海外旅行に出かけたとき、「せっかくの機会だからユネスコの世界遺産を訪れたい」と思う方も多いのではないでしょうか。中には、世界遺産検定を持つほど熱心なマニアの方もいらっしゃるかもしれませんね。

中央ヨーロッパに位置するハンガリーには、2025年3月現在、歴史と文化が息づく8つの世界遺産があります!
ハンガリーの世界遺産は、「ブダペストの壮麗な街並み」「静寂に包まれたパンノンハルマの修道院」「雄大な大平原が広がるホルトバージ」「世界が認めるトカイのワイン産地」など、バラエティ豊かな魅力が詰まっています。
ハンガリーの世界遺産リスト | ||
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登録年 | 区分 | 登録名 |
1987年 (2002年拡張) | 文化遺産 | ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り |
1987年 | 文化遺産 | ホッロークーの古い村落とその周辺 |
1996年 | 文化遺産 | パンノンハルマのベネディクト会大修道院とその自然環境 |
1999年 | 文化遺産 | ホルトバージ国立公園 – プスタ |
2000年 | 文化遺産 | ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所 |
2001年 | 文化遺産 | フェルテー湖・ノイジードル湖の文化的景観の魅力 |
2002年 | 文化遺産 | トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観 |
1995年 (2000年追加) | 自然遺産 | アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群 |
旅行が大好きな私は、ハンガリーの世界遺産のほとんどに出かけました。やはり、世界遺産に選ばれるだけあって「歴史や迫力がすごい!」と感動することもあれば、「意外と地味だなぁ」なんて感想を持つことも。
今回の記事では、ハンガリーの世界遺産がどんな場所なのかを、現地在住者の目線で紹介していきます。世界遺産巡りをしている方や、ハンガリー旅行を計画中の方は必見です!

さらに詳しい情報は、各項目内にリンクを貼ってあるので、そちらも合わせてご参照ください!!
個人で行きにくい場所には「参考になる口コミがいっぱいの【ベルトラ】」や、「ポイントも貯められる【楽天トラベル】」のガイド付きツアーもおすすめなのです。時間の限られている方は、上手に活用してみてくださいね。
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ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区およびアンドラーシ通り
ハンガリーの首都ブダペストは、その美しい景観と歴史的建造物により、街の一部が世界遺産になっています。

1987年に「ブダペストのドナウ河岸とブダ城地区」が、2002年に「アンドラーシ通り」が世界遺産に登録されました。
このエリアは、19世紀末のオーストリア=ハンガリー二重帝国時代の壮麗な都市計画と、ハンガリー王国の歴史を物語る中世の遺産が共存することから、高い文化的価値を持つとされています。
ブダペストを訪れるなら、この世界遺産エリアを散策しながら、歴史や建築の魅力と街の景観を堪能するのがおすすめです!

3つの主要な部分で構成されているので、それぞれの地区を簡単にご紹介します。
ブダペストの見どころは街の中心に集まっていて、交通の便もいいので、個人旅行でも十分に見て回れます。
ただし、時間の限られている方や、ガイドさんの詳しい説明を聞きたい方は、プライベートツアーの申し込みはいかがですか?充実した時間になること間違いなしです!
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ドナウ河岸
夏の週末は、道路が封鎖され歩行者天国になります(2024年までの状況、2025年もそうだといいです)
景色が素晴らしい世界遺産「ドナウ河岸」。川には特徴の異なる美しい橋がいくつも架かっており、場所によってさまざまな表情を見せてくれます。
川沿いの遊歩道をのんびり散策したり、気になった橋を渡って景色を楽しむのもおすすめです。
画像引用元:vilagorokseg.e-epites.hu

ドナウ川の景観を存分に味わうなら、約1時間のクルーズ船に乗ってみてはいかがでしょうか?
船にもよりますが、多くの場合、マルギット橋・くさり橋・エリザベート橋・自由橋の間を往復し、美しい景色を楽しめます。
ブダ城やゲッレールトの丘に加え、ひときわ印象的なのが国会議事堂。どこから見ても絵になりますが、クルーズ船からの眺めも格別です。

ぜひ、川沿いや船上から、世界遺産の絶景を満喫してください!
ドナウ川クルーズの様子を記事にまとめました。クルーズのチケットの購入方法なども参考にしてください。
🇭🇺国会議事堂は入場見学ツアーも実施されていますが、予約が取りづらいので、早めの手配がおすすめです!チケット購入情報も記事内で紹介しています。
「ドナウ川クルーズ」の個別手配に自信がない場合や、ナイトクルーズ後のホテルまでの移動が心配な方は、往復送迎付きのパッケージがおすすめです!
ゲッレールトの丘から眺める夜景鑑賞とドナウ川ナイトクルーズ<日本語/少人数制/往復送迎付き>
【ベルトラ】ドナウ川ディナーナイトクルーズ 4コース・シャンパン付き<日本語/往復送迎付き/ブダペスト発>
「国旗議事堂」では、日本語オーディオガイドのツアーが人気ですが、公式ウェブサイトからは直前の予約がなかなか難しいです。
そんな時でも、日本語ガイド付きのツアーなら、申し込みできる可能性が残っています。中央市場やオペラハウス(国立オペラ座)を組み合わせたツアーもあるので、チェックしてみてください。
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ブダ城地区(王宮の丘)
世界遺産の「ブダ城地区(王宮の丘)」は、見どころが豊富なブダペスト屈指の観光スポット。訪れる価値があります!
マーチャーシュ教会は、ゴシック様式の美しい教会で、ハプスブルク家のフランツ・ヨーゼフ1世とエリザベート(シシィ)の戴冠式が行われた場所として有名。
隣にある漁夫の砦からは、ドナウ川とブダペストの街並みを一望できる素晴らしい景色が広がります。
マーチャーシュ教会から徒歩約10分の場所にあるブダ城は、かつての王宮で、現在はハンガリー国立美術館、セーチェーニ国立図書館、ブダペスト歴史博物館が入る文化的な中心地となっています。
美しいバロック様式の建築とともに、こちら側からもドナウ川を見渡せる壮大な景色が楽しめます。
ブダ城地区については、かなり詳しい情報を別の記事にまとめているので、お出かけ前にぜひご参照ください!
王宮の丘(ブダ城)の情報を詰め込みました。各見どころのマップや公式ウェブサイトなども、記事でご確認いただけます、
ブダ城(王宮の丘)を日本語ガイドと徒歩で巡るツアーがあります。専用車を利用しない分、お値段もちょっとお得感あり。王宮の丘の上で現地集合です。
【ベルトラ】アンドラーシ通り
2002年には世界遺産の範囲が拡大され、「アンドラーシ通り」が追加登録されました。
19世紀に整備されたこの大通りには、ハンガリー国立オペラ座、高級ブティック、カフェなどが並び、19世紀末のエレガントな雰囲気が漂います。「ブダペストのシャンゼリゼ」と呼ばれることも。

空き店舗が多くて廃れていた時期もありましたが、だいぶ華やかさを取り戻しました。
アンドラーシ通りの前半のオペラ座の周辺は優雅なエリア、後半部分は道幅が少し広くなって、遊歩道が別途設けられています。
ユニークなのがアンドラーシ通りの真下を走る地下鉄1号線。1896年に開通したヨーロッパ大陸最古(ヨーロッパではロンドンについて2番目)の地下鉄です。

地表を掘り下げてトンネルを作り、その上を再び埋め戻す「開削工法(カットアンドカバー工法)」で建設されました。
そのため、トンネルは地表近くにあり、駅も浅い構造になっています!
テーマパークのアトラクションのような地下鉄1号線は、歴史と実用性を兼ね備えた交通手段として活躍しています。クラシカルなタイル張りが素敵な駅も多いので、ぜひ滞在中に一度は乗車してみてください!
アンドラーシ通りの終点にあるのが、ハンガリー建国1000年を記念して造られた英雄広場。歴代の国王や指導者の像が並ぶモニュメントが象徴的な場所で、英雄広場に面した西洋美術館と現代美術館も世界遺産地区の一部です。
英雄広場を含む緑の多いエリアは「市民公園」。英雄広場周辺以外は世界遺産ではありませんが、博物館・音楽の家(日本人建築家の藤本壮介氏による設計)・動物園・グンデルレストランなどの人気スポットが点在しています。

ハンガリーで最も有名な温泉の1つ、セーチェーニ温泉も市民公園内にありますよ!
世界遺産のアンドラーシ通りを散策したり、地下鉄で移動をしてみた後は、市民公園でゆっくり過ごすのもおすすめです。
子供とよく出かける市民公園。おすすめの場所をまとめてみました!各見どころの営業時間などもご覧いただけます。
♨️観光客に大人気のセーチェーニ温泉。チケットの種類や温泉の入り口の情報、現地の様子をレポートした記事はこちらからどうぞ。
「地下鉄1号線」に日本語ガイドと乗車をして、ブダペスト観光をするツアーがあります!
ヨーロッパ最古の地下鉄で行くブダペスト市内観光<半日/日本語ガイド>
【ベルトラ】アンドラーシ通りのシンボルの1つ「国立オペラ座」。観劇の予定がなくても、日中の内部見学ツアーで入場できます。日本語ガイド同行で、国立オペラ座と国会議事堂を見学できるツアーがあるので、気になる方は要チェックです!
【ベルトラ】ホッロークーの古い村落とその周辺
ホッロークーは、ブダペストから北東へ約100km、ノグラード県に位置するハンガリーの伝統的な村。「ホッロークーの古い村落とその周辺」として、1987年にユネスコの世界文化遺産に登録されました。

17世紀から18世紀にかけて形成されたパローツ人(ハンガリー北部に住む民族)の村落で、独特の建築様式や伝統文化が現在も残っています。
ヨーロッパの近代化以前の農村の姿をそのまま残している貴重な場所として、世界遺産に登録されました。また、村の文化や祭りが今も活発に行われていることから、「静的な遺産ではなく、現在も息づく文化遺産」として評価されています。
村の特徴は、白壁の木造家屋と伝統的な民家が並ぶ美しい景観。中心部には、村を象徴する14世紀建造の教会があり、木造の鐘楼が印象的です。
民家は博物館・レストラン・販売店などとして利用されています。かわいい雑貨や工芸品のお店もあるので、買い物も楽しめます。

イースターの時期に行われる「水掛け祭り」には、多くの観光客が訪れて賑わいます。
女性が華やかな民族衣装をまとい、男性が水をかけるこの風習は、豊穣や健康を祈願するパローツ人の伝統。毎年必ずニュースで様子を知ることができます。

ただし、普段のホッロークー村はこんなに華やかではないので、イースターのイメージを持たずに出向くのがいいと思います!!
民族衣装を着た方には、イベントなどがない限り滅多に会えないです。
村の外れには13世紀に築かれたホッロークー城があり、周囲の丘陵地帯とともに歴史的な雰囲気を醸し出しています。
この城は、オスマン帝国との戦いの歴史を持つ要塞であり、現在は観光名所として公開されています。城からの眺めは絶景です!

ホッローケーの周辺は、美しい森林や丘陵地帯に囲まれており、ハイキングや散策にも最適。ハンガリーの昔ながらの田舎の風景を楽しめます。
ホッロークー村で有名な料理が「パローツスープ」。豚肉、じゃがいも、インゲン豆、パプリカ、サワークリームなどを煮込んで作られた、クリーミーで味わい深いスープです。
村のレストランでも提供しているので、ランチにぜひお試しください。

でも実は、パローツスープはホッロークーの郷土料理ではなく、ブダペストの「グンデルレストラン」で19世紀末に考案されたスープです!
ホッロークーで食べるチャンスがなくても、ブダペストなどのレストランで見つけられるかもしれません!
ホッロークー村の様子や、村にある私たちのお気に入りのホテルについてまとめた記事がこちら。ホッロークーが気になった方や、宿泊を検討している方はぜひご覧ください!ホッロークーへの交通事情も案内しています。
ホッロークーへはブダペストからバスで約2時間。ただし、本数は非常に限られていて、直通便がない日もあるので移動が少し大変です。
村は割と地味なので「せっかく行ったのにがっかり…」とならないよう、日本語ガイドさんの案内で観光を充実させることも可能です!プライベートツアーなら、同日にエリザベート妃(シシィ)のお気に入りだった「グドゥルー宮殿」にも足を伸ばせます。
世界遺産ホッローケーとグドゥルー宮殿を尋ねる1日観光<日本語ガイド/昼食付き/ブダペスト発>
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パンノンハルマのベネディクト会大修道院とその自然環境
パンノンハルマ大修道院はハンガリー最古の修道院で、西暦996年に創設されました。現在もベネディクト会の修道士が生活し、教育や文化活動を続けている「生きた修道院」です。
1996年に、修道院の建築・文化的価値と、その周辺の美しい自然環境が評価され、「パンノンハルマのベネディクト会大修道院とその自然環境」としてユネスコの世界遺産に登録されました。
修道院は何世紀にもわたって改築・拡張されてきたため、ゴシック・ロマネスク・バロック様式が融合した独特の美しさを持っています。

大聖堂や回廊の静寂な雰囲気が訪れる人々を魅了します。
40万冊以上の貴重な蔵書を持つ図書館は、木製の本棚と天井が圧巻。修道院内の人気スポットです。
修道院は丘の上にあり、周囲には広大な森やラベンダー畑、ブドウ畑が広がっています。修道士たちは持続可能な農業を実践し、自然との共生を大切にしています。
パンノンハルマ大修道院は、ハンガリーの歴史と文化、そして自然の美しさが融合した特別な場所。静寂の中に流れる千年の歴史を感じてみてください。
ブダペストからパンノンハルマ修道院へ日帰り旅行した時の記録をまとめました。修道院へのアクセス方法なども案内しているので、興味を持った方はこちらからどうぞ!
ブダペストからパンノンハルマへの交通の便はあまり良くありません。まずはGyőr(ジュール)という街まで電車で約1時間半、その後バスで約30分ですが、バスの本数が1〜2時間に1本程度です。
時間に余裕のない方は、送迎車と日本語ガイド付きのツアーがおすすめです!
ホルトバージ国立公園 – プスタ
ホルトバージ国立公園は、ハンガリー東部に広がるヨーロッパ最大の草原(プスタ)を保護する国立公園です。1999年に「ホルトバージ国立公園 – プスタ」として世界遺産に登録されました。
ホルトバージは単なる草原ではなく、人類が数千年にわたり家畜とともに暮らしてきた、独特の生態系と文化を持つ場所。大自然と伝統的な遊牧文化が共存する点が、世界遺産として評価されています。

森林がほとんどない広大な大地がどこまでも続く、ヨーロッパでは珍しい風景がみられます。
春〜秋にかけて、馬術ショーが披露される牧場のMátai Ménes(マータイ・メーネシュ)には必ずお出かけください!!
馬術ショーでは、馬と騎手の深い信頼関係が伝わる伝統的な演目が次々と披露され、無鞍での乗馬や、鞭を使ったパフォーマンスなどが観客を魅了します。
特に、一人の騎手が五頭の馬の背に立ち、疾走するダイナミックな技「五頭立ち(Puszta Ötös)」が見どころで、ハンガリーの馬飼いの卓越した技術に驚くことでしょう。
牧場では「灰色牛」「ラッカ羊」「マンガリッツァ豚」など、ハンガリーの固有種の家畜が今も飼育されているので、それらも必見です。
ホルトバージ国立公園の象徴的な建築物が、 1833年に完成した「9つの穴の橋」。当時ハンガリーで最長の92メートルの石橋で、家畜の移動や馬車の利用のための重要な橋でした。

川の増水時にも安定して使用できるよう、独特な構造になっています!
ホルトバージの大平原でぜひ食べていただきたいのが、ハンガリーで一番有名な料理と言える「グヤーシュスープ」。ホルトバージのような草原地帯にいた牛飼いたちが、煮込んで食べていたのがルーツです。
「ホルトバージ・パラチンタ」も有名な料理で、きっと現地のメニューに載っています。クレープにパプリカ風味の肉の煮込みを詰めて、パプリカ入りのクリームソースをかけたものです。

実は、このホルトバージ・パラチンタも(パローツスープと同様に)、ホルトバージの郷土料理ではなく、ブダペストの老舗レストラン「グンデル」で考案されたものです!
郷土料理ではありませんが、なかなか美味しいしょっぱい系のクレープなので、小さいサイズなら前菜として、複数頼むならメインとして、お味見してみてはどうでしょうか?
ホルトバージには他にも民族博物館・野生動物公園・動物園などの見所があり、町の中のビジターセンターで情報収集できます。
私たちは、野生動物公園のサファリに申し込んで、珍しいウマやバッファローを見たのが印象に残っています。
ホルトバージ国立公園では大自然と伝統、そして珍しい動物たちとの出会いをお楽しみください!
ホルトバージへはブダペストから電車を乗り継いで3時間程度。馬術ショーのMátai Ménesの会場までは、駅から歩くと30分はかかるので、車があった方が断然便利です。
冬は馬術ショーがお休みのためツアーも実施されませんが、タイミングの合う方はぜひ申し込んでみてください!
大平原のホルトバージ・プスタとホッローケー村 1日観光<3月~10月/日本語ガイド/昼食付き/ブタペスト発>
【ベルトラ】大平原ホルトバージ・プスタとトカイワイン産地 1日観光<3月~10月/日本語/昼食付き/ブタペスト発>
ホルトバージのMátai Ménes(マータイ・メーネシュ / 馬術ショー会場)の情報 | |
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住所 | Hortobágy, Mátai Ménes, 4071 |
アクセス | ホルトバージ駅から徒歩で30〜40分 ブダペストからホルトバージへは、電車で約3時間。途中、Füzesabony駅で要乗り換え |
公式ウェブサイト | http://mataimenes.hu/hu/(ハンガリー語) |
ツアー開始時刻(時期によって異なる) チケット情報 | https://visithortobagy.com/pusztai-fogatozas(ハンガリー語) |
定休日 | 冬季休業(11月1日〜3月頃)。春や秋は天候にもよる |
ホルトバージから車で約30分、ティサ湖のほとりに素敵なウェルネスホテルがあります。ホルトバージの宿は小さなゲストハウスが中心ですが、リラックスした環境がお好きな方にはこちらのホテルがおすすめ!ホテルでホルトバージ観光のための車を手配してもらうのもいいと思います。
ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所
「ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所」は、4世紀のローマ時代に築かれた地下墓地群で、2000年にユネスコの世界遺産に登録されました。
当時、この地はローマ帝国の属州パンノニアの都市「ソピアネ(Sopianae)」として栄えていました。

キリスト教がまだ公認される前の時代に築かれた、貴重な初期キリスト教美術と建築が残っています。
特に有名なのは「ペトロスとパウロスの墓」や「キリストの葡萄の蔦の墓」などで、壁画には聖書の場面や象徴的なモチーフが描かれています。これらは初期キリスト教美術の貴重な例とされ、当時の信仰や埋葬習慣を伝えています。

4世紀の遺跡かぁ…と思うと、その歴史の長さにしみじみとします。
墓所群の上には七角形の構造を持つ未完成の礼拝堂がありました。この施設を通じて、訪問者は4世紀のキリスト教徒の埋葬文化と、当時の建築技術に触れることができます。
「ペーチ(ソピアネ)の初期キリスト教墓所」の周辺には、他のローマ時代の遺跡や、美術館・博物館、大聖堂や教会などの見どころが点在しています。

ペーチ全体が雰囲気抜群で、個人的に大好きな街です!
時間に余裕のある方は、ぜひペーチに宿泊して、街の魅力をたっぷり味わってみてください。ペーチの周辺はワインの産地として有名なので、食事と一緒にワインも楽しめます。ブダペストから電車で約3時間です。
ローマの遺跡、オスマン帝国時代の建築物、ヨーロッパらしい華やかさ、たくさんの美術館、ハンガリーが誇る陶磁器ブランド「ジョルナイ」の工場など、見どころたっぷりのペーチの情報はこちらからどうぞ!
フェルテー湖・ノイジードル湖の文化的景観
フェルテー湖(ハンガリー語:Fertő-tó)とノイジードル湖(ドイツ語:Neusiedler See)は、ハンガリーとオーストリアにまたがるヨーロッパ最大の塩湖です。

1つの同じ湖ですが、ハンガリー語とドイツ語で呼び方が異なります!
独特の自然環境と長い歴史を持つ文化的景観が評価され、2001年に「フェルテー湖・ノイジードル湖の文化的景観」として、世界遺産に登録されました。
湖の約74パーセントがオーストリア領、約24パーセントがハンガリー領に属しています。
この地域は、広大な湿地帯と湖のエコシステムが形成した特別な環境が特徴で、古くから人々がこの場所に定住し、農業や漁業、ワイン作りといった伝統的な活動を営んできました。
多くの鳥類・水生生物・昆虫が生息しており、自然愛好家やバードウォッチャーにとって、絶好の観光スポットです。

実は、私はハンガリーの世界遺産の中で、唯一フェルテー湖にだけ行ったことがありません。
ハンガリー側の湖付近の観光開発は控えめで、唯一あったビーチも2025年現在立ち入り禁止になっています。
一方、オーストリアの湖沿いには、ウォータースポーツが人気のリゾート地「ノイジードル・アム・ゼー」や、ワインとコウノトリが有名な「ルスト」という町があって賑わっている様子。また、伝統的な農業風景、歴史的な家屋も、オーストリア側で多く見られるそうです。
湖の雰囲気を存分に味わいたい場合は、オーストリアサイドにお出かけになる方がいいかもしれません。
ハンガリーのフェルテー湖の近くの有名な観光地を2ヶ所ご紹介します。

湖にほど近いフェルトゥード(Fertőd)という街に、「ハンガリーのベルサイユ宮殿」とも呼ばれる「エステルハージ宮殿」があることで知られています。
作曲家ハイドンが楽長を務め、多くの名曲を生み出した場所としても有名。現在は博物館として公開され、豪華な内装や音楽の歴史を体感でます。
ハンガリーでフェルテー湖に近い大きな街は、美しい街並みが残る「ショプロン(Sopron)」。1920年のトリアノン条約で、オーストリアへの分割が決まっていましたが、住民投票によりハンガリーへ留まることが決定したため「忠誠の街」と呼ばれています。
ベルリンの壁の崩壊にもつながる「汎ヨーロッパ・ピクニック」が開催されたのもショプロン近郊です。1989年8月19日に、東ドイツ市民約600人がオーストリアへ集団亡命し、東欧諸国の民主化の流れを加速させる大きなきっかけとなりました。

ブダペストからショプロンへは電車で約2時間30分。日帰りもできなくないですが、素敵な街なので宿泊がおすすめです。周辺で栽培されたワインも楽しめます!
「フェルテー湖に少しでも近づいてみたい」という場合は、ショプロンで車の手配をして出かけるのがいいかと思います。
エステルハージ宮殿を含むハンガリーの宮殿にご興味のある方は、こちらの記事をご参照ください!各宮殿への交通案内も含みます。
トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観
ハンガリー北東部に位置するトカイ地方は、世界的に有名な貴腐ワイン「トカイ・アスー」の産地。2002年に「トカイのワイン産地の歴史的・文化的景観 」として世界遺産に登録されました。
約千年のワイン造りの歴史と、独特の自然環境が生み出す世界最高級の貴腐ワインで評価されています。

トカイ・アスーは「ワインの王にして王のワイン」と称され、フランス国王ルイ14世やロシア皇帝ピョートル大帝も愛飲したと伝えられています。
トカイ地方は火山性土壌がブドウに豊かなミネラルを与え、ティサ川とボドログ川が生み出す湿気により、貴腐菌の繁殖に理想的な環境です。
伝統的なワインセラーは地下の石灰岩に掘られ、天然の温度・湿度管理が可能。ワインセラー内部は、長年にわたるワイン熟成によって黒カビに覆われており、独特の神秘的な雰囲気を持っています。
トカイへはブダペストから電車でもアクセスできます。駅前にはワインセラーが並び、こぢんまりとした町の中心もいい雰囲気です。

町には小さなワイナリーを併設したゲストハウスもあります。
少し郊外へ出ると、ワインセラー付きの宮殿ホテルやウェルネスホテルも人気です!
ワインセラーの見学もでき、興味深かったです
トカイ地方の雰囲気を味わうなら、車で丘陵地をドライブしてみてください!ブダペストからの日帰り観光ツアーに申し込んだり、トカイで滞在をして、ワインセラー巡りの手配をしてもらうのがおすすめです。

ワインセラーでは市場より安値でワインを販売しています。空のペットボトルにワインをドボドボと注いでもらいながら、トカイを車でめぐった懐かしい思い出があります。
「王のワイン」と称された極上の甘口ワインを堪能しながら、ハンガリーの豊かなワイン文化に触れる旅を楽しんでみてください。
トカイに電車で出かけて、小さな町を散策するのも楽しいですが、ぜひ世界遺産のワイン山地を車でドライブしてもらいたいです。ブダペスト発着のツアーに申し込みをすれば簡単です。
【ベルトラ】ブダペスト発着のツアーが実施されていない時期は、現地のワイナリーで見学ツアーに申し込む方法もあります!
トカイの町でワインの試飲やワインセラー見学のできる”Hímesudvar winery(ヒーメシュウドゥヴァル ワイナリー)”の情報 | |
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住所 | Tokaj, Bem József u. 2, 3910 |
アクセス | トカイ駅から徒歩約25分 ブダペストからトカイへは、電車で約3時間 |
公式ウェブサイト -ワイン試飲の料金と内容 –ワイン試飲&トカイ発着のワイン畑訪問ツアーの料金と内容 | https://www.himesudvar.hu/wine-tasting-wine-tour-tokaj.html |
定休日 | 公式ウェブサイトの案内を確認 |
アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群
1995年に世界遺産に登録された「アグテレク・カルストとスロバキア・カルストの洞窟群」は、ハンガリー北東部のアグテレク地域とスロバキア南部にまたがります。
世界遺産の石灰岩地帯には約700の洞窟が形成され、最も有名なバラドラ洞窟(Baradla-barlang)は全長26kmに及び、壮大な鍾乳石や広大なホールが特徴です。特に「コンサートホール」と呼ばれる空間は音響が優れ、時々コンサートも開催されます。

数百万年にわたる地質活動によって形成された驚異的な自然景観を持ち、鍾乳石や地下川などの神秘的な光景が広がっています。
この地域は洞窟だけでなく、独特のカルスト地形や多様な動植物の生息地としても価値があります。洞窟内には稀少なコウモリが生息し、考古学的にも先史時代の人類の痕跡が発見されています。

洞窟の見学をするには、見学ツアーへの参加が必要です。
現地で申し込みできる毎日開催のツアーから、事前予約が必要な上級者向けのツアーまであります。
私が訪れたのは15年以上前で、ヘルメットをかぶってハシゴを上り下りしたりするりハードなコースに参加。「日本でこういう危ないツアーはないな」とびっくりしたのですが、どうやらよく分からずに上級者向けツアーに申し込みしていたようです💦
難易度の低い所要約1時間のバラドラ洞窟のツアーの評判はとても良く、美しい鍾乳石や広大なホールを気軽に楽しめるとのこと。ツアーの内容をよく確認して、無理せず満喫できるツアーを選択してください。

洞窟内の気温は約10度でなかなか寒いです。夏でも必ず上着を用意、歩きやすい靴でツアーに参加しましょう!
アグテレクは地上のハイキングコースも充実しています。私はアグテレクに小さなゲストハウスに泊まって、山の散策も楽しみました。
山で過ごすのが好きな方は、現地に宿泊して、大自然の魅力を存分に味わってみてはいかがですか。

ブダペストからは電車とバスを乗り継いで、片道4〜5時間近くかかります。現地で宿泊するか、ミシュコルツ(Miskolc)などの大きめの都市に宿泊するのが現実的です。
1日に1往復だけ、ブダペスト早朝発の直通バス、および、アグテレク午後発の直通バスがあります。(2025年3月現在の情報)
アグテレク洞窟の情報 | |
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住所 | Aggtelek, Baradla oldal 1., 3759 |
アクセス | ミシュコルツ駅からバスを乗り継いで約2時間 (ブダペストからミシュコルツまでは電車で約2時間) 1日に1往復だけブダペスト↔️アグテレク間の直通バスあり。所要約4時間30分 |
公式ウェブサイト | https://anp.hu/en/ |
営業時間(時期によって変更) | ツアーが実施される時間帯 |
定休日 | メンテナンス等のある場合は、公式ウェブサイトに記載あり |
ツアーの詳細 (難易度の高いツアーは要事前申し込み) | https://anp.hu/en/barlangi-turak |
【まとめ】ハンガリーの世界遺産8選!ブダペスト在住者が観光情報をお届け
ハンガリーには、美しい建築や歴史的な遺産が数多くあり、その中でも世界遺産に登録された8か所は、どこも訪れる価値のある魅力的なスポットです。
ブダペストの華やかな街並みや壮大な修道院、地方に点在する文化遺産や自然の絶景など、それぞれが異なる個性を持ち、ハンガリーの奥深さを感じさせてくれます。
実際に訪れた場所のリアルな体験を交えながらご紹介しましたが、写真や言葉だけでは伝えきれない魅力がまだまだあります。もしハンガリーを旅する機会があれば、ぜひ世界遺産巡りも計画に加えてみてください。実際にその場に立ち、歴史や文化を肌で感じることで、より一層旅が特別なものになるはずです。
ブダペスト在住者だからこそお伝えできる情報を、これからも発信していきますので、ぜひ参考にしていただければ嬉しいです!
電車やバスを手配してハンガリー国内を旅行する際は、こちらの記事を参考にしてください!