、階段の有無や様子を事前にご確認の上、予約を入れることをおすすめします。
旧市街の宿は多くが比較的小さめのアパートで、ホテルはほとんどありません。
モダンで広々とした滞在先をご希望の場合は、お値段が高めのところ、もしくは旧市街ではなく新市街で探す方がいいでしょう。
宿泊先探しのヒントに、こちらの記事もお役立てください!
バーリ空港〜バーリ中央駅への行き方、バーリ中央駅について
バーリへから市内へ簡単に移動するには、「電車の利用」と「空港シャトルバスの利用」の2つの選択肢があります。
空港を出たら左側へ歩いて行くと、正面に電車乗り場へのエスカレーターが、その右奥には空港シャトルバスの乗り場が見えてきます。
https://www.ferrovienordbarese.it/home
バーリ中央駅までの所要時間は約20分、運賃は5.3ユーロ(2025年4月現在)
https://www.autoservizitempesta.it/servizi-orari-bus-navetta
バーリ中央駅までの所要時間は約30分、運賃は5ユーロ(2025年4月現在)

私たちは「電車」を利用したので、その様子をお伝えします!
電車でバーリ空港からバーリ中央駅へ
空港を出て「Railway Station」の指示に従いエスカレーターを降りると、チケット売り場があります。ただし、その後の道のりが少し長く、5分弱歩く必要があるので、電車の時刻が迫っている方は気をつけてください。
歩く歩道を進んで行き、目の前のホームがバーリ中央駅行きのホームです。改札でチケットをかざして入場します。

バーリ中央駅まで20分程度です。
バーリ中央駅(ホームや駅舎の場所が離れている場合があるので要注意!)
歴史を感じるクラシックな駅舎が素敵なバーリ中央駅。駅前のロータリーには椰子の木も生えていて、明るい南国の雰囲気です。
そんなバーリ中央駅ですが、実は正面の駅舎の他に、その右側の方向に歩いて2〜3分の場所にも、駅のホームがあります。

イタリア国鉄の「Trenitalia」は中央の駅舎のホーム発着ですが、プーリアのローカル線「Ferrovie Appulo Lucane」は、少し離れた右側のホーム発着です。
階段を降りた下の階にホームがあります。
実は、10年前にバーリからマテーラへ電車で移動する際、中央のホームで「なかなか電車が表示されないな」とのんびりしていたら、「少し離れた向こうのホームから出発だよ」と出発ギリギリに教えてもらったことがあります。
マテーラ行きの便は数時間に1本しかないので「絶対に逃したくない!!」と必死に走って階段を駆け降り、私が電車に飛び乗った瞬間に扉が閉まって出発。間に合ってよかったのですが、今でも思い出すとヒヤヒヤする苦い思い出です。
バーリ中央駅を利用の際は、Trenitaliaの利用かFerrovie Appulo Lucaneの利用かをよく確認しましょう。ホームの電子掲示板に乗りたい電車の情報がなければ、待っているホームが間違っている可能性大です!
【まとめ】バーリ旧市街の魅力を満喫しよう
南イタリアの交通の要となる都市、バーリ。ここを拠点にして他の観光地へすぐ出かける方も多いですが、魅力あふれる旧市街は、ぜひ足をのばして訪れてほしい、個人的におすすめの場所です。
旧市街にはサン・ニコラ聖堂などの見どころもありますが、入り組んだ路地をのんびり歩くだけでも、十分に楽しめます。歴史ある建物と、今を生きる人々の暮らしが自然に共存している様子に、なんだかほっこりしてしまいます。
旧市街の路地に並んだテーブルで食事をしたり、ジェラート片手に散歩するのも素敵な時間です。もしこの街の雰囲気が気に入ったら、アパートを借りて泊まってみるのもおすすめ。きっと、特別な体験になるはずです。
ぜひ、みなさんなりの楽しみ方を、バーリで見つけてみてください!
プーリア州の町「オストゥーニ」も素敵なところでした。現地の様子をまとめたレポートはこちらからどうぞ。